精神保健福祉士の過去問
第24回(令和3年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問138
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問題
第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問138 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、答えなさい。
〔事例〕
Eさん(33歳、女性)は、大学卒業後に仕事をしていた27歳の時に統合失調症と診断された。一時は入院していたが、現在は通院を続けながら一日中自宅で過ごしている。Eさんは今後の生活が心配になり、主治医に話したところ、精神科デイケアの利用を勧められた。デイケア担当のF精神保健福祉士による初回面談で、Eさんは、「一日中家にいて、いろいろ考えて不安に押しつぶされる感じがする。家族から仕事はどうするのかと聞かれると、焦りが強くなる。今の生活を変えたいけれど、新しい場所でうまくやれるか、不安が先に立つ。まずは生活リズムを整えたい。将来的には仕事も考えたい」と話した。F精神保健福祉士はEさんの気持ちを受け止め、週1日のデイケアを複数回体験することを提案した。(※1)
体験後にEさんは、「同世代の人がいて、自分と同じように悩んでいる人もいる。今後も継続して利用したい」と話し、週3日のデイケア利用を開始した。
1か月が過ぎた頃、EさんからF精神保健福祉士に、「デイケアに通い始めて、規則正しい生活にはなった。でも、多くのメンバーと話して仲良くなりたい、次のステップにつなげたいと頑張れば頑張るほど、うまくいかなくて焦りが強くなる。疲れてるのかな。どうしたら自然にできるんだろう」と相談があった。相談を受け、F精神保健福祉士はEさんの援助方針を検討するスタッフ会議を開催した。(※2)
利用から半年が過ぎ、グループ活動の企画に取り組むなど、生き生きとした姿が少しずつ見られるようになった。F精神保健福祉士はモニタリング面談で、「これまでの活動を振り返り、感じていることを教えてください」と尋ねた。Eさんは、「メンバー同士で支え、支えられることで、新しい自分が生まれてきた感じ。少しずつ希望が見えてきた。これからも迷ったり、悩んだりすると思うけど、今はちょっとだけ前向きになれた自分を褒めてあげたい」と話してくれた。(※3)
次の記述のうち、(※1)の時点でF精神保健福祉士が行うこととして、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Eさん(33歳、女性)は、大学卒業後に仕事をしていた27歳の時に統合失調症と診断された。一時は入院していたが、現在は通院を続けながら一日中自宅で過ごしている。Eさんは今後の生活が心配になり、主治医に話したところ、精神科デイケアの利用を勧められた。デイケア担当のF精神保健福祉士による初回面談で、Eさんは、「一日中家にいて、いろいろ考えて不安に押しつぶされる感じがする。家族から仕事はどうするのかと聞かれると、焦りが強くなる。今の生活を変えたいけれど、新しい場所でうまくやれるか、不安が先に立つ。まずは生活リズムを整えたい。将来的には仕事も考えたい」と話した。F精神保健福祉士はEさんの気持ちを受け止め、週1日のデイケアを複数回体験することを提案した。(※1)
体験後にEさんは、「同世代の人がいて、自分と同じように悩んでいる人もいる。今後も継続して利用したい」と話し、週3日のデイケア利用を開始した。
1か月が過ぎた頃、EさんからF精神保健福祉士に、「デイケアに通い始めて、規則正しい生活にはなった。でも、多くのメンバーと話して仲良くなりたい、次のステップにつなげたいと頑張れば頑張るほど、うまくいかなくて焦りが強くなる。疲れてるのかな。どうしたら自然にできるんだろう」と相談があった。相談を受け、F精神保健福祉士はEさんの援助方針を検討するスタッフ会議を開催した。(※2)
利用から半年が過ぎ、グループ活動の企画に取り組むなど、生き生きとした姿が少しずつ見られるようになった。F精神保健福祉士はモニタリング面談で、「これまでの活動を振り返り、感じていることを教えてください」と尋ねた。Eさんは、「メンバー同士で支え、支えられることで、新しい自分が生まれてきた感じ。少しずつ希望が見えてきた。これからも迷ったり、悩んだりすると思うけど、今はちょっとだけ前向きになれた自分を褒めてあげたい」と話してくれた。(※3)
