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精神保健福祉士の過去問 第24回(令和3年度) 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問134

問題

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次の事例を読んで、答えなさい。
〔事例〕
P市に住むKさん(30歳、女性)は、学生時代に通院していた精神科病院をL君(5歳、男児)と共に受診した。診察に際してM精神保健福祉士がインテーク面接を行った。Kさんは、「5年前に結婚し、すぐにLを出産したが、2年半前に離婚した。働きながらLを育ててきたが、3か月程前から不眠が続き、仕事に行けなくなり、先月、突然解雇を言い渡された。もう生きていてもしょうがない」とうつろな表情で話した。M精神保健福祉士は、Kさんの来院をねぎらい、傾聴した。同時に、Kさんの手首に巻かれたハンカチから血がにじんでいることや、L君は5歳児にしては小さく痩せていること、不衛生な身なりで表情が乏しいことが気になった。(※1)
診察の結果、Kさんには自傷行為が認められ、希死念慮が強く、入院治療が必要と判断された。当初Kさんは、「身寄りもなく、Lを残して入院できないしお金もない」と入院に同意しなかった。しかし、主治医より入院の必要性について説明され、M精神保健福祉士がL君への支援と、経済的な支援について説明すると、ほっとした表情を浮かべ入院に同意した。Kさんの入院と同時に、L君は一時保護となった。入院後、KさんはM精神保健福祉士との面談で、「酒飲みの父親は私に頻繁に暴力を振るったが、母親は助けてくれなかった」「離婚した夫も、酒を飲むと私とLに暴力を振るった」「離婚後、Lを厳しく叱り、世話をできないことが続いた。気付くとリストカットを繰り返していた」と語った。M精神保健福祉士は、誰にも相談できずに苦しんできたKさんに寄り添い、傾聴した。(※2)
一時保護所のA児童福祉司(精神保健福祉士)は、L君が声かけにほとんど反応せず、言語発達の遅れがみられるため、P市と連携してL君の養育環境の整備を開始した。M精神保健福祉士は、Kさん及び主治医、A児童福祉司と共にKさんの退院後の生活について話し合う場を設けた。A児童福祉司が、母親と暮らすことを希望するL君の意向を伝えると、Kさんは、「退院してLと一緒に暮らしたいが自信がない」と語った。(※3)

次の記述のうち、(※3)の話合いの場で提案されたKさん及びL君への支援の方針として、適切なものを1つ選びなさい。
   1 .
L君の発達支援のために、居宅訪問型児童発達支援を利用する。
   2 .
L君の安全確保のために、里親制度を活用する。
   3 .
Kさん親子の経済的安定のために、就職活動を開始する。
   4 .
Kさん親子をいつでも支援できるように、関係機関との連携体制を構築する。
   5 .
Kさんが過去の体験に向き合えるように、入院治療の継続を調整する。
( 第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問134 )
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この過去問の解説 (3件)

11

1、不適切です。居宅訪問型児童発達支援は、身体面または精神面等の理由で自発的な外出が困難である児童を対象としています。L君は母親であるKさんと一緒に精神科病院に来院する事が出来ているため、居宅訪問型児童発達支援の対象とは言えません。

2、不適切です。Kさん、L君の双方が一緒に生活したいと希望しており、それに沿った支援を考える必要があります。里親制度の活用は母子が分離されてしまうため、二人の気持ちに沿った支援とは言えず適切な支援方法とは言えません。

3、不適切です。Kさんは3か月ほど前から不眠の症状が出ており、それが原因で仕事を解雇されています。また、自傷行為が見られるほど精神的に不安定な状態に置かれている事も読み取れます。Kさんの精神状態が安定しなければ、就職したとしても継続は難しいと考えられるため、現時点で就職に向けた支援を検討する事は適切とは言えません。

4、適切な内容です。Kさん親子には入院中だけではなく、退院後も継続した支援が必要になる可能性が高いと言えます。いつでもKさん親子を支援できるようにするため、関係機関と連携体制を構築する事は適切な支援内容であると言えます。

5、不適切です。Kさんは「退院してL君と一緒に生活したいが自信がない」という気持ちを持っています。Kさんの「退院したい」という気持ちを尊重できるよう支援方法を検討する必要があると考えられます。

付箋メモを残すことが出来ます。
5

正解は、 です。

1 不適切です。

居宅訪問型児童発達支援は、重度の障害があり外出が困難である児童を対象としています。L君は「言語発達の遅れがみられる」とありますので、対象にはなりません。

2 不適切です。

L君も母親も一緒に暮らすことを希望しているとありますので、まずは意向に沿った支援を検討すること、そのためにKさんが自信をつけるなどの支援をすることが適切です。

3 不適切です。

現段階では、まずどうすればL君とKさんが一緒に生活できるかについて検討することが重要ですので、就職活動を開始することは時期尚早です。

4 適切です。

KさんとL君には様々な支援者が関わる必要があります。そのためにも、関係機関との連携体制を構築することは重要です。

5 不適切です。

Kさんも「退院してLと一緒に暮らしたい」と話している中で、入院治療の継続を調整することは不適切です。また、入院治療がKさんの過去の体験に向き合うことに繋がるとは限りません。

5

正解は、 4 です。

1.適切ではありません。

居宅訪問型児童発達支援とは、医療的ケアや重い障害のために外出困難な児童に対し、

日常生活における基本的な動作指導や生活能力向上のために必要な訓練等を行い、

発達を促していく支援のことです。

L君は外出困難な状態ではないので、この支援は適切ではありません。

2.適切ではありません。

L君の安全確保は必要ですが、

現段階で里親制度の利用は適切とは言えません。

まずは、Kさん親子が地域で生活していけるように支援していき、

その中でL君の安全が脅かされる危険があった場合は、

支援の一つとして里親も候補として考えてよいでしょう。

3.適切ではありません。

退院後の生活に対して不安を感じているKさんに対して、

就職活動の支援をすることは時期尚早です。

退院後は環境が変わるので、

就労は地域生活への適応が見られて状態が安定してからの方が良いでしょう。

4.適切です。

退院後の生活に不安を抱いていることから、

地域に戻ってからも支援に切れ目が生まれないよう

関係機関との連絡体制の構築が求められます。

5.適切ではありません。

入院治療の継続を判断するのは医師です。

また、過去の体験に向き合うことも大切ですが、

退院の話も出ていることから、過去に向き合う段階ではなく、

今後のことを考えていく段階に入っています。

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