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精神保健福祉士の過去問 第24回(令和3年度) 精神保健福祉相談援助の基盤 問117

問題

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次の事例を読んで、答えなさい。
〔事例〕
Kさん(39歳)は、夫のLさん(43歳)と小学生の子ども(9歳、女児)の3人家族である。結婚して以来、Lさんは、Kさんの交友関係を絶たせ、最低限の食費のみを渡し、家計を細かく管理した。また、Lさんの思い通りに家事ができていないとKさんに殴る、蹴るなどの暴力を振るった。今回、Kさんを守ろうとした子どもにも暴力を振るったため、これを機にKさんは子どもを連れて家を離れ、福祉事務所を通じて母子生活支援施設に入所した。入所初期のKさんの話は混乱していたが、担当のM母子支援員(精神保健福祉士)は丁寧に対応し、「外から聞こえる足音が夫のような気がして怖い」「夫から離れたいけど無理かもしれない」「子育てのことも負担」ということを聞き取った。(※1)
施設でのKさんはLさんに強いられていた生活のルールを強迫的に守ろうとし、言うとおりにしないとLさんにされたように子どもを叱責した。また、職員や他の入居者の言動を被害的に捉えて、相手を攻撃することが多かった。曖昧な対応をする職員には、「いい加減なことを言わないでほしい」と強く責めたてるため、ケース会議でKさんのことを取り上げた。(※2)
Lさんは、A相談員(精神保健福祉士)が対応する市役所の男性相談窓口を訪れ、「暴力を振るっていた父のようになりたくなかった。理想の家庭を作りたくて、家事や育児も言うとおりにできない妻を導いてきたつもり。それなのに妻は子どもを連れて出て行った。妻だけでなく今回は子どもにも手を出してしまったので、自分でも変わらないといけないと思うが、どうしたらよいか分からない」と話した。A相談員は、「自分の行動についてなんとかしたいと思っているのですね。自分の行動を整理してみませんか」と伝えて、県内で開始されていたNPO法人が実施している事業・活動を紹介した。(※3)

次の記述のうち、(※2)のケース会議で共有する支援の方向性として、適切なものを1つ選びなさい。
   1 .
責められた職員のKさんへの態度を指摘し、自己覚知させる。
   2 .
トラウマの影響について学び直し、Kさんへの理解を深める。
   3 .
Kさんの苦情について、画一化した対応マニュアルを作る。
   4 .
施設生活にはなじめないので、他の住まいを検討する。
   5 .
境界性パーソナリティ障害と考え、精神科診療所への受診につなげる。
( 第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問117 )
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この過去問の解説 (3件)

7

正解は、 です。

1 不適切です。

Kさんがなぜそのような言動や行動を起こすのかについて精神保健福祉士として考えることが必要です。

2 適切です。

Kさんの言動や行動は夫から受けた暴力などによるトラウマから来ているものと考えることができます。Kさんへの理解を深めることが本人に寄り添った支援に繋がると言えます。

3 不適切です。

Kさんの精神状態は変化があるものと予想されるため、画一化したマニュアルを作成することは不適切です。

4 不適切です。

ようやく夫の元から離れてきたKさんについて、他の住まいを検討するなど突き放したとも受け取られかねない状況を作ることはKさんにとって望ましくありません。

5 不適切です。

現在の症状は夫から受けた暴力などによるトラウマから来ているものと考えることができます。精神症状の安定のために精神科への受診を検討することは考えられますが、「境界性パーソナリティ障害」と考えることは不適切です。

付箋メモを残すことが出来ます。
3

1、不適切です。曖昧な対応をする職員に対して、対応の仕方を指導する事は必要かもしれませんが、ケース会議の主体はあくまでKさんとなります。職員の指導は別の機会を設けて指導する必要があると考えられます。

2、適切な内容です。KさんはLさんに強いられていたルールを強迫的に守ろうとする事により、子どもとの関係性や、同じ施設で生活する他利用者、職員との関係性が適切に築けなくなっています。KさんがLさんと過ごす中で植え付けられているトラウマの影響について理解する事は、Kさんの考えや行動を理解する事に繋がります。

3、不適切です。Kさんへの接し方を画一的にするのではなく、Kさんが何を要望しているのか、その苦情がなぜ発生するのかを把握できるよう、Kさん自身に接していき理解を深める事が大切であると考えられます。

4、不適切です。Kさんと話し合いをせず、一方的に施設生活になじめないと決めつける事はできません。また、Kさんは現時点で他の住まいへ移りたいという希望は持っていないため、ケース会議で他の住まいを検討する必要性はありません。

5、不適切です。現時点でKさんは自身の状況を改善したいという思いを持っておらず、精神科診療所への受診に繋げる事は困難と考えられます。Kさんがこの時点で最も望んでいる事は安全な環境での生活であり、安心して生活できる環境の提供を最優先に考える必要があると思われます。

3

正解は、 2 です。

トラウマ(PTSD)に基づく施設入所後の問題行動について、

関係者間の支援方針に関する問題です。

1.適切ではありません。

クライアントはKさんなので、

会議ではKさんに関することを話し合います。

2.適切ではありません。

Kさんの行動にはどのような背景があるかを考える必要があります。

今までのLさんとの関わりの中で、

Kさん自身にどのような変化が生まれたか。

精神保健福祉士は常に当事者を理解しようとする姿勢が求められます。

3.適切ではありません。

苦情へのマニュアルを作成したとしても、

今後さらに苦情が増えることが予想されます。

対応マニュアルを考えるのではなく、

なぜKさんは苦情を出すのかを考えましょう。

4.適切ではありません。

施設生活になじめないのではなく、

Lさんとの生活の中で生まれた歪みがKさんを苦しめていると考えます。

退去を促すのは現実的ではありません。

5.適切ではありません。

境界性パーソナリティー障害ではなく、

心的外傷後ストレス性障害の可能性の方が高いと考えられます。

また、Kさんにとって必要なものは精神科医療よりも安心した生活です

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