次の記述のうち、(※1)の時点でF精神保健福祉士が行うこととして、適切なものを1つ選びなさい。
- Eさんの支援計画を立案する。
- 外来担当の看護師からEさんの受診や生活の情報を得る。
- 就労経験のあるデイケア利用者からEさんへ就職活動体験談を話してもらう。
- Eさんの住む地域を担当する民生委員からEさんの情報を得る。
- 就労移行支援のためのチェックリストを用いて、Eさんの作業能力を評価する。
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この過去問の解説 (3件)
01
1、不適切です。初回面談を行った際のEさんの言葉から、自分の置かれている状況への焦りや将来の変化を望みながらも大きな不安を抱えている事が分かります。
Eさんは自分自身の希望をうまく言葉にできておらず、Eさんの思いを正確に汲み取って言語化できるような関係性もF精神保健福祉士は築けていないと考えられます。
したがって現時点で支援計画を立案する事は困難であると言え、適切な支援内容とは言えません。
2、適切な内容です。Eさん自身のこれまでの生活歴や病状について知る事で、Eさんの持つ強みや生活に対する希望などを知る手がかりとなる可能性が高いと考えられるため、現時点では適切な行動であると言えます。
3、不適切です。Eさんは「将来的に仕事も考えたい」と語っていますが、「家族から仕事の事について聞かれると焦りが強くなる」とも語っています。
デイケア利用者から就職活動体験談を聞く事でその焦りがますます強くなり、不安が強くなる可能性が高いと考えられます。
4、不適切です。Eさんは一日中自宅で過ごす事が多く、地域との繋がりをどの程度持っているかが分かりません。民生委員がEさんの情報を持っているかも不明であり、正確な情報を得られるか疑問が残ります。
対して、Eさんは27歳の時に統合失調症を発症してから入院、通院を続けており、病院との繋がりが出来ていると考えられますので、情報を得るのであればEさんが入院、通院をしていた病院関係者から得る事が適切な行動であると言えます。
5、不適切です。選択肢3でも述べた通り、Eさんは就労に対する希望は持っていますが、現時点で就労に対する不安や焦りを感じています。それを解消しないまま就労移行支援のためのチェックリストを実施する事はこの時点で行うべき支援ではないと考えられます。
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02
正解は、 2 です。
デイケア担当の精神保健福祉士が初回面談時に行うケース支援についての問題です。
1.適切ではありません。
個別支援計画の立案は、サービス管理責任者の業務です。
また、サービス等利用計画の立案は、相談支援専門員の業務です。
2.適切です。
初回面談時は、Eさんに関する情報が乏しい状態にあるため、
今後の支援のため、外来担当の看護師から情報を得る必要があります。
3.適切ではありません。
時期尚早です。
これからデイケアに通い始める段階であり、
生活の立て直しや病状の安定が優先される状態です。
4.適切ではありません。
入院もしており、退院後も通院ができているので、
既に病院は情報を持っている状態と考えられます。
また、本人の許可なく情報収集を行うことは個人情報の観点から適切ではありません。
5.適切ではありません。
選択肢の業務は、就労移行支援事業所の精神保健福祉士が行う業務です。
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03
正解は、2 です。
1 不適切です。
支援計画を立案する前に、Eさんのアセスメントを行う方が先です。また「週1日のデイケアを複数回体験することを提案した」とありますので、デイケアの様子を見てからでも遅くないと考えられます。
2 適切です。
初回面談の段階ですので、F精神保健福祉士も看護師等から情報を収集して支援内容を検討することが重要です。
3 不適切です。
確かにEさんから就労についての不安が聞かれましたが、「まずは生活リズムを整えたい」という意向もありますので、この段階で就職活動体験談をEさんに聞いていただくことは不適切です。
4 不適切です。
精神保健福祉士として民生委員との連携も重要な場面はありますが、Eさんも自分の状態や意向を話してくれていますので、まだ必要ないと考えられます。
5 不適切です。
この段階では時期尚早です。「まずは生活リズムを整えたい」というEさんの意向に寄り添うことが重要です。
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