精神保健福祉士 過去問
第26回(令和5年度)
問133 (精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問15)
問題文
〔事例〕
Lさん(41歳、男性)は、20代で統合失調症と診断され、服薬を中断して体調を崩しては入退院を繰り返し、今回の入院となった。なかなか病状が安定しなかったが、入院して1年が過ぎ安定してきた。病棟担当の精神保健福祉士は、Lさんから、「両親とも70代で体調が悪いので、もう負担はかけられない。一人暮らしをして自立したいが、これまで家事は母親に任せきりだったため、いざ一人暮らしを考えると不安がある」と聞いた。そこで、地域移行支援を紹介し、利用することになった。後日、相談支援事業所のM精神保健福祉士とピアサポーターのAさんがLさんの元を訪れた。Aさんは、「僕も退院が不安だったけど、いろいろな助けを借りて一人暮らしができているし、好きなことに打ち込めて楽しいよ」と話し、自身の生活や利用しているサービスについて説明した。(※1)
Lさんは、「両親が貯めてくれたお金があるので、しばらくは生活の心配はないと思う」「Aさんのように一人暮らしを継続し、再入院しないで、好きな鉄道を自由に見に行きたい」「自炊したいし、家事や生活費のやりくりも頑張りたいが、自信がない」「ささいなことが心配になるので、相談できる場所があると助かる」と話した。M精神保健福祉士は、Lさんの思いを受け止め、地域移行支援計画案を作成した。(※2)
Lさんは、AさんやM精神保健福祉士の支援を受けて退院し、引き続き地域定着支援を受けながら一人暮らしを始めた。そして、地域活動支援センターのB精神保健福祉士の支援を受けながら、フリースペースの利用や毎日の夕食会に参加し始めた。さらに、居宅介護による掃除の支援や訪問看護を利用して生活に慣れていった。しかし、ほどなくしてフリースペースや夕食会に顔を見せなくなった。B精神保健福祉士は、M精神保健福祉士と訪問看護師にこのことを話し、訪問看護時に一緒にLさん宅を訪れた。Lさんは、「夕食会で話の合う人がいないので居づらく、行けなくなってしまった。そのことに悩んだり、夕食作りなど家事を頑張ったので疲れてしまった。今は寝てばかりいて、家にひきこもっている。このままだとまた入院になってしまうのでしょうか」と話した。そこでケア会議が開催された。(※3)
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問題
精神保健福祉士国家試験 第26回(令和5年度) 問133(精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問15) (訂正依頼・報告はこちら)
〔事例〕
Lさん(41歳、男性)は、20代で統合失調症と診断され、服薬を中断して体調を崩しては入退院を繰り返し、今回の入院となった。なかなか病状が安定しなかったが、入院して1年が過ぎ安定してきた。病棟担当の精神保健福祉士は、Lさんから、「両親とも70代で体調が悪いので、もう負担はかけられない。一人暮らしをして自立したいが、これまで家事は母親に任せきりだったため、いざ一人暮らしを考えると不安がある」と聞いた。そこで、地域移行支援を紹介し、利用することになった。後日、相談支援事業所のM精神保健福祉士とピアサポーターのAさんがLさんの元を訪れた。Aさんは、「僕も退院が不安だったけど、いろいろな助けを借りて一人暮らしができているし、好きなことに打ち込めて楽しいよ」と話し、自身の生活や利用しているサービスについて説明した。(※1)
Lさんは、「両親が貯めてくれたお金があるので、しばらくは生活の心配はないと思う」「Aさんのように一人暮らしを継続し、再入院しないで、好きな鉄道を自由に見に行きたい」「自炊したいし、家事や生活費のやりくりも頑張りたいが、自信がない」「ささいなことが心配になるので、相談できる場所があると助かる」と話した。M精神保健福祉士は、Lさんの思いを受け止め、地域移行支援計画案を作成した。(※2)
