精神保健福祉士の過去問
第24回(令和3年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問136
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問題
第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問136 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、答えなさい。
〔事例〕
B精神保健福祉士は、社員のメンタルヘルス対策の強化に伴い、大手製造メーカーの健康相談室に新たに採用された。ある日、健康相談室に製造管理課のC課長が欠勤が続く部下のことで相談に訪れた。C課長の話は、「部下のDさんは、責任感が強いため、多くの仕事を引き受けていた。無理をさせてしまった。Dさんに電話すると、『気持ちが落ち込み、眠れない。出勤できない自分が不甲斐ない』と自分を責めており、対応に困っている」とのことだった。B精神保健福祉士はC課長が心配している気持ちを聞き、Dさんへの対応について助言した。(※1)
その後、C課長は、「Dさんは仕事を休んでいるものの、体調は落ち着いてきたようだ」とB精神保健福祉士に報告した。また、C課長は、「実は、他にも心配な部下が何人かいる」「部下たちは仕事の負担が多くても、無理して頑張っているように思う」「取引先の納期の意向に沿えないことで営業課に批判され、部下たちの努力が社内で評価されていないのが悔しい」と語った。B精神保健福祉士は、この状況を人事担当者に伝え、ストレスチェックの集団分析の結果、製造管理課は総合健康リスクが高いことを確認した。同課は高ストレスの傾向にあり、仕事の量的負担が高く、互いを気遣っているものの同僚からの支援は受けにくい傾向であることが分かった。そして、人事担当者から高ストレスの要因となる職場環境の改善について取り組むよう依頼を受けた。B精神保健福祉士は、人事担当者やC課長と検討し、改善に向けた具体策に取り組んだ。(※2)
B精神保健福祉士は、取り組む中で、製造管理課の社員の多くは良い製品を作ることを考え、妥協を許さない仕事ぶりが顕著であると感じた。そして、B精神保健福祉士は、今の問題を解決するための一助として、職場環境の改善に加えて、社員一人ひとりがよりよい対処法を身に付けるための基礎的な研修が必要と考え、人事担当者とC課長の了承を得て、業務内で製造管理課の社員が参加できるように研修企画を進めた。(※3)
次の記述のうち、B精神保健福祉士が取り組んだこと(※2)として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
B精神保健福祉士は、社員のメンタルヘルス対策の強化に伴い、大手製造メーカーの健康相談室に新たに採用された。ある日、健康相談室に製造管理課のC課長が欠勤が続く部下のことで相談に訪れた。C課長の話は、「部下のDさんは、責任感が強いため、多くの仕事を引き受けていた。無理をさせてしまった。Dさんに電話すると、『気持ちが落ち込み、眠れない。出勤できない自分が不甲斐ない』と自分を責めており、対応に困っている」とのことだった。B精神保健福祉士はC課長が心配している気持ちを聞き、Dさんへの対応について助言した。(※1)
その後、C課長は、「Dさんは仕事を休んでいるものの、体調は落ち着いてきたようだ」とB精神保健福祉士に報告した。また、C課長は、「実は、他にも心配な部下が何人かいる」「部下たちは仕事の負担が多くても、無理して頑張っているように思う」「取引先の納期の意向に沿えないことで営業課に批判され、部下たちの努力が社内で評価されていないのが悔しい」と語った。B精神保健福祉士は、この状況を人事担当者に伝え、ストレスチェックの集団分析の結果、製造管理課は総合健康リスクが高いことを確認した。同課は高ストレスの傾向にあり、仕事の量的負担が高く、互いを気遣っているものの同僚からの支援は受けにくい傾向であることが分かった。そして、人事担当者から高ストレスの要因となる職場環境の改善について取り組むよう依頼を受けた。B精神保健福祉士は、人事担当者やC課長と検討し、改善に向けた具体策に取り組んだ。(※2)
B精神保健福祉士は、取り組む中で、製造管理課の社員の多くは良い製品を作ることを考え、妥協を許さない仕事ぶりが顕著であると感じた。そして、B精神保健福祉士は、今の問題を解決するための一助として、職場環境の改善に加えて、社員一人ひとりがよりよい対処法を身に付けるための基礎的な研修が必要と考え、人事担当者とC課長の了承を得て、業務内で製造管理課の社員が参加できるように研修企画を進めた。(※3)
