精神保健福祉士の過去問 第25回(令和4年度) 現代社会と福祉 問2
この過去問の解説 (3件)
本設問では福祉に関わる思想や運動について問われています。世界の福祉の歴史について、併せて覚えておくと良いでしょう。
✕ 選択肢の内容は「消極的自由」の説明となっています。「積極的自由」とは、自分の意思に基づいて選択し、自律した行動が出来る自由の事を言います。
✕ ポジティブ・ウェルフェアは「参加型保障」と訳されます。全ての人が持つ可能性を引き出し、その可能性を発揮できるよう支援する事を言います。
✕ アメリカにおける福祉権運動の主たる担い手は、公的扶助を受ける必要があった黒人の女性たちです。その時代のアメリカでは、自分で仕事をして収入を得て、自律した生活を送る事が当たり前であるという考えが根付いていました。それが出来ず公的扶助を受けている人は差別の対象となっている状態でした。
アメリカでは1863年に奴隷解放宣言が出され、黒人も法的に身分を保障される事となりましたが、仕事に就けない人も多くいました。中でもひとり親の女性は収入が低く、公的扶助を必要とする人の割合が多かったため、差別の対象になりやすいという問題が発生していました。その差別解消のために、公民権運動が生まれる事となりました。
〇 選択肢の通りです。
✕ コミュニタリアリズムは「共同体主義」とも訳され、昔からのコミュニティで形成された価値観を重視する考え方の事を言います。
福祉に関わる思想や運動について主なものを整理しておきましょう。特にポジティブ・ウェルフェア、積極的自由、消極的自由、ウェッブ夫妻のフェビアン社会主義について理解しておきましょう。
自らの行為を妨げる干渉などから解放されることは消極的自由です。
ポジティブ・ウェルフェアは、金銭給付ではなく教育訓練など人的資源に投資して就労を目指すことを意味します。
1960 年代のアメリカにおける福祉権運動の主たる担い手は、公的扶助を受給する黒人女性が中心でした。
フェビアン社会主義は,ウェッブ夫妻(Webb,S.&B.)などのフェビアン協会への参加者が唱えた思想です。
コミュニタリアニズムは、共同体を重視する政治思想です。しかし、全体主義のように個人を否定するものではありません。
世界の福祉に関わる思想や運動については、内容と提唱した人名、またどこの国で行われたものかを組み合わせて覚えておくようにしましょう。
不適切です。バーリンは、積極的自由と消極的自由について提唱しましたが、記述内容は消極的自由について書かれています。
不適切です。ポジティブ・ウェルフェアとは、「参加型保障」と訳され、本人の自己決定の支援や可能性を引き出す支援をすることです。
不適切です。白人男性ではなく、黒人女性です。
適切です。記述の通りです。
不適切です。コミュニタリアリズムは、「共同体」を重視する考え方のことです。
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