精神保健福祉士 過去問
第26回(令和5年度)
問135 (精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問17)
問題文
〔事例〕
Cさん(45歳、女性)は、20歳の時に母親を亡くし、その後は父親と二人で暮らしてきた。35歳で統合失調症を発症し、入退院を繰り返したが、最近はデイケアに通いながら父親と家事を分担し、安定した生活を送っていた。ところが、父親が脳梗塞で倒れ、しばらく入院することになった。Cさんはショックで体調を崩し、デイケアを休む日が続いた。心配したデイケアのD精神保健福祉士が自宅を訪問すると、部屋に衣類が散乱していた。D精神保健福祉士が声を掛けると、Cさんは心細さから、「私はどうしたらいいのか分からない」と泣き始めた。D精神保健福祉士は、Cさんに同伴して父親の見舞いに行き、病院で説明された病状を解説したり、自宅に訪問してCさんの不安解消に努めた。また、Cさんが、「一人でいるのが怖い」と訴えたので、以前も利用したことのあるショートステイを勧めた。(※1)
ショートステイ後、Cさんは落ち着きを取り戻し自宅に戻った。しばらくして父も退院することとなったが、父親には片麻痺(かたまひ)が残り、今までのように家事を行うことは難しかった。ケアマネジャーはCさんのことも考え、父親に対してしばらく施設に入所してはどうかと勧めた。それを聞いたCさんは、「でもお父さんと一緒に暮らしたい」と困惑した表情で言った。D精神保健福祉士は、Cさんが介護に疲れて生活が成り立たなくなるのではないかと考えたケアマネジャーの意見に賛同したい一方で、Cさんの気持ちを考えて葛藤を抱えた。(※2)
その後、父親は自宅に戻った。Cさんは父親への訪問介護を活用しながら、食事作りと父親の介護を続けた。ある日、D精神保健福祉士がCさん宅を訪ねて様子を聞くと、数日前から一日一食しか摂っていないとのことであった。理由を聞くと、父親に健康飲料を飲ませたら元気になったように見えたので、追加で購入したら予想外に出費がかさんだと話した。Cさんは、「お父さんに元気になってもらいたいので、これからも健康飲料を買うつもり」と言った。そこで、D精神保健福祉士は、現段階での対応としてある提案をした。(※3)
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問題
精神保健福祉士国家試験 第26回(令和5年度) 問135(精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問17) (訂正依頼・報告はこちら)
〔事例〕
Cさん(45歳、女性)は、20歳の時に母親を亡くし、その後は父親と二人で暮らしてきた。35歳で統合失調症を発症し、入退院を繰り返したが、最近はデイケアに通いながら父親と家事を分担し、安定した生活を送っていた。ところが、父親が脳梗塞で倒れ、しばらく入院することになった。Cさんはショックで体調を崩し、デイケアを休む日が続いた。心配したデイケアのD精神保健福祉士が自宅を訪問すると、部屋に衣類が散乱していた。D精神保健福祉士が声を掛けると、Cさんは心細さから、「私はどうしたらいいのか分からない」と泣き始めた。D精神保健福祉士は、Cさんに同伴して父親の見舞いに行き、病院で説明された病状を解説したり、自宅に訪問してCさんの不安解消に努めた。また、Cさんが、「一人でいるのが怖い」と訴えたので、以前も利用したことのあるショートステイを勧めた。(※1)
ショートステイ後、Cさんは落ち着きを取り戻し自宅に戻った。しばらくして父も退院することとなったが、父親には片麻痺(かたまひ)が残り、今までのように家事を行うことは難しかった。ケアマネジャーはCさんのことも考え、父親に対してしばらく施設に入所してはどうかと勧めた。それを聞いたCさんは、「でもお父さんと一緒に暮らしたい」と困惑した表情で言った。D精神保健福祉士は、Cさんが介護に疲れて生活が成り立たなくなるのではないかと考えたケアマネジャーの意見に賛同したい一方で、Cさんの気持ちを考えて葛藤を抱えた。(※2)
その後、父親は自宅に戻った。Cさんは父親への訪問介護を活用しながら、食事作りと父親の介護を続けた。ある日、D精神保健福祉士がCさん宅を訪ねて様子を聞くと、数日前から一日一食しか摂っていないとのことであった。理由を聞くと、父親に健康飲料を飲ませたら元気になったように見えたので、追加で購入したら予想外に出費がかさんだと話した。Cさんは、「お父さんに元気になってもらいたいので、これからも健康飲料を買うつもり」と言った。そこで、D精神保健福祉士は、現段階での対応としてある提案をした。(※3)
