精神保健福祉士 過去問
第26回(令和5年度)
問143 (精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問25)

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問題

精神保健福祉士国家試験 第26回(令和5年度) 問143(精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問25) (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、(※3)について、Q市の新たな取組として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Q市障害福祉課に勤務するH精神保健福祉士に、地域包括支援センターの主任ケアマネジャーから電話があり、「ホームヘルパーから、『訪問に行くと、同居する子が部屋から出て来ないし外出もしないと言われ、その対応の仕方が分からない』と相談されて困っている」とのことだった。H精神保健福祉士は、その話を聞きながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、Q市には同様のひきこもり課題を抱える事例が他にもあるのではないかと思った。(※1)
Q市におけるひきこもりの事例では、「退職」や「新型コロナウイルス感染症」をきっかけとするものが目立ち、ひきこもり期間は「2年から3年未満」が多かった。H精神保健福祉士はのちに開催された「協議会」において現状を報告し、ひきこもり問題に対応するため、専門部会の立ち上げを提案して、承諾された。その後、保健所、基幹相談支援センター、ひきこもり地域支援センター、ひきこもり支援をしているNPO法人、Q市社会福祉協議会、地域包括支援センターが集まり、第一回の専門部会を開催することとなった。専門部会ではH精神保健福祉士がQ市の現状報告後、ファシリテーターとなり、参加者に支援の悩みやひきこもっている人のメンタルヘルスに関連する課題等について自由に意見を出し合ってもらった。意見としては、「女性のひきこもっている人の増加が目立ち始め、このままだと長期化し、メンタルヘルス問題の悪化が懸念される」こと、「それまであった人間関係も疎遠になって家族以外と会話していない」こと、「親を介護しながら扶養されている」こと、「自分の先行きが不安になって不眠に陥っている」こと等が挙がった。(※2)
数回にわたる専門部会のまとめとして、「女性の増加が目立ち、彼女たちは、もう一度誰かとつながりたいという気持ちがあるがなかなか自分からは行動しにくいようだ」ということで意見が一致した。そして、専門部会は新たな取組の提案と報告を行い、それを受けたQ市は提案に基づく取組を行うこととした。(※3)
(注)「協議会」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に基づき行われる協議会のことである。
  • 居場所やつながりを作るために、同じ悩みを語り合うサロンづくりを進める。
  • 一人暮らしの支援として、住宅入居等支援事業を開始する。
  • 日常生活自立支援事業の広報を積極的に行う。
  • 市内の精神科医療機関の一覧をひきこもっている人たちに送付する。
  • 家族内での役割を獲得するための介護教室を開催する。

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この過去問の解説 (2件)

01

専門部会の開催を重ねる中で、Q市におけるひきこもりの現状が徐々に明らかになり、当事者の人からのニーズも捉える事が出来てきています。この段階では、キャッチしたニーズに沿った支援を行う事が求められています。

選択肢1. 居場所やつながりを作るために、同じ悩みを語り合うサロンづくりを進める。

〇 本事例では「もう一度誰かとつながりたいという気持ちがあるがなかなか自分からは行動しにくい」という現状を確認しています。引きこもっている人達がもう一度社会と繋がるために、当事者同士が集まり同じ悩みを語り合うサロンづくりを行う事は、ニーズと合致しています。

選択肢2. 一人暮らしの支援として、住宅入居等支援事業を開始する。

✕ 住宅入居等支援事業では、賃貸契約による一般住宅への入居を希望している障害者が、保証人がいないなどの理由で入居が困難となる場合に入居調整などの支援を行います。

住宅入居に不安を感じているというニーズは聞かれていないため、住宅入居等支援事業の開始は適切な支援とは言えません。

選択肢3. 日常生活自立支援事業の広報を積極的に行う。

✕ 日常生活自立支援事業とは、認知症高齢者や知的障害者、精神障害者等のうち判断能力が不十分な方が、地域において自立した生活が送れるよう、利用者との契約に基づき、福祉サービスの利用援助等を行う制度です。

確認したニーズの中に、日常生活自立支援事業に関する事は聞かれておらず、日常生活自立支援事業の広報は適切な支援内容とは言えません。

選択肢4. 市内の精神科医療機関の一覧をひきこもっている人たちに送付する。

✕ ひきこもり当事者の人から聞かれているニーズは、医療機関の情報を得る事ではありません。ニーズに適した働きかけとは言えません。

選択肢5. 家族内での役割を獲得するための介護教室を開催する。

✕ Q市のひきこもり当事者の方からは、家庭外の人や外の社会との繋がりを求める声が上がっています。家庭内での役割を求めている訳ではありません。

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02

専門部会を開いた結果から、新たな取組が始まろうとしている場面です。専門部会の結論はどうだったのかを理解することで、解答することができます。

選択肢1. 居場所やつながりを作るために、同じ悩みを語り合うサロンづくりを進める。

適切です。「もう一度誰かとつながりたいという気持ちがある」という意見が出ていることから、サロンづくりに取り組むことは適切と考えられます。

選択肢2. 一人暮らしの支援として、住宅入居等支援事業を開始する。

不適切です。「女性のひきこもっている人の増加が目立ち始め」という意見は出たものの、その方に一人暮らしを支援するということは結びつきません。

選択肢3. 日常生活自立支援事業の広報を積極的に行う。

不適切です。日常生活自立支援事業は、判断能力が不十分な方の福祉サービス等の利用支援を行う事業です。そのような取組が必要であるということは読み取れません。

選択肢4. 市内の精神科医療機関の一覧をひきこもっている人たちに送付する。

不適切です。ひきこもりの方に、精神科の受診が必要とは言えません。また、そのような取組が必要であるということは読み取れません。

選択肢5. 家族内での役割を獲得するための介護教室を開催する。

不適切です。家族内に介護が必要な方がいるとは限らず、そのような取組が必要であるということは読み取れません。

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