精神保健福祉士の過去問
第24回(令和3年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問135
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問135 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、答えなさい。
〔事例〕
B精神保健福祉士は、社員のメンタルヘルス対策の強化に伴い、大手製造メーカーの健康相談室に新たに採用された。ある日、健康相談室に製造管理課のC課長が欠勤が続く部下のことで相談に訪れた。C課長の話は、「部下のDさんは、責任感が強いため、多くの仕事を引き受けていた。無理をさせてしまった。Dさんに電話すると、『気持ちが落ち込み、眠れない。出勤できない自分が不甲斐ない』と自分を責めており、対応に困っている」とのことだった。B精神保健福祉士はC課長が心配している気持ちを聞き、Dさんへの対応について助言した。(※1)
その後、C課長は、「Dさんは仕事を休んでいるものの、体調は落ち着いてきたようだ」とB精神保健福祉士に報告した。また、C課長は、「実は、他にも心配な部下が何人かいる」「部下たちは仕事の負担が多くても、無理して頑張っているように思う」「取引先の納期の意向に沿えないことで営業課に批判され、部下たちの努力が社内で評価されていないのが悔しい」と語った。B精神保健福祉士は、この状況を人事担当者に伝え、ストレスチェックの集団分析の結果、製造管理課は総合健康リスクが高いことを確認した。同課は高ストレスの傾向にあり、仕事の量的負担が高く、互いを気遣っているものの同僚からの支援は受けにくい傾向であることが分かった。そして、人事担当者から高ストレスの要因となる職場環境の改善について取り組むよう依頼を受けた。B精神保健福祉士は、人事担当者やC課長と検討し、改善に向けた具体策に取り組んだ。(※2)
B精神保健福祉士は、取り組む中で、製造管理課の社員の多くは良い製品を作ることを考え、妥協を許さない仕事ぶりが顕著であると感じた。そして、B精神保健福祉士は、今の問題を解決するための一助として、職場環境の改善に加えて、社員一人ひとりがよりよい対処法を身に付けるための基礎的な研修が必要と考え、人事担当者とC課長の了承を得て、業務内で製造管理課の社員が参加できるように研修企画を進めた。(※3)
次の記述のうち、(※1)の時点での、B精神保健福祉士のC課長に対する助言として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
B精神保健福祉士は、社員のメンタルヘルス対策の強化に伴い、大手製造メーカーの健康相談室に新たに採用された。ある日、健康相談室に製造管理課のC課長が欠勤が続く部下のことで相談に訪れた。C課長の話は、「部下のDさんは、責任感が強いため、多くの仕事を引き受けていた。無理をさせてしまった。Dさんに電話すると、『気持ちが落ち込み、眠れない。出勤できない自分が不甲斐ない』と自分を責めており、対応に困っている」とのことだった。B精神保健福祉士はC課長が心配している気持ちを聞き、Dさんへの対応について助言した。(※1)
その後、C課長は、「Dさんは仕事を休んでいるものの、体調は落ち着いてきたようだ」とB精神保健福祉士に報告した。また、C課長は、「実は、他にも心配な部下が何人かいる」「部下たちは仕事の負担が多くても、無理して頑張っているように思う」「取引先の納期の意向に沿えないことで営業課に批判され、部下たちの努力が社内で評価されていないのが悔しい」と語った。B精神保健福祉士は、この状況を人事担当者に伝え、ストレスチェックの集団分析の結果、製造管理課は総合健康リスクが高いことを確認した。同課は高ストレスの傾向にあり、仕事の量的負担が高く、互いを気遣っているものの同僚からの支援は受けにくい傾向であることが分かった。そして、人事担当者から高ストレスの要因となる職場環境の改善について取り組むよう依頼を受けた。B精神保健福祉士は、人事担当者やC課長と検討し、改善に向けた具体策に取り組んだ。(※2)