次の記述のうち、B精神保健福祉士が取り組んだこと(※2)として、適切なものを2つ選びなさい。
- 取引先の意向に沿えなかった理由を社内に公表する。
- C課長に高ストレスの要因を改善する計画の作成を一任する。
- 製造管理課の業務量を可視化し、課内で共有する。
- 休日に製造管理課の社員全員が集まる親睦会を開催する。
- 同僚に対する気遣いを言葉にして伝え合う場を設ける。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は、3・5 です。
1 不適切です。
高ストレスの要因となる職場環境の改善に効果があるとは考えにくいです。
2 不適切です。
C課長に計画の作成を一任するのではなく、精神保健福祉士としても関わる必要があります。
3 適切です。
「同僚からの支援は受けにくい傾向」とありますので、互いの負担感が見えることは業務改善に有効であると考えられます。
4 不適切です。
社員との親睦も大切ですが、休日に開催することは社員が休む時間が削られると考えられます。また、親睦会の開催については社員の意向を確認することも大切です。
5 適切です。
「互いを気遣っているものの」とありますので、記述内容のような取り組みを行い、実際に言葉をかけ合うことは大切です。
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02
1、不適切です。取引先の意向に沿えなかった理由を社内に公表しても、製造管理課に所属する社員のストレスが解消されるとは考えにくく、適切な取組とは言えません。
2、不適切です。製造管理課の社員全体が高ストレス傾向であり、その要因を改善する計画を立案する事自体は適切な取組です。
しかしその計画をC課長に一任するのではなく、会社全体でその問題を共有し、計画作成に携わる事が必要であると考えられます。
3、適切な内容です。B精神保健福祉士は、製造管理課は全体的に仕事の量的負担が高いという事に気が付きましたが、当事者である製造管理課の社員はそれを具体的に理解していない可能性があります。
業務量を可視化する事で、自分達にどれだけの仕事の負荷がかかっていたかが理解でき、それを解消するための取組を一緒に考えていく事にも繋がっていくと考えられます。
4、不適切です。製造管理課の社員は仕事量が多く、休日は自宅で休みたいと考えている社員もいる可能性があります。
社員同士の親睦会を行いたいという意向が聞かれている訳ではないため、現時点でB精神保健福祉士がそれに取り組む事は適切な支援とは言えません。
5、適切な内容です。製造管理課の社員同士は互いを気遣っている様子が見られているが、同僚からの支援が受けにくい傾向がある事が分かっています。
お互いを気遣う気持ちを言葉にして伝えあう事で、同僚が自分に対してどのように感じていたか、自分が他の同僚の事をどう思っていたかが理解でき、お互いに必要な支援を受けられる関係が構築できる可能性があります。
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03
正解は、 3、5 です。
1.適切ではありません。
取引先の意向に沿えなかった理由を公表したところで、
部下たちのメンタルヘルスが改善されるわけではありません。
2.適切ではありません。
作成を一任するのではなく、共に考える姿勢が求められます。
専門職としての知見を伝え、共に取り組んでいくことが、
B精神保健福祉士に課せられた任務です。
3.適切です。
業務量を可視化することで、
漫然と感じていた多忙感が目に見えて分かりやすくなります。
また、業務量の多さとストレスの高さは比例しているため、
業務量を可視化することで精神疾患のストレス度合いを測る指標にもなります。
4.適切ではありません。
休日に開催することは、ワークライフバランスの観点からも適切ではありません。
5.適切です。
互いに気遣いあう雰囲気が既に醸成されていることから、
何かの機会があればお互いに支援しあう関係が構築できると考えられます。
そのための機会として、気遣いを言葉にして伝えあう場を設けることは適切といえます。
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