精神保健福祉士 過去問
第27回(令和6年度)
問85 (精神医学と精神医療 問1)

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問題

精神保健福祉士試験 第27回(令和6年度) 問85(精神医学と精神医療 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、成人の認知能力を詳細に評価するための心理検査として、適切なものを1つ選びなさい。
  • 文章完成法テスト
  • ロールシャッハテスト
  • WAIS-Ⅳ知能検査
  • WPPSI-Ⅲ知能検査
  • P−Fスタディ

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この過去問の解説 (3件)

01

選択肢には、成人用でないもの、認知能力を評価するものではないものが含まれています。

心理検査にはたくさんの種類がありますが、名称だけでなく、それぞれの特徴を覚えていることが大切です。

選択肢1. 文章完成法テスト

文章完成法テストは、未完成の文章の空欄に被験者が考えたことや思いついたことを自由に記入させることで、パーソナリティを調べるためのテストです。

認知能力のための心理検査ではありません。

選択肢2. ロールシャッハテスト

ロールシャッハテストは、紙に垂らしたインクの染みが何に見えるかを聞くテストで、被験者のパーソナリティを調べるものであり、認知能力のための検査ではありません。

選択肢3. WAIS-Ⅳ知能検査

WAIS-Ⅳ知能検査は、言語理解指標(VCI)、知覚推理(PRI)、ワーキングメモリー(WMI)、処理速度(PSI)のという4つの知能テストを行い、成人の認知能力を調べるものです。

選択肢4. WPPSI-Ⅲ知能検査

これは幼児から小学校低学年向けの知能テストです。

選択肢5. P−Fスタディ

欲求不満に対する反応傾向によって、被験者のパーソナリティを調べるもので、認知能力を検査するものではありません。


 

まとめ

心理検査には、大きく分けて知能検査、人格検査、認知機能検査、自閉スペクトラム症の検査などがあります。

各検査にはどのようなものがあるか覚えておきましょう。

参考になった数8

02

心理検査に用いられる知能検査・人格検査はよく出題されています。

選択肢に登場する検査以外にも

過去に出題された選択肢を中心にその内容を

理解しておくようにしましょう。

選択肢1. 文章完成法テスト

適切ではありません。

 

文章完成法テスト(SCT)とは、短い刺激文につづく後半の文章を被験者が記述し、文章を完成させるテストです。

 

個人のパーソナリティや心理的特徴を捉えることを目的にしています。

 

 

 

選択肢2. ロールシャッハテスト

適切ではありません。

 

ロールシャッハテストは、形態のあいまいなインクの染みを被験者に示し、その答えを分析することにより実施されます。

 

被験者の認知の様式から人格を把握することを目的にしています。

 

 

選択肢3. WAIS-Ⅳ知能検査

適切です。

 

WAIS-Ⅳ知能検査は、その対象年齢を、16歳0か月~90歳11か月とし、「言語理解指標(VCI)」「知覚推理指標(PRI)」「ワーキングメモリー指標(WMI)」「処理速度指標(PSI)」の4種類を測定します。

 

成人の認知能力を詳細に評価するための心理検査として適切といえます。

 

 

選択肢4. WPPSI-Ⅲ知能検査

適切ではありません。

 

WPPSI-Ⅲ知能検査は、その対象年齢を、2歳6か月~7歳3か月としており、幼児の知的能力を測定するための検査です。

 

 

選択肢5. P−Fスタディ

適切ではありません。

 

P−Fスタディは、フラストレーションの描かれたイラストを被験者に提示し、その反応を分析する心理検査です。

 

被験者の人格像を把握するための検査とされています。

参考になった数1

03

この問題のポイントは、各心理検査が何を評価するものであるかを知識として持っているかが重要になります。

選択肢1. 文章完成法テスト

誤りです。文章完成法テスト(SCT)は文章の空欄を埋めさせることで受験者のパーソナリティーを計るものとなっています。

選択肢2. ロールシャッハテスト

誤りです。ロールシャッハテストは10枚の画像を見せ、その画像に関する印象を受験者に回答させるというテストで、受験者の心理状態や性格を判断することが出来ると言われています。

選択肢3. WAIS-Ⅳ知能検査

正しいです。WAISは成人向けに作られた知能検査の方法で、受験者の知能をIQという指標で数値化することが出来ます。受験者の知的能力を多面的に測ることが出来るテストであるため、今でも多く利用されています。

選択肢4. WPPSI-Ⅲ知能検査

誤りです。WIPPSIは乳幼児を対象とした知能テストで、WISC同様に知能をIQという数値を使って表すことが出来ます。

選択肢5. P−