精神保健福祉士 過去問
第26回(令和5年度)
問132 (精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問14)
問題文
〔事例〕
Lさん(41歳、男性)は、20代で統合失調症と診断され、服薬を中断して体調を崩しては入退院を繰り返し、今回の入院となった。なかなか病状が安定しなかったが、入院して1年が過ぎ安定してきた。病棟担当の精神保健福祉士は、Lさんから、「両親とも70代で体調が悪いので、もう負担はかけられない。一人暮らしをして自立したいが、これまで家事は母親に任せきりだったため、いざ一人暮らしを考えると不安がある」と聞いた。そこで、地域移行支援を紹介し、利用することになった。後日、相談支援事業所のM精神保健福祉士とピアサポーターのAさんがLさんの元を訪れた。Aさんは、「僕も退院が不安だったけど、いろいろな助けを借りて一人暮らしができているし、好きなことに打ち込めて楽しいよ」と話し、自身の生活や利用しているサービスについて説明した。(※1)
Lさんは、「両親が貯めてくれたお金があるので、しばらくは生活の心配はないと思う」「Aさんのように一人暮らしを継続し、再入院しないで、好きな鉄道を自由に見に行きたい」「自炊したいし、家事や生活費のやりくりも頑張りたいが、自信がない」「ささいなことが心配になるので、相談できる場所があると助かる」と話した。M精神保健福祉士は、Lさんの思いを受け止め、地域移行支援計画案を作成した。(※2)
Lさんは、AさんやM精神保健福祉士の支援を受けて退院し、引き続き地域定着支援を受けながら一人暮らしを始めた。そして、地域活動支援センターのB精神保健福祉士の支援を受けながら、フリースペースの利用や毎日の夕食会に参加し始めた。さらに、居宅介護による掃除の支援や訪問看護を利用して生活に慣れていった。しかし、ほどなくしてフリースペースや夕食会に顔を見せなくなった。B精神保健福祉士は、M精神保健福祉士と訪問看護師にこのことを話し、訪問看護時に一緒にLさん宅を訪れた。Lさんは、「夕食会で話の合う人がいないので居づらく、行けなくなってしまった。そのことに悩んだり、夕食作りなど家事を頑張ったので疲れてしまった。今は寝てばかりいて、家にひきこもっている。このままだとまた入院になってしまうのでしょうか」と話した。そこでケア会議が開催された。(※3)
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問題
精神保健福祉士国家試験 第26回(令和5年度) 問132(精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問14) (訂正依頼・報告はこちら)
〔事例〕
Lさん(41歳、男性)は、20代で統合失調症と診断され、服薬を中断して体調を崩しては入退院を繰り返し、今回の入院となった。なかなか病状が安定しなかったが、入院して1年が過ぎ安定してきた。病棟担当の精神保健福祉士は、Lさんから、「両親とも70代で体調が悪いので、もう負担はかけられない。一人暮らしをして自立したいが、これまで家事は母親に任せきりだったため、いざ一人暮らしを考えると不安がある」と聞いた。そこで、地域移行支援を紹介し、利用することになった。後日、相談支援事業所のM精神保健福祉士とピアサポーターのAさんがLさんの元を訪れた。Aさんは、「僕も退院が不安だったけど、いろいろな助けを借りて一人暮らしができているし、好きなことに打ち込めて楽しいよ」と話し、自身の生活や利用しているサービスについて説明した。(※1)
Lさんは、「両親が貯めてくれたお金があるので、しばらくは生活の心配はないと思う」「Aさんのように一人暮らしを継続し、再入院しないで、好きな鉄道を自由に見に行きたい」「自炊したいし、家事や生活費のやりくりも頑張りたいが、自信がない」「ささいなことが心配になるので、相談できる場所があると助かる」と話した。M精神保健福祉士は、Lさんの思いを受け止め、地域移行支援計画案を作成した。(※2)
Lさんは、AさんやM精神保健福祉士の支援を受けて退院し、引き続き地域定着支援を受けながら一人暮らしを始めた。そして、地域活動支援センターのB精神保健福祉士の支援を受けながら、フリースペースの利用や毎日の夕食会に参加し始めた。さらに、居宅介護による掃除の支援や訪問看護を利用して生活に慣れていった。しかし、ほどなくしてフリースペースや夕食会に顔を見せなくなった。B精神保健福祉士は、M精神保健福祉士と訪問看護師にこのことを話し、訪問看護時に一緒にLさん宅を訪れた。Lさんは、「夕食会で話の合う人がいないので居づらく、行けなくなってしまった。そのことに悩んだり、夕食作りなど家事を頑張ったので疲れてしまった。今は寝てばかりいて、家にひきこもっている。このままだとまた入院になってしまうのでしょうか」と話した。そこでケア会議が開催された。(※3)
- セカンドオピニオン
- アドボケーター
- メディエーター
- エデュケーター
- ロールモデル
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この過去問の解説 (2件)
01
本設問では、ピアサポーターとしてLさんを支援しているAさんが担っている役割について問う問題となっています。
クライエントであるLさんに対してAさんがどのような影響を与えているかを考える事が必要です。
✕ セカンドオピニオンとは、病状や治療方針などについて、主治医以外の他の医師から意見をもらう事を言います。
AさんはピアサポーターとしてLさんと関わっており、退院後の生活について自分の経験を話しているため、セカンドオピニオンを行っている訳ではありません。
✕ アドボケーターとは、自分の意思を主張する事が難しい人(子どもや寝たきりで意思疎通が困難な高齢者など)に代わってその人の意見や権利を主張する代弁者の事を言います。
Aさんは自分の経験を伝える事でLさんの不安を解消できるよう努めていますが、Lさんの気持ちを代弁している訳ではありません。
✕ メディエーターとは、クライエントと事業所等の意見が対立している時に、その仲介を行い調整を行う役割を担う人の事を言います。
本設問ではLさんと医療機関の間に対立は見られておらず、Aさんも仲介を行っていませんので、メディエーターの役割をしている訳ではありません。
✕ エデュケーターとは、クライエントに対して知識や情報を提供し、クライエント自身の問題対処能力を向上させる教育者の事を言います。
AさんはLさんに自身の経験を話してはいますが、具体的な知識や情報を提供している訳ではありませんので、エデュケーターの役割を担っているとは言えません。
〇 ロールモデルとは、クライエントにとって模範となる人の事を言います。
Aさんは退院後に様々な支援を受けながら一人暮らしをする事が出来ており、Lさんが退院後に目指す姿を体現していると言えますので、ロールモデルの役割を担っていると言えます。
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02
入院中のLさんは、一人暮らしをしたいという意向を持っているものの、不安を感じている状況です。ピアサポーターであるAさんが、どのような存在なのかを読み取りましょう。
不適切です。セカンドオピニオンとは、現在の主治医とは別の医師に意見を求めることです。Aさんは、医師ではなく、Lさんの病状について話しているわけでもありません。
不適切です。アドボケーターとは、権利を擁護する人のことを言います。AさんがLさんの権利擁護の役割を果たしているとは読み取れません。
不適切です。メディエーターとは、話し合いの際に仲介を担う人のことを言います。Aさんがそのような役割を果たしているとは読み取れません。
不適切です。エデュケーターとは、クライエントに情報などを提供する教育者を意味します。AさんはLさんに対して、自分の経験を話しているものの教育を行っているわけではありません。
適切です。ロールモデルとは、クライエントにとってお手本となる人を指します。Lさんは「一人暮らしをして自立したい」が不安を持っている状態です。ピアサポーターのAさんは実際に一人暮らしができている方なので、ロールモデルと言えます。
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