Lさんは、AさんやM精神保健福祉士の支援を受けて退院し、引き続き地域定着支援を受けながら一人暮らしを始めた。そして、地域活動支援センターのB精神保健福祉士の支援を受けながら、フリースペースの利用や毎日の夕食会に参加し始めた。さらに、居宅介護による掃除の支援や訪問看護を利用して生活に慣れていった。しかし、ほどなくしてフリースペースや夕食会に顔を見せなくなった。B精神保健福祉士は、M精神保健福祉士と訪問看護師にこのことを話し、訪問看護時に一緒にLさん宅を訪れた。Lさんは、「夕食会で話の合う人がいないので居づらく、行けなくなってしまった。そのことに悩んだり、夕食作りなど家事を頑張ったので疲れてしまった。今は寝てばかりいて、家にひきこもっている。このままだとまた入院になってしまうのでしょうか」と話した。そこでケア会議が開催された。(※3)
- 服薬の自己管理をするために、心理教育プログラムに参加する。
- 生活費を自己管理するために、生活困窮者家計改善支援事業を利用する。
- 料理や掃除、洗濯が一人でできるようになるために、退院まで1年かけて練習する。
- 心配を軽減するために、アサーション・トレーニングを行う。
- 一人暮らしをするために、Aさんにアパート探しを依頼する。
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この過去問の解説 (2件)
01
本設問では、Lさんの不安を解消するための具体的な手法について問われています。Lさんの主訴をきちんと理解し、適切な支援方法を選択する必要があります。
〇 心理教育プログラムは、自分自身の病気や症状・治療方法などの理解を深め、自己管理能力を高める事を目的に実施されます。
Lさんは服薬を中断して入退院を繰り返してきた経緯がありますので、その状況を改善するために心理教育プログラムに参加する事は適切な支援内容と言えます。
✕ 生活困窮者家計改善支援事業とは、家計に問題を抱える生活困窮者からの相談に応じ、相談者とともに家計の状況を明らかにしたり、今後の生活の再生に向けた意欲を引き出していく支援の事を言います。
生活困窮者家計改善支援事業は、生活困窮者を対象にしており、Lさんは「両親が貯めてくれたお金があるので、しばらく生活の心配はない」と話しているため、この事業の対象から外れています。
✕ Lさんは病状が安定しており、病院からの退院を希望しています。家事等に不安を感じているものの、家事を練習するために入院を継続する事はできません。家事スキルの獲得を目標とするのであれば、自宅に戻り、福祉サービスなどを活用しながら徐々に覚えていく方がより実践的であると考えられます。
✕ アサーション・トレーニングとは、自分の意見を相手に適切に伝えられるよう、自己表現の方法を訓練する事を言います。
現時点でもLさんは相手に自分の不安を伝える事が出来ており、自己表現の方法を訓練する必要性は感じられません。また、アサーション・トレーニングを行ってもLさん自身が不安に感じている金銭管理や家事等のスキル習得には繋がらないため、適切な支援とは言えません。
✕ AさんはLさんのピアサポーターとして活動を依頼していますが、ピアサポーターがアパート探しまで担う必要はありません。
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02
Lさんが地域生活への移行に向けて、自分の意向や不安なことを具体的に話し始めた場面です。M精神保健福祉士としては、Lさんの課題を明らかにし、Lさんの意向に沿った支援計画案を作成する必要があります。
適切です。Lさんは、「服薬を中断して体調を崩しては入退院を繰り返し」とあるので、服薬の自己管理が重要であることがわかります。
不適切です。「両親が貯めてくれたお金があるので、しばらくは生活の心配はないと思う」とあることから、生活困窮者ではないことが読み取れます。
不適切です。「入院して1年が過ぎ安定してきた」Aさんに対し、料理や掃除、洗濯を更に1年入院をしながら練習することは必要ではないと考えられます。
不適切です。Lさんは、具体的に心配なことややりたいことを伝えることができています。
不適切です。Aさんはピアサポーターであり、アパート探しをする役割はありません。
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