精神保健福祉士 過去問
第26回(令和5年度)
問137 (精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問19)
問題文
〔事例〕
Cさん(45歳、女性)は、20歳の時に母親を亡くし、その後は父親と二人で暮らしてきた。35歳で統合失調症を発症し、入退院を繰り返したが、最近はデイケアに通いながら父親と家事を分担し、安定した生活を送っていた。ところが、父親が脳梗塞で倒れ、しばらく入院することになった。Cさんはショックで体調を崩し、デイケアを休む日が続いた。心配したデイケアのD精神保健福祉士が自宅を訪問すると、部屋に衣類が散乱していた。D精神保健福祉士が声を掛けると、Cさんは心細さから、「私はどうしたらいいのか分からない」と泣き始めた。D精神保健福祉士は、Cさんに同伴して父親の見舞いに行き、病院で説明された病状を解説したり、自宅に訪問してCさんの不安解消に努めた。また、Cさんが、「一人でいるのが怖い」と訴えたので、以前も利用したことのあるショートステイを勧めた。(※1)
ショートステイ後、Cさんは落ち着きを取り戻し自宅に戻った。しばらくして父も退院することとなったが、父親には片麻痺(かたまひ)が残り、今までのように家事を行うことは難しかった。ケアマネジャーはCさんのことも考え、父親に対してしばらく施設に入所してはどうかと勧めた。それを聞いたCさんは、「でもお父さんと一緒に暮らしたい」と困惑した表情で言った。D精神保健福祉士は、Cさんが介護に疲れて生活が成り立たなくなるのではないかと考えたケアマネジャーの意見に賛同したい一方で、Cさんの気持ちを考えて葛藤を抱えた。(※2)
その後、父親は自宅に戻った。Cさんは父親への訪問介護を活用しながら、食事作りと父親の介護を続けた。ある日、D精神保健福祉士がCさん宅を訪ねて様子を聞くと、数日前から一日一食しか摂っていないとのことであった。理由を聞くと、父親に健康飲料を飲ませたら元気になったように見えたので、追加で購入したら予想外に出費がかさんだと話した。Cさんは、「お父さんに元気になってもらいたいので、これからも健康飲料を買うつもり」と言った。そこで、D精神保健福祉士は、現段階での対応としてある提案をした。(※3)
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問題
精神保健福祉士国家試験 第26回(令和5年度) 問137(精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問19) (訂正依頼・報告はこちら)
〔事例〕
Cさん(45歳、女性)は、20歳の時に母親を亡くし、その後は父親と二人で暮らしてきた。35歳で統合失調症を発症し、入退院を繰り返したが、最近はデイケアに通いながら父親と家事を分担し、安定した生活を送っていた。ところが、父親が脳梗塞で倒れ、しばらく入院することになった。Cさんはショックで体調を崩し、デイケアを休む日が続いた。心配したデイケアのD精神保健福祉士が自宅を訪問すると、部屋に衣類が散乱していた。D精神保健福祉士が声を掛けると、Cさんは心細さから、「私はどうしたらいいのか分からない」と泣き始めた。D精神保健福祉士は、Cさんに同伴して父親の見舞いに行き、病院で説明された病状を解説したり、自宅に訪問してCさんの不安解消に努めた。また、Cさんが、「一人でいるのが怖い」と訴えたので、以前も利用したことのあるショートステイを勧めた。(※1)
ショートステイ後、Cさんは落ち着きを取り戻し自宅に戻った。しばらくして父も退院することとなったが、父親には片麻痺(かたまひ)が残り、今までのように家事を行うことは難しかった。ケアマネジャーはCさんのことも考え、父親に対してしばらく施設に入所してはどうかと勧めた。それを聞いたCさんは、「でもお父さんと一緒に暮らしたい」と困惑した表情で言った。D精神保健福祉士は、Cさんが介護に疲れて生活が成り立たなくなるのではないかと考えたケアマネジャーの意見に賛同したい一方で、Cさんの気持ちを考えて葛藤を抱えた。(※2)
その後、父親は自宅に戻った。Cさんは父親への訪問介護を活用しながら、食事作りと父親の介護を続けた。ある日、D精神保健福祉士がCさん宅を訪ねて様子を聞くと、数日前から一日一食しか摂っていないとのことであった。理由を聞くと、父親に健康飲料を飲ませたら元気になったように見えたので、追加で購入したら予想外に出費がかさんだと話した。Cさんは、「お父さんに元気になってもらいたいので、これからも健康飲料を買うつもり」と言った。そこで、D精神保健福祉士は、現段階での対応としてある提案をした。(※3)
- 成年後見制度の利用
- 健康飲料の購入中止
- 訪問介護員に対する二人分の食事提供依頼
- 地域定着支援事業の利用
- 健康飲料を購入する上限額の設定
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この過去問の解説 (2件)
01
本設問では公的制度や介護、障害福祉サービスが選択肢の中に登場しています。それぞれの利用条件等についておさえておく必要があります。
✕ 成年後見制度は様々な疾病や障がいになどにより、判断能力が不十分とされる人に対して本人の意思を尊重しつつ、本人に不利益が生じないように、財産管理や身上監護などを行います。
現時点ではCさんの判断能力が低下していると断定する事はできないため、成年後見制度の利用に繋げる事は適切ではありません。
✕ Cさんは父親に元気になってもらいたいという思いから健康飲料を飲ませ、それを続けたいと考えています。健康飲料の購入中止の提案は、Cさんの希望を無視しており適切な支援内容とは言えません。
✕ 訪問介護員は、介護が必要な人に対する支援を行います。父親以外にCさんの食事を作って提供する事はできません。
✕ 地域定着支援事業とは、単身等で生活する障害者に対し常時の連絡体制を確保して、障害の特性により生じた緊急事態等に対して、相談等の支援を提供するものです。
Cさんは父親の入院時に一時的に不安定にはなったものの現在は安定しており、常時連絡体制を確保しておく必要がある訳ではないと考えられ、地域定着支援事業の利用に結びつける必要はありません。
〇 健康飲料の購入を続けたいというCさんの思いを尊重していく事は大事ですが、それによりCさんは一日1食の生活となっており、健康状態が損なわれる恐れがあります。Cさんが通常通り日常生活を送れるよう、健康飲料を購入する上限額を設定を提案する事は適切な支援内容であると言えます。
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02
実際に自宅介護を始めて、新たな課題が生じている場面です。Cさんの意向を尊重しながらも、適切な支援が求められます。
不適切です。Cさんの判断能力が低下しているとは言えません。
不適切です。「お父さんに元気になってもらいたいので、これからも健康飲料を買うつもり」と話すCさんの考えにも寄り添う必要があります。健康飲料の購入自体は金銭的な部分に気をつければ良いと考えることができます。
不適切です。Cさんは、食事作りや食事提供ができないわけではありません。
不適切です。現在の課題は、Cさんの父親に対する介護の考え方についてと考えることができます。
適切です。健康飲料の購入費がCさんが「一日一食しか摂っていない」原因であると考えられます。Cさんと話し合っていくことが重要です。
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