B精神保健福祉士は、取り組む中で、製造管理課の社員の多くは良い製品を作ることを考え、妥協を許さない仕事ぶりが顕著であると感じた。そして、B精神保健福祉士は、今の問題を解決するための一助として、職場環境の改善に加えて、社員一人ひとりがよりよい対処法を身に付けるための基礎的な研修が必要と考え、人事担当者とC課長の了承を得て、業務内で製造管理課の社員が参加できるように研修企画を進めた。(※3)
次の記述のうち、(※1)の時点での、B精神保健福祉士のC課長に対する助言として、適切なものを1つ選びなさい。
- 「半日から出社することを伝えてみませんか」
- 「別の部署に移ることを提案してみてはどうですか」
- 「経済的な心配があれば、障害年金の手続を伝えてはどうですか」
- 「産業医への相談を勧めてみませんか」
- 「健康診断を受けるように勧めてはどうですか」
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
1、✕ Dさんは現状出勤する事が出来ない状態にまで体調を崩している状態です。
その状態に置かれているDさんに治療や助言等の支援を何も行う事なく出社を促す事は、Dさんの状態悪化に繋がるため、現時点での支援としては適切とは言えません。
2、✕ Dさんは責任感が強く、仕事を抱えてしまいがちな面がある人であるとC課長の言葉から分かります。他部署に異動させたとしても同じ事が起こる可能性は高く、根本的な問題解決には繋がりません。
また、Dさん自身が異動を希望しているという言葉も現時点で聞かれておらず、急な環境変化がDさんの心にさらなるプレッシャーを与える可能性もあり、適切な支援内容とは言えません。
3、✕ 現時点でDさんから経済面の心配の言葉は聞かれておらず、障害年金の手続きについての説明を行う事は適切ではありません。
4、〇 C課長はDさんに対して無理な労働をさせてしまっていたと感じており、Dさん自身も気分の落ち込みや不眠などの自覚症状があります。
産業医の職務として「労働者の健康障害の原因の調査、再発防止のための措置」が挙げられており、産業医に相談する事で支援方法を専門職と一緒に考える事が出来るため、適切な支援内容であると言えます。
5、✕ Dさんは現在気分の落ち込みや不眠などの自覚症状がありますが、身体的な健康被害は見られていません。
健康診断を受けるよりも、職場の産業医への相談の方がより適切な支援であると言えます。
参考になった数15
この解説の修正を提案する
02
正解は、 4 です。
1.適切ではありません。
気分の落ち込み、不眠、自責心が強い状態はうつ状態が疑われます。
無理に出社することを提案するのではなく、
症状を改善すべく医療へつなげることが先決です。
2.適切ではありません。
まずは休むことが優先されます。
部署異動は本人の体調や希望を十分に聴いたうえで、話し合ってからでも遅くありません。
3.適切ではありません。
障害年金の手続きは時期尚早です。
まずは、受診をし、傷病手当金を受給してから、障害年金を受給する流れとなります。
4.適切です。
気分の落ち込み、不眠、自責心が強い状態はうつ状態が疑われます。
会社の産業医へ相談し、適切な医療を受けられる援助を行うことが適切です。
5.適切ではありません。
身体に不調を感じているのであれば、健康診断を受けることも適切ですが、
今回の場合はメンタルヘルスに不調を感じているケースです。
まずは、産業医への相談が適切です。
参考になった数5
この解説の修正を提案する
03
正解は、4 です。
1 不適切です。
「気分が落ち込み、眠れない」とありますので、半日でも出社することはDさんの負担になると考えられます。
2 不適切です。
今の部署にいることが負担になっているとは事例から読み取れません。また、環境の変化はDさんの症状を悪化させる可能性があります。
3 不適切です。
事例には経済的な心配があるとは書いていません。また、障害年金の支給対象になる程の障害を持っているかについても不明です。
4 適切です。
Dさんの症状が病気なのか、どこから来るものなのかがまだわかっていない状態ですので、産業医への相談を勧めることは適切です。
5 不適切です。
「気持ちが落ち込み、眠れない」とありますので、健康診断より産業医への相談の方が適切であると考えられます。
参考になった数2
この解説の修正を提案する
前の問題(問134)へ
第24回(令和3年度)問題一覧
次の問題(問136)へ