精神保健福祉士 過去問
第26回(令和5年度)
問136 (精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問18)

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問題

精神保健福祉士国家試験 第26回(令和5年度) 問136(精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、(※2)について、D精神保健福祉士が抱えた自分の葛藤への対処として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
Cさん(45歳、女性)は、20歳の時に母親を亡くし、その後は父親と二人で暮らしてきた。35歳で統合失調症を発症し、入退院を繰り返したが、最近はデイケアに通いながら父親と家事を分担し、安定した生活を送っていた。ところが、父親が脳梗塞で倒れ、しばらく入院することになった。Cさんはショックで体調を崩し、デイケアを休む日が続いた。心配したデイケアのD精神保健福祉士が自宅を訪問すると、部屋に衣類が散乱していた。D精神保健福祉士が声を掛けると、Cさんは心細さから、「私はどうしたらいいのか分からない」と泣き始めた。D精神保健福祉士は、Cさんに同伴して父親の見舞いに行き、病院で説明された病状を解説したり、自宅に訪問してCさんの不安解消に努めた。また、Cさんが、「一人でいるのが怖い」と訴えたので、以前も利用したことのあるショートステイを勧めた。(※1)
ショートステイ後、Cさんは落ち着きを取り戻し自宅に戻った。しばらくして父も退院することとなったが、父親には片麻痺(かたまひ)が残り、今までのように家事を行うことは難しかった。ケアマネジャーはCさんのことも考え、父親に対してしばらく施設に入所してはどうかと勧めた。それを聞いたCさんは、「でもお父さんと一緒に暮らしたい」と困惑した表情で言った。D精神保健福祉士は、Cさんが介護に疲れて生活が成り立たなくなるのではないかと考えたケアマネジャーの意見に賛同したい一方で、Cさんの気持ちを考えて葛藤を抱えた。(※2)
その後、父親は自宅に戻った。Cさんは父親への訪問介護を活用しながら、食事作りと父親の介護を続けた。ある日、D精神保健福祉士がCさん宅を訪ねて様子を聞くと、数日前から一日一食しか摂っていないとのことであった。理由を聞くと、父親に健康飲料を飲ませたら元気になったように見えたので、追加で購入したら予想外に出費がかさんだと話した。Cさんは、「お父さんに元気になってもらいたいので、これからも健康飲料を買うつもり」と言った。そこで、D精神保健福祉士は、現段階での対応としてある提案をした。(※3)
  • Cさんの意思を確認し、その判断に委ねる。
  • Cさんの主治医に連絡を取り、指示を求める。
  • 父親の自宅介護に必要なサービスについて、ケアマネジャーと相談する。
  • 父親の介護が心身にどの程度の負担となるかをCさんと話し合う。
  • 精神保健福祉士法に目を通し、精神保健福祉士として適切な行動を確認する。

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この過去問の解説 (2件)

01

本設問では、Cさんの「父親と一緒に生活したい」という希望を叶えてあげたいと考える反面、それを実施すればCさんの介護疲れが予想され、生活が立ち行かなくなる可能性があるという倫理的ジレンマに対しての対応を考える必要があります。

選択肢1. Cさんの意思を確認し、その判断に委ねる。

✕ Cさんは「父親と生活したい」という希望を持っていますが、その意向に沿った対応を行えばCさんにとっての不利益が生じる可能性があります。それが分かっていながら何の対応もせずにCさんへ判断を委ねる事は、支援者の姿勢として適切ではありません。

選択肢2. Cさんの主治医に連絡を取り、指示を求める。

✕ Cさんに同意を得た上で、主治医からCさんの病状等の情報を聞く事はできますが、D精神保健福祉士の葛藤の解消に繋がる訳ではありません。また、主治医は情報提供や日常生活の注意点等を伝える事は出来ますが、Cさんの生活の希望に対して指示を出す立場ではありません。

選択肢3. 父親の自宅介護に必要なサービスについて、ケアマネジャーと相談する。

〇 父親の介護をCさんが一手に担えば介護疲れが出てしまい、Cさんの生活に支障が出る可能性が考えられます。まずはCさんの父親にどのような支援が必要であるか、それを担うためのサービスにどのようなものがあるかを話し合う事で、Cさんの介護負担を軽減しつつも「父親と一緒に生活したい」と考えているCさんの思いに沿った支援が出来ると考えられます。

選択肢4. 父親の介護が心身にどの程度の負担となるかをCさんと話し合う。

〇 現時点でCさんは、父親にどの程度の介護が必要か、それをCさん自身が行った場合どの程度の負担になるかを具体的に想像できていない可能性が高いです。Cさんが考えている介護内容と、現実に必要な介護内容を擦り合わせ、実際にどの程度の負担となるかを話し合う事で、退院後の生活についてより具体的に考える事が出来ます。

事前にCさん自身の体にどの程度の負担がかかるかを想像しておく事で、外部サービスの利用等についても話し合う事が出来るため、適切な支援内容であると言えます。

選択肢5. 精神保健福祉士法に目を通し、精神保健福祉士として適切な行動を確認する。

✕ 精神保健福祉士法には精神保健福祉士の役割等について規定されていますが、精神保健福祉士の行動に関しての規定はありません。

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02

Cさんの意向とケアマネジャーの意見が一致せず、精神保健福祉士としてどのような支援が必要か考えている場面です。まずはCさんの意向に寄り添うために、できることを考えていきましょう。

選択肢1. Cさんの意思を確認し、その判断に委ねる。

不適切です。Cさんの意向に寄り添うことは重要ですが、「Cさんが介護に疲れて生活が成り立たなくなるのではないか」と考えるケアマネジャーの意見などから、Cさんに判断を委ねるのではなく、一緒に検討していくことが求められます。

選択肢2. Cさんの主治医に連絡を取り、指示を求める。

不適切です。Cさんの同意を得た上で、主治医に父親の症状などについて確認することは考えられますが、指示を求めることは不適切です。

選択肢3. 父親の自宅介護に必要なサービスについて、ケアマネジャーと相談する。

適切です。「お父さんと一緒に暮らしたい」というCさんの意向もあるので、まずは父親にどのような支援が必要なのか、それに対してどのようなサービスの利用が考えられるのかといったことを相談することは重要です。

選択肢4. 父親の介護が心身にどの程度の負担となるかをCさんと話し合う。

適切です。Cさんが父親の介護について、どのようなイメージを持っているのか、介護がどの程度の負担となるのかなどを話し合うことは重要です。

選択肢5. 精神保健福祉士法に目を通し、精神保健福祉士として適切な行動を確認する。

不適切です。精神保健福祉士法には、精神保健福祉士の定義などが載っているものであり、事例に対する適切な行動は載っていません。

参考になった数0