精神保健福祉士の過去問
第24回(令和3年度)
精神疾患とその治療 問92

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問題

第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 精神疾患とその治療 問92 (訂正依頼・報告はこちら)

30歳前後に見える男性は、意味不明の独り言を発しながら、深夜に海岸を一人で歩いていたため、警察に保護された。警察官からの、「何をしていたのか」という問いかけに、「分からない」と答えた。付き添っている人はおらず、「名前や住所は覚えていない」と言い、身元が分かるようなものは所持していなかった。精神疾患を疑った警察官が精神科病院の受診につなげた。1名の精神保健指定医が診察したところ、暴れることはなく、頭部外傷などの身体面に緊急の治療を要する病変や自殺念慮も認められなかった。本人は入院による精神科治療が必要と認めなかったが、精神障害があるため、入院治療が必要と判断された。
次のうち、この時点における男性の入院形態として、適切なものを1つ選びなさい。
  • 緊急措置入院
  • 措置入院
  • 医療保護入院
  • 応急入院
  • 任意入院

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この過去問の解説 (3件)

01

1、✕ 緊急措置入院は、入院させなければ自傷他害の恐れがある精神障害者が対象とされています。本事例の男性は、「診察の際に暴れる事もなく緊急の治療を要する病変や自殺念慮もなかった」と述べられています。そのため、緊急措置入院の対象とはならないと考えられます。

2、✕ 措置入院の対象となる人は、選択肢1の緊急措置入院と同様、入院させなければ自傷他害の恐れがある精神障害者とされているため対象とはならないと考えられます。また、措置入院を行う場合には精神保健指定医2名の診断の結果が一致する事が条件に挙げられていますが、本事例においては1名の精神保健指定医の診察のみしか行われていません。そのため、措置入院は行えないと考えられます。

3、✕ 医療保護入院は入院を必要とする精神障害者で、自傷他害の恐れはないが、任意入院を行う状態にない人が対象となります。また、それを行う要件として精神保健指定医または特定医師の診察および家族等の同意が必要と定められています。本事例の男性は対象者となる条件は満たしていますが、入院について同意してもらえる家族等の存在が現時点では明らかに出来ていないため、医療保護入院を実施する事が出来ません。

4、〇 応急入院は、入院を必要とする精神障害者で、自傷他害の恐れはないが任意入院を行う状態にない者が対象とされます。本事例の男性は、自傷他害の恐れはなく、精神保健指定医が入院治療が必要であると判断していますが、男性自身はそれを認めていません。そのため、任意入院を行う事は出来ず、応急入院の形態で入院する事が適切であると言えます。

5、✕ 任意入院は入院を必要とする精神障害者であり、入院について本人の同意がある者に対して行う事が出来る入院形態です。本事例の男性は、「自分自身に入院による精神科治療が必要と認めなかった」とされているため、本人の同意が必要である任意入院での入院をする事はできません。

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02

正解は 4 です。

各選択肢については以下の通りです。

1.緊急措置入院は、自傷他害のおそれがある精神障害者が対象となっています。

今回の事例では、自傷他害のおそれはないと判断されているため緊急措置入院の対象とはなりません。

2.措置入院も、自傷他害のおそれがある精神障害者が対象となっておりますので今回の事例では措置入院の対象とはなりません。

また、措置入院とする場合には「2名以上」の精神保健指定医の診察が必要となります。

3.医療保護入院は、入院が必要とされる者の家族、または市町村村長の同意により可能となります。

今回の事例においては家族または市町村長の同意を得ることは難しいと考えられるため医療保護入院の対象とはなりません。

4.応急入院は、入院に急速を要し、その家族等の同意を得ることができない場合本人の同意がなくても72時間に限り入院させることができる形態です。

精神障害者であり、かつ直ちに入院させる必要があると考えられるため、今回の事例においては適切な入院形態と考えられます。

5.任意入院は、本人の同意に基づいた入院形態です。

この事例では本人が精神科治療の必要性を認めていないため、任意入院の形態をとることはできません。

参考になった数15

03

正解は、 です。

1 不適切です。

緊急措置入院は、自傷他害の恐れがあり、緊急を要する方を入院させる入院形態のことです。この事例では、「自殺念慮も認められなかった」とありますので、不適切です。

2 不適切です。

措置入院は、自傷他害の恐れがある方を入院させる入院形態のことです。この事例では、「自殺念慮も認められなかった」とありますので、不適切です。

3 不適切です。

医療保護入院は、本人ではなく家族などが入院に同意する形態です。この事例では、「身元が分かるようなものは所持していなかった」とあり、家族などと連絡をとったことが読み取れませんので、不適切です。

4 適切です。

「入院治療が必要と判断された」ものの、本人や家族の同意が得られておりませんので、応急入院が適切です。

5 不適切です。

任意入院は、本人の同意による入院形態のことです。この事例では「本人は入院による精神科治療が必要と認めなかった」とありますので、不適切です。

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