精神保健福祉士 過去問
第26回(令和5年度)
問124 (精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問6)
問題文
Dさん(30歳)は半年前に精神科病院を退院し、週3日アルバイトを行い、1日は精神科デイ・ケアを利用している。病状は落ち着いており、デイケアには時間に遅れずにやって来て、メンバーとレクリエーションを楽しんでいた。ところが、Dさんがデイケアを休むことが続いたので、心配した担当の精神保健福祉士が電話をした。Dさんは、「メンバーからカラオケ店に頻繁に誘われるようになった。疲れるので行きたくないが、相手の気分を害するのではないかと思うと断れない」と話した。話を聞いた精神保健福祉士は、Dさんにデイケアの新たなプログラムへの参加を提案した。
次のうち、精神保健福祉士がDさんに提案したプログラムの目的として、適切なものを1つ選びなさい。
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問題
精神保健福祉士試験 第26回(令和5年度) 問124(精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
Dさん(30歳)は半年前に精神科病院を退院し、週3日アルバイトを行い、1日は精神科デイ・ケアを利用している。病状は落ち着いており、デイケアには時間に遅れずにやって来て、メンバーとレクリエーションを楽しんでいた。ところが、Dさんがデイケアを休むことが続いたので、心配した担当の精神保健福祉士が電話をした。Dさんは、「メンバーからカラオケ店に頻繁に誘われるようになった。疲れるので行きたくないが、相手の気分を害するのではないかと思うと断れない」と話した。話を聞いた精神保健福祉士は、Dさんにデイケアの新たなプログラムへの参加を提案した。
次のうち、精神保健福祉士がDさんに提案したプログラムの目的として、適切なものを1つ選びなさい。
-
正規雇用の仕事に就く準備
-
服薬の自己管理
-
生活リズムの改善
-
ソーシャルスキルの獲得
-
疾病や障害の正しい知識の学習
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この過去問の解説 (3件)
01
本設問では、それまで楽しんでデイケアに通っていたDさんが、デイケアを休むことが続いた事に対して精神保健福祉士が働きかけている描写が読み取れます。Dさんの思いや希望を聞き取り、それに沿った支援を考える必要があります。
✕ Dさんから正規雇用の仕事に就きたいという希望は聞かれていません。正規雇用の仕事に就く準備を行う事は適切な支援とは言えません。
✕ Dさんの病状は落ち着いており、デイケアを休みがちになった理由も、他のメンバーからカラオケに頻繁に誘われる事が負担になっているという事が分かっています。服薬の自己管理を行うためにプログラムへの参加を提案する必要はありません。
✕ Dさんは週3日のアルバイトと週1日のデイケアに通うというリズムができており、半年間継続する事もできていました。デイケアに参加しなくなった理由は生活リズムの乱れではなく、人間関係が理由であるため、生活リズムの改善を目的としたプログラムへの参加を提案する事は、適切な支援とは言えません。
〇 ソーシャルスキルとは、他者との人間関係を構築する際に必要な技能の事を言います。Dさんは相手の気分を害さないように誘いを断る事が出来ず、その結果、誘いをかけてくるメンバーと顔を合わせないようデイケアを休んでいる事が分かっています。メンバーと円滑に関わる方法を学ぶ事が出来れば、以前のようにデイケアに参加できる可能性が高まると考えられ、ソーシャルスキルの獲得を目指したプログラムへの参加を提案する事は、適切な支援であると言えます。
✕ Dさんがデイケアを休みがちになっているのは、疾病や障害によるものではなく、他の参加メンバーとの関係性が原因です。疾病や障害の正しい知識を学習しても、苦手としているメンバーとの関係性が変わる訳ではないため、適切な提案とは言えません。
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02
Dさんの発言
「メンバーからカラオケ店に頻繁に誘われるようになった。疲れるので行きたくないが、相手の気分を害するのではないかと思うと断れない」。
の発言に解答のポイントが集約されていると考えます。
・Dさんはカラオケに行くと疲れてしまう
・Dさんは仲間の気持ちを傷つけたくない
・Dさんは自分の思いを相手にうまく伝えられない
ことの対して、デイケアを担当する精神保健福祉士としてどのようにアプローチすべきでしょうか?
適切ではありません。
事例からは週3でアルバイト、週1でデイケアという生活が安定しているようにも見受けられます。
うちに秘めたDさんの希望として、「正規雇用の仕事に就く」ということは、ありえますが、半年前に退院したばかりで現状の生活を維持することも重要です。
「正規雇用の仕事に就くための準備」は、さらなるステップとして、Dさんの希望が表明されてからでよいと感じます。
適切ではありません。
事例から「症状は落ち着いている」との記述があり、服薬上の問題も発生していないものと推察されます。
適切ではありません。
デイケアを休んではいましたが、他のメンバーとの関係性で行かなかったのであり、生活リズムが乱れていたとは考えられません。
適切です。
・Dさんはカラオケに行くと疲れてしまう
・Dさんは仲間の気持ちを傷つけたくない
・Dさんは自分の思いを相手にうまく伝えられない
こうした状況への対処能力を高めるため、SSTなどのプログラムに参加を促すのは、精神保健福祉士の助言として正しいと思います。
適切ではありません。
Dさんに関して「症状は安定している」との記述から、直ちに「心理教育」の必要性があるとは考えられません。
疾病や障害の正しい知識の学習は重要ですが、事例中にDさんの悩みとして取り上げているものは、デイケアの他のメンバーとのコミュニケーション、Dさんの対処能力についてです。
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03
精神科病院を退院し病状が落ち着いているDさんに変化が訪れており、それに対する対応について問われています。Dさんが何に困っていてどうしたいのかを事例から読み取りましょう。
不適切です。事例では、Dさんの正規雇用について書かれていません。
不適切です。事例では、服薬に課題があることについて書かれていません。
不適切です。事例では、デイケアを休むことが続いているものの、生活リズムが乱れているようなことは書かれていません。
適切です。事例には、Dさんがメンバーとの関係やコミュニケーション等について困っている様子が窺えます。
不適切です。事例では、Dさんが疾病や障害について間違った認識をしていることは書かれていません。
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