精神保健福祉士 過去問
第26回(令和5年度)
問93 (精神疾患とその治療 問10)

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問題

精神保健福祉士国家試験 第26回(令和5年度) 問93(精神疾患とその治療 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、入院中の行動制限に関し、「精神保健福祉法」に基づく厚生労働大臣が定める基準として、正しいものを2つ選びなさい。
(注)「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。
  • 病状に応じて、できる限り早期に患者に面会の機会を与える。
  • 通信は基本的に自由であることを、患者や家族等に文書や口頭で伝える。
  • 任意入院では、閉鎖病棟で処遇することは禁止されている。
  • 12時間を超えない隔離は、看護師の判断で実施できる。
  • 身体的拘束を実施中、医師の診察は毎日1回とされている。

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この過去問の解説 (2件)

01

入院中の行動制限に関しては、精神保健福祉法36・37条に規定されています。

 

また、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第37条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準(昭和63年厚生省告示第130号)」によって、入院中の処遇について必要な基準が示されています。

選択肢1. 病状に応じて、できる限り早期に患者に面会の機会を与える。

正しいです。

 

昭和63年厚生省告示第130号によると

「入院後は患者の病状に応じできる限り早期に患者に面会の機会を与えるべきであり、入院直後一定期間一律に面会を禁止する措置は採らないものとする。」

とされています。

選択肢2. 通信は基本的に自由であることを、患者や家族等に文書や口頭で伝える。

正しいです。

 

昭和63年厚生省告示第130号によると

通信・面会は基本的に自由であることを、文書又は口頭により、患者及びその家族等(中略)その他の関係者に伝えることが必要である。」

とされています。

選択肢3. 任意入院では、閉鎖病棟で処遇することは禁止されている。

正しくありません。

 

昭和63年厚生省告示第130号によると

任意入院者は、原則として、開放的な環境での処遇(本人の求めに応じ、夜間を除いて病院の出入りが自由に可能な処遇をいう。)を受けるものとする。

とされていますが、閉鎖病棟で処遇されることを禁止されているわけではありません。

選択肢4. 12時間を超えない隔離は、看護師の判断で実施できる。

正しくありません。

 

昭和63年厚生省告示第130号によると

12時間を超えない隔離については精神保健指定医の判断を要するものではないが、この場合にあってもその要否の判断は医師によって行われなければならないものとする。

と定められています。

選択肢5. 身体的拘束を実施中、医師の診察は毎日1回とされている。

正しくありません。

 

昭和63年厚生省告示第130号によると

身体的拘束が漫然と行われることがないように、医師は頻回に診察を行うものとする。

と定められています。

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02

精神保健福祉法は、1950年に施行され、現代に至るまでに何度か改正されています。「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三十七条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」も別で定められており、内容の出題も頻回です。内容を覚えておくようにしましょう。

選択肢1. 病状に応じて、できる限り早期に患者に面会の機会を与える。

〇 精神保健福祉法第36条に、必要時は患者への行動制限を行う事ができると規定されていますが、制限は最小限で行われなければなりません。面会も行動制限の一つに含まれますが、できる限り早期に患者に面会の機会を与える事は、権利擁護の視点からも重要な事です。

選択肢2. 通信は基本的に自由であることを、患者や家族等に文書や口頭で伝える。

〇 選択肢の内容は、精神保健福祉法第36条に定められている患者の権利です。

選択肢3. 任意入院では、閉鎖病棟で処遇することは禁止されている。

✕ 閉鎖病棟とは、出入り口が常に施錠されており、職員に依頼しなければ出入りが自分では行えない病棟の事を言います。任意入院の患者自身に了承してもらえた場合は、閉鎖病棟で処遇を行う事は許可されています。

選択肢4. 12時間を超えない隔離は、看護師の判断で実施できる。

✕ 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三十七条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」によれば、十二時間を超えない隔離については精神保健指定医の判断を要するものではないが、この場合にあつてもその要否の判断は医師によつて行われなければならないものとすると定められています。

12時間を超えない隔離についてであったとしても、医師が判断しなければならない内容であり、看護師の判断で実施する事はできません。

選択肢5. 身体的拘束を実施中、医師の診察は毎日1回とされている。

✕ 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三十七条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」によれば「身体的拘束が漫然と行われることがないように、医師は頻回に診察を行うものとする」と定められています。1日1回の診察とは定められていません。

身体的拘束については、それを行う以外に方法が無い時に実施されるものであり、可能な限り早期に外せるよう働きかける事と定められています。

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