精神保健福祉士の過去問
第25回(令和4年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問7

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問題

第25回(令和4年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、精神科医療機関に勤務する専門職が患者に対して行う業務として、正しいものを1つ選びなさい。
  • 公認心理師は、主治医の指示がなくても心理検査や心理療法を実施することができる。
  • 薬剤師は、医師等の処方箋に疑わしい点がある場合には、自身の判断で調剤変更することができる。
  • 看護師は、薬剤の投与や採血、創部の処置などを、医師の指示なく、自身の判断で行うことができる。
  • 作業療法士は、医師の指示の下に、社会的適応能力等の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることができる。
  • 精神保健指定医は、入院患者に対し、信書の発受を制限することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

精神科医療機関に勤務する専門職は、医師、看護師、薬剤師、公認心理士、作業療法士、栄養士、精神保健福祉士などさまざまです。各専門職が精神科医療機関においてどのような役割を果たしているか、整理して覚えるようにしましょう。

選択肢1. 公認心理師は、主治医の指示がなくても心理検査や心理療法を実施することができる。

正しくありません。公認心理師は、その業務を行うにあたって心理に関する支援を要する者に主治医がいるときは、その指示を受けなければならないとされています(公認心理士法42条2項)。

選択肢2. 薬剤師は、医師等の処方箋に疑わしい点がある場合には、自身の判断で調剤変更することができる。

正しくありません。薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならないとされています(薬剤師法24条)。

選択肢3. 看護師は、薬剤の投与や採血、創部の処置などを、医師の指示なく、自身の判断で行うことができる。

正しくありません。看護師は、臨時応急の手当を除き、師の指示なければ、診療機械を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示をし、その他医師等が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはいけません(保健師助産師看護師法37条)。

選択肢4. 作業療法士は、医師の指示の下に、社会的適応能力等の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることができる。

正しいです。作業療法士とは、厚生労働大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行なうことを業とする者をいうとされています(理学療法士及び作業療法士法2条4項)。

選択肢5. 精神保健指定医は、入院患者に対し、信書の発受を制限することができる。

正しくありません。精神科病院の管理者は、信書の発受の制限、都道府県その他の行政機関の職員との面会の制限など一定の行動の制限をすることはできません(精神保健福祉法36条)。精神保健指定医も同様です。

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02

精神科医療機関では、さまざまな専門職が働いていますが、基本的に「医師の指示の下」処置や検査等を行っているということを覚えておきましょう。

選択肢1. 公認心理師は、主治医の指示がなくても心理検査や心理療法を実施することができる。

不適切です。主治医がいる場合は、主治医の指示が必要です。

選択肢2. 薬剤師は、医師等の処方箋に疑わしい点がある場合には、自身の判断で調剤変更することができる。

不適切です。処方箋を自身の判断で調剤を変更することはできません。

選択肢3. 看護師は、薬剤の投与や採血、創部の処置などを、医師の指示なく、自身の判断で行うことができる。

不適切です。医師の指示が必要です。

選択肢4. 作業療法士は、医師の指示の下に、社会的適応能力等の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることができる。

適切です。「医師の指示の下に」という記述があるので、適切です。

選択肢5. 精神保健指定医は、入院患者に対し、信書の発受を制限することができる。

不適切です。信書の発受の制限については、精神保健福祉法第36条の2に規定されています。

参考になった数1

03

精神科医療機関には、様々な専門職が勤務しています。多職種とスムーズな連携を図るために、それぞれの役割を正確に理解する事が必要となります。

選択肢1. 公認心理師は、主治医の指示がなくても心理検査や心理療法を実施することができる。

✕ 公認心理師が行う心理検査や心理療法は、医師の指示のもとに行われる事と定められています。

選択肢2. 薬剤師は、医師等の処方箋に疑わしい点がある場合には、自身の判断で調剤変更することができる。

✕ 薬剤師は、それまでの処方内容と異なる薬を処方されたり、処方薬の量などが他の種類より不足しているなど、処方箋の内容に疑問点がある場合は、処方箋を出した医師に対して「疑義照会」を行う事が定められています。処方箋を出した医師に対して確認を行い、疑問点を解消した上で調剤を行う事が定められているため、自身の判断で調剤変更を行う事はできません。

選択肢3. 看護師は、薬剤の投与や採血、創部の処置などを、医師の指示なく、自身の判断で行うことができる。

✕ 看護師は医師の指示の下で行う一定の医行為は認められていますが、指示なく自身の判断で行う事は認められていません。

選択肢4. 作業療法士は、医師の指示の下に、社会的適応能力等の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることができる。

〇 選択肢の通りです。

選択肢5. 精神保健指定医は、入院患者に対し、信書の発受を制限することができる。

✕ 入院患者の信書の発受は原則制限される事はありません。ただし、信書の中に異物(危険物など)が入っている疑いが強い場合は、患者自身で医師の目の前で開封してもらい、異物が入っていない事を確認する事は認められています。

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