- 家族システムアプローチ
- 課題中心アプローチ
- ナラティブアプローチ
- 危機介入アプローチ
- 心理社会的アプローチ
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この過去問の解説 (2件)
01
クライエントに対するアプローチ方法は頻出問題です。それぞれの特徴や提唱者などを覚えておくと良いでしょう。
✕ 家族システムアプローチとは、家族を一つのシステムとして捉え、その構成員はお互いに影響を与え合っているという考えのもと行われるアプローチの事です。構成員同士の関わりが問題を引き起こしている場合、その関わり部分に対してアプローチを行い、問題解決を目指していきます。
本設問でCさんは父親の入院がきっかけで一人になってしまった事により、不安を訴えていますが、父親との関わりの中でその問題が生じたわけではありませんので、家族システムアプローチを実践した訳ではありません。
✕ 課題中心アプローチでは、クライエントが持つ大きな課題を解決するために、クライエントと支援者で協働し、まずは細分化した小さな目標を設定します。その小さな目標を達成するためさらに具体的な課題設定を行い、その課題を短期間で解決する事を目指します。小さな目標を達成する事で、最終的にクライエントの持つ大きな課題を解決できるように働きかける支援方法を取ります。
本設問では、Cさんと一緒に課題の明確化やその課題を解決するための目標設定などは行われていませんので、課題中心アプローチに基づいた支援内容とは言えません。
✕ ナラティブアプローチとは、クライエントの語りに耳を傾け、現在置かれている状態や問題の背景などを探る方法の事を言います。また、その語りの中でクライエントに質問し、クライエントが希望する生き方を聞き取った上で、その生き方に近づけていくような援助を行います。
本設問ではCさんの不安な気持ちは聞き取れていますが、Cさんがこれからどうしたいと考えているかまでは聞き取る事が出来ていませんので、ナラティブアプローチを行っている訳ではありません。
〇 危機介入アプローチとは、何らかの原因で危機的状況に陥っているクライエントに対して早期に介入し、心身のバランスを取る事で、危機に直面する前の状態になるべく早く戻れるよう支援するアプローチ方法の事を言います。
Cさんは父親が脳梗塞を起こして入院した事で一人になり、そこから精神的に不安定な状態に陥ってしまっています。その状態の改善に向けてD精神保健福祉士が早期の介入を行い、ショートステイを利用する事で心の安定を図れるよう支援している事から、危機介入アプローチに基づいた支援を行っていると言えます。
✕ 心理社会的アプローチは、クライエントを「状況の中の人」として捉え、クライエント自身とそれを取り巻く環境面とに働きかけて問題解決を目指すアプローチ方法の事を言います。
このアプローチ方法は長期的な介入を前提としますが、本事例では早期介入・調整を図っているため、心理社会的アプローチを実践している訳ではありません。
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02
事例から、Cさんがどのような症状・生活環境で生活し、現在どのような状態になっているかを読み取りましょう。
不適切です。事例を読むと、現在はCさんに焦点を当ててアプローチを行っていることがわかります。
不適切です。課題中心アプローチでは、課題とそれに対する目標を定めて行いますが、事例にそのような記述は見られません。
不適切です。ナラティブアプローチでは、Cさんの語る「物語」を通して支援することになりますが、事例にそのような記述は見られません。
適切です。現在Cさんは、不安であり「一人でいるのが怖い」という言葉が聞かれます。D精神保健福祉士は、危機的な状況と判断し「ショートステイを勧めた」と考えることができます。
不適切です。心理社会的アプローチは、Cさんを「状況の中の人」として捉えてアプローチすることになりますが、事例にそのような記述は見られません。
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