精神保健福祉士の過去問
第24回(令和3年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問139
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問題
第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問139 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、答えなさい。
〔事例〕
Eさん(33歳、女性)は、大学卒業後に仕事をしていた27歳の時に統合失調症と診断された。一時は入院していたが、現在は通院を続けながら一日中自宅で過ごしている。Eさんは今後の生活が心配になり、主治医に話したところ、精神科デイケアの利用を勧められた。デイケア担当のF精神保健福祉士による初回面談で、Eさんは、「一日中家にいて、いろいろ考えて不安に押しつぶされる感じがする。家族から仕事はどうするのかと聞かれると、焦りが強くなる。今の生活を変えたいけれど、新しい場所でうまくやれるか、不安が先に立つ。まずは生活リズムを整えたい。将来的には仕事も考えたい」と話した。F精神保健福祉士はEさんの気持ちを受け止め、週1日のデイケアを複数回体験することを提案した。(※1)
体験後にEさんは、「同世代の人がいて、自分と同じように悩んでいる人もいる。今後も継続して利用したい」と話し、週3日のデイケア利用を開始した。
1か月が過ぎた頃、EさんからF精神保健福祉士に、「デイケアに通い始めて、規則正しい生活にはなった。でも、多くのメンバーと話して仲良くなりたい、次のステップにつなげたいと頑張れば頑張るほど、うまくいかなくて焦りが強くなる。疲れてるのかな。どうしたら自然にできるんだろう」と相談があった。相談を受け、F精神保健福祉士はEさんの援助方針を検討するスタッフ会議を開催した。(※2)
利用から半年が過ぎ、グループ活動の企画に取り組むなど、生き生きとした姿が少しずつ見られるようになった。F精神保健福祉士はモニタリング面談で、「これまでの活動を振り返り、感じていることを教えてください」と尋ねた。Eさんは、「メンバー同士で支え、支えられることで、新しい自分が生まれてきた感じ。少しずつ希望が見えてきた。これからも迷ったり、悩んだりすると思うけど、今はちょっとだけ前向きになれた自分を褒めてあげたい」と話してくれた。(※3)
次の記述のうち、このスタッフ会議でF精神保健福祉士が提案したこと(※2)として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Eさん(33歳、女性)は、大学卒業後に仕事をしていた27歳の時に統合失調症と診断された。一時は入院していたが、現在は通院を続けながら一日中自宅で過ごしている。Eさんは今後の生活が心配になり、主治医に話したところ、精神科デイケアの利用を勧められた。デイケア担当のF精神保健福祉士による初回面談で、Eさんは、「一日中家にいて、いろいろ考えて不安に押しつぶされる感じがする。家族から仕事はどうするのかと聞かれると、焦りが強くなる。今の生活を変えたいけれど、新しい場所でうまくやれるか、不安が先に立つ。まずは生活リズムを整えたい。将来的には仕事も考えたい」と話した。F精神保健福祉士はEさんの気持ちを受け止め、週1日のデイケアを複数回体験することを提案した。(※1)
体験後にEさんは、「同世代の人がいて、自分と同じように悩んでいる人もいる。今後も継続して利用したい」と話し、週3日のデイケア利用を開始した。
1か月が過ぎた頃、EさんからF精神保健福祉士に、「デイケアに通い始めて、規則正しい生活にはなった。でも、多くのメンバーと話して仲良くなりたい、次のステップにつなげたいと頑張れば頑張るほど、うまくいかなくて焦りが強くなる。疲れてるのかな。どうしたら自然にできるんだろう」と相談があった。相談を受け、F精神保健福祉士はEさんの援助方針を検討するスタッフ会議を開催した。(※2)
利用から半年が過ぎ、グループ活動の企画に取り組むなど、生き生きとした姿が少しずつ見られるようになった。F精神保健福祉士はモニタリング面談で、「これまでの活動を振り返り、感じていることを教えてください」と尋ねた。Eさんは、「メンバー同士で支え、支えられることで、新しい自分が生まれてきた感じ。少しずつ希望が見えてきた。これからも迷ったり、悩んだりすると思うけど、今はちょっとだけ前向きになれた自分を褒めてあげたい」と話してくれた。(※3)
次の記述のうち、このスタッフ会議でF精神保健福祉士が提案したこと(※2)として、適切なものを1つ選びなさい。
