精神保健福祉士 過去問
第26回(令和5年度)
問29 (現代社会と福祉 問8)

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問題

精神保健福祉士試験 第26回(令和5年度) 問29(現代社会と福祉 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

所得の再分配に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 市場での所得分配によって生じる格差を是正する機能を有しうる。
  • 現物給付を通して所得が再分配されることはない。
  • 同一の所得階層内部での所得の移転を、垂直的な所得再分配という。
  • 積立方式による公的年金では、世代間の所得再分配が行われる。
  • 高所得者から低所得者への所得の移転を、水平的な所得再分配という。

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この過去問の解説 (3件)

01

所得の再分配について、垂直的な再分配や水平的な再分配など、その仕組みについて理解しておきましょう。

選択肢1. 市場での所得分配によって生じる格差を是正する機能を有しうる。

所得の再分配は、市場による所得格差を是正する役割を果たし、当初のジニ係数よりも再分配後のジニ係数が低くなります。

選択肢2. 現物給付を通して所得が再分配されることはない。

水平的な所得再分配には医療保険が含まれ、現物給付の仕組みがあります。

選択肢3. 同一の所得階層内部での所得の移転を、垂直的な所得再分配という。

同一の所得層内での所得移転は水平的な所得再分配に該当します。

選択肢4. 積立方式による公的年金では、世代間の所得再分配が行われる。

公的年金の積立方式では、世代内の所得再分配が行われます。賦課方式で世代間の所得再分配が行われる仕組みです。

選択肢5. 高所得者から低所得者への所得の移転を、水平的な所得再分配という。

高所得者から低所得者への所得移転は垂直的な所得再分配です。

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02

「所得の再分配」には、市場での所得格差を是正する役割があり、垂直的(高所得者→低所得者)と水平的(同一階層内など)という分類や、給付の形(現金給付・現物給付)、年金方式の違いに基づく理解がカギです。

選択肢1. 市場での所得分配によって生じる格差を是正する機能を有しうる。

選択肢の内容は所得の再分配の目的です。

市場メカニズムだけでは格差が拡大しやすいため、税や社会保障を通じて再分配を行い、是正します

選択肢2. 現物給付を通して所得が再分配されることはない。

×

医療・介護・教育などの現物給付(サービスの提供)も、実質的な再分配機能を持ちます。

特に低所得者が無償または低額でサービスを受けられる点で、所得の補填的効果があります。

選択肢3. 同一の所得階層内部での所得の移転を、垂直的な所得再分配という。

×

同一階層内の移転(例:障害のある人への支援など)を指すのは水平的再分配です。

一方、垂直的再分配は、高所得者→低所得者のような異なる所得階層間の移転を指します。

選択肢4. 積立方式による公的年金では、世代間の所得再分配が行われる。

×

積立方式は自分の拠出を将来自分で受け取る方式であり、基本的に再分配の要素はありません。

一方、賦課方式(pay-as-you-go)は現役世代が高齢者を支えるため、世代間再分配が行われます。

選択肢5. 高所得者から低所得者への所得の移転を、水平的な所得再分配という。

×

高所得者から低所得者の再分配は垂直的再分配です。

水平的再分配は、同一階層内で特別な事情がある人への支援です(例:障害者、難病患者など)。

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03

所得の再分配に関する仕組みを覚えるとともに、具体的な例についても確認しておきましょう。

選択肢1. 市場での所得分配によって生じる格差を是正する機能を有しうる。

適切です。記述の通りです。

選択肢2. 現物給付を通して所得が再分配されることはない。

不適切です。現物給付の例として、医療保険があげられます。

選択肢3. 同一の所得階層内部での所得の移転を、垂直的な所得再分配という。

不適切です。記述内容は、垂直的な所得再分配ではなく、水平的な所得再分配についてです。

選択肢4. 積立方式による公的年金では、世代間の所得再分配が行われる。

不適切です。世代間の所得再分配が行われるのは、「賦課方式」です。

選択肢5. 高所得者から低所得者への所得の移転を、水平的な所得再分配という。

不適切です。記述内容は、水平的な所得再分配ではなく、垂直的な所得再分配についてです。

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