精神保健福祉士の過去問
第25回(令和4年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問3

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問題

第25回(令和4年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

精神科病院に医療保護入院しているMさん(30代、女性)は、A退院後生活環境相談員の支援を受け、退院後の生活についてイメージを育んできた。そのような中、Mさんの退院支援委員会が開催され、Mさんも参加した。そこで、主治医より、退院に向けた今後の治療方針が説明された。Mさんは不安なことや確認したいことについてA退院後生活環境相談員のサポートを受けながら、治療プログラムの理解を深めた。その後、Mさんは治療プログラムに主体的に取り組み始めた。
次のうち、Mさんの主体的な取組を表す用語として、適切なものを1つ選びなさい。
  • インフォームドコンセント
  • アカウンタビリティ
  • アドヒアランス
  • コンプライアンス
  • シェイピング

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この過去問の解説 (3件)

01

医療保護入院しているMさんが退院へ向けて、主体的に治療プログラムに取り組み始めたと言うことが一つのポイントです。それぞれの用語の意味を理解しておき、事例をよく読みましょう。

選択肢1. インフォームドコンセント

インフォームドコンセントとは「説明と同意」を意味し、医師から患者への病状説明とそれに対する患者の同意や選択が具体的な例となります。事例には、Mさんが主体的にとありますので、不適切です。

選択肢2. アカウンタビリティ

アカウンタビリティとは、支援者が当事者に対して行う説明責任を意味します。事例には、Mさんが主体的にとありますので、不適切です。

選択肢3. アドヒアランス

適切です。アドヒアランスとは、治療方針に対し、当事者が積極的に治療に参加することを意味します。

選択肢4. コンプライアンス

コンプライアンスとは、当事者が専門職からの指示を遵守することを意味します。事例には、Mさんが主体的にとありますので、不適切です。

選択肢5. シェイピング

シェイピングとは、目標に向けて、小さな段階から徐々にステップアップして行くことを意味します。そのような記述はありませんので、不適切です。

参考になった数27

02

医療保護入院している患者さんが、退院後生活環境相談員のサポートを受け、治療プログラムの理解を深め、主体的に取り組み始めたという点がキーポイントです。各選択肢の意義・内容を確認するとともに退院後生活環境相談員の役割を確認するとよいでしょう。

選択肢1. インフォームドコンセント

適切ではありません。インフォームドコンセントとは医療者の十分な説明(インフォーム)と患者の同意・選択(コンセント)を意味します。事例では、Mさんが治療プログラムに主体的にとり組む点に焦点が当たっているので、解答として不適当です。

選択肢2. アカウンタビリティ

適切ではありまえん。アカウンタビリティとは、医療現場において患者・家族に対して、これから行われる治療や処置の内容を説明する責任を指します。事例では、Mさんが治療プログラムに主体的にとり組む点に焦点が当たっているので、解答として不適当です。

選択肢3. アドヒアランス

適切です。アドヒアランスとは、病気に対する治療方法について、患者が十分に理解し、主体的に治療の選択に参加し、その必要性を理解した上で治療を継続する姿勢を指します。

選択肢4. コンプライアンス

適切ではありません。コンプライアンスとは、法令や規則を守ること、広義にはは社会的規範、ルールを守ること指します。事例では、Mさんが治療プログラムに主体的にとり組む点に焦点が当たっているので、解答として不適当です。

選択肢5. シェイピング

適切ではありません。シェイピングとは、目標をスモールステップに分けて設定し、達成感を味わいながら段階的にステップアップしていく方法のことです。事例では、Mさんが治療プログラムに主体的にとり組む点に焦点が当たっているので、解答として不適当です。

まとめ

各選択肢の意義・内容を理解するとともに、退院後生活環境相談員の役割についても確認するようにしましょう。

参考になった数7

03

相談援助過程などにおいても、カタカナで表される用語は多く見られます。用語の意味を問う問題は頻出であり、学習は必須と言えます。

選択肢1. インフォームドコンセント

✕ インフォームドコンセントは、治療を始める前に治療について説明を受け、それを受けた患者自身が治療方針を理解・納得した上で治療を受ける事を言います。

本事例においては「Mさんの主体的な取組」に視点を当てており、インフォームドコンセントにこの視点の意味合いは含まれておらず、適切とは言えません。

選択肢2. アカウンタビリティ

✕ アカウンタビリティとは、支援者がクライエントに対して行う支援内容の過程や、その結果について根拠となる考え方を説明する説明責任の事を言います。

アカウンタビリティは支援者に対して求められる事であり、クライエントであるMさんの取組の事を指す用語ではありません。

選択肢3. アドヒアランス

〇 アドヒアランスとは、患者自身が治療の説明を受け、その治療内容について納得した上でt量に対して主体的に取り組む事を言います。Mさんの主体的な取組を表す内容として適切であると言えます。

選択肢4. コンプライアンス

✕ コンプライアンスとは「法令遵守」と訳され、法令や規則に則り行動する事を言います。Mさんの主体的な取組を表す用語としては不適切です。

選択肢5. シェイピング

✕ シェイピングとは、目標にたどりつくまでの過程の段階に、小さな段階をもうけ、達成感を得ながら最終目標へ到達できるようにする取り組みの事を言います。

Mさんの主体的な取組を表す用語としては不適切です。

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