精神保健福祉士 過去問
第26回(令和5年度)
問110 (精神保健福祉相談援助の基盤 問7)
問題文
次の記述のうち、精神保健福祉士が行う権利擁護の調整機能に当たるものとして、適切なものを1つ選びなさい。
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問題
精神保健福祉士試験 第26回(令和5年度) 問110(精神保健福祉相談援助の基盤 問7) (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述のうち、精神保健福祉士が行う権利擁護の調整機能に当たるものとして、適切なものを1つ選びなさい。
- 生活に困窮して相談支援事業所を訪れた人に、生活困窮者自立支援事業の情報を提供する。
- 投票に行けない人々が見過ごされていることに対して問題を提起し、選挙権を行使できるよう活動する。
- 市が主催するイベントや地域のお祭りの機会を通じて、広く市民に対して障害への理解促進を働きかける。
- 勤務日の変更を提示され通院できなくなるため退職を考えているクライエントに、合理的配慮があることを説明する。
- 購入したばかりの高額商品のトラブルで困っている通院患者から依頼を受けて、消費生活センターにつなぐ。
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この過去問の解説 (2件)
01
権利擁護には5つの機能が備わっており、それは以下の通りとなります。
①介入機能:クライエント集団と地域福祉政策を結びつける事
②発見機能:クライエントを取り巻く環境などから、問題を見つけ出す事
③調整機能:制度や組織などの間に立ち、仲介や媒介を行う事
④対決機能:クライエントの利益のために、クライエントの思いを代弁する事
⑤変革機能:法律や制度に働きかけ、変革を促す事
以上の事を踏まえた上で、本設問を解いていきましょう。
✕ 選択肢の内容は、生活に困窮した人に対して必要な情報提供をしているため、権利擁護の調整機能に該当する支援ではありません。
✕ 選択肢の内容は、投票に行けない人々が見過ごされているという問題を発見している事は「発見機能」に当たり、選挙権を行使できるように活動する事は「変革機能」に該当します。権利擁護の調整機能に該当する支援ではありません。
✕ 選択肢の内容は、障害への理解を促進するために市民に対して働きかける啓発活動であり、権利擁護の調整機能に該当する支援ではありません。
✕ クライエントに対して「合理的配慮義務」という情報提供を行っていますが、これは権利擁護の調整機能に該当する支援ではありません。
〇 高額商品購入のトラブルで困っている通院患者が助けを求めているため、それを解決できると思われる機関である消費生活センターに繋いでいます。クライエントと社会資源の間にソーシャルワーカーが入り仲介しているため、権利擁護の調整機能に該当する支援であると言えます。
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02
ソーシャルワークの重要な機能の一つはアドボカシーです。
アドボカシーは、権利擁護と語訳されます。
アドボカシーの5機能といわれるものは
・介入・・・地域福祉施策とクライエントを結び付ける
・発見・・・クライエントのいかれている環境に問題を見つけて提起する
・調整(仲介)・・・制度や組織との仲介・媒介の機能を果たす
・対決、代弁・・・組織・制度の壁に対してクライエントの利益を代弁する
・変革・・・制度や法に働きかけを行い、社会変革を目指す
とされています。
適切ではありません。
「生活に困窮して相談支援事業所を訪れた人に、生活困窮者自立支援事業の情報を提供する。」は、介入機能、調整機能とどちらでもとらえられそうですが、クライエントと施策の結びつけの端緒として、介入機能と判断しました。
適切ではありません。
「投票に行けない人々が見過ごされていることに対して問題を提起し、選挙権を行使できるよう活動する。」は、変革機能と考えられます。
適切ではありません。
「市が主催するイベントや地域のお祭りの機会を通じて、広く市民に対して障害への理解促進を働きかける。」は、対決機能と考えられます。
適切ではありません。
「勤務日の変更を提示され通院できなくなるため退職を考えているクライエントに、合理的配慮があることを説明する。」は発見機能と考えられます。
適切です。
「購入したばかりの高額商品のトラブルで困っている通院患者から依頼を受けて、消費生活センターにつなぐ。」は、調整機能と考えます。
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