- 「Eさんと家族が希望している就労プログラムを勧めてみましょう」
- 「これまでどおり生活リズム改善を主目標にすすめましょう」
- 「レクリエーションの司会進行をお願いしてみましょう」
- 「疲労は再発につながるので、デイケアを休むことを助言しましょう」
- 「Eさんに声かけして見守りつつ、少人数活動への参加を促してみましょう」
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この過去問の解説 (3件)
01
1、不適切です。前項でEさんは家族から仕事を急かされる事に対して不安を感じている描写がありましたが、この時点では通っているデイケアでうまく行動が出来ない自分に対して焦りや不安を感じている様子が見られます。
そのため、現時点では就労プログラムではなくデイケアをスムーズに利用し続けるための支援方法を考える必要があると考えられます。
2、不適切です。Eさんは「デイケアに通い始めて、規則的な生活にはなった」と発言しています。
週三回のデイケアを利用する事で規則的な生活習慣を身に着けられており、生活リズム改善は主目標とする必要はないと考えられます。
3、不適切です。Eさんは「多くのメンバーと話して仲良くなりたい」という思いを持っていますが、「頑張れば頑張るほどうまくいかない」と自己分析しています。
Eさんに特定の役割を担ってもらう事が現時点のEさんには負担になると考えられます。
4、不適切です。デイケアに通う事はEさんにとってやりがいになっており、生活習慣の改善も見られるようになりました。
デイケアを辞めてしまえば以前の生活に戻ってしまう感情性が高く、それはEさんにとっての利益になりません。
5、適切な内容です。Eさんは多数の参加者と仲良くなりたいと考えているようですが、同時に関係をうまく築けないと悩んでいる様子が見られます。
関係づくりをはじめ、徐々に慣れていくために少人数活動への参加を促す事は正しい支援内容であると言えます。
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02
正解は、 5 です。
1.適切ではありません。
将来的には仕事を考えたいとEさんは話していたものの、
現段階では、通所に関して悩み、焦燥感も生まれています。
この段階で就労プログラムを受けることは時期尚早であり、
本人の希望と異なった支援となります。
2.適切ではありません。
「規則正しい生活にはなった」とEさんも言っているため、
生活リズム改善よりもさらに次のステップへと
支援を進めていくことが適切といえます。
3.適切ではありません。
他のメンバーとの親交を深めることを希望し、
疲労を感じている状態でレクリエーションの司会進行をお願いすることは、
今の状態と照らし合わせるとやや荷が重いように感じます。
司会進行はもう少しデイケアに定着し、メンバーとの仲も深まってからの方が良いでしょう。
4.適切ではありません。
デイケアでは疲労とどのように向き合い、
解消していくかの方法も習得することを目標としています。
本人からの申し出や深刻な症状の出現もない中で、
デイケアを休むことは判断がやや早いと言えます。
5.適切です。
多くのメンバーと話して仲良くなりたいとの希望を持っているため、
まずは少人数活動から慣れていき、対人関係スキルを身に着けていくことが適切といえます。
スタッフが見守りながら参加していくと、Eさん自身も安心できます。
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03
正解は、5 です。
1 不適切です。
Eさんから「就労したい」という意向は聞かれていません。
2 不適切です。
Eさんより「規則正しい生活にはなった」とありますので、生活リズムの改善は達成していると捉えることができます。また、せっかくEさんより「次のステップにつなげたい」という前向きな気持ちも聞かれているので「これまでどおり」の目標は不適切です。
3 不適切です。
レクリエーションにつなげることは良いと思いますが、急に司会進行をお願いすることはEさんの負担になると考えられます。
4 不適切です。
週3日のデイケアに通うことができ、「次のステップにつなげたい」と前向きな気持ちも聞かれています。Eさんの疲労について配慮することも大切ですが、休むことを助言することは不適切です。
5 適切です。
「多くのメンバーと話して仲良くなりたい」という意向が聞かれますので、メンバーの中に少しずつ入っていけるような支援を提案することは適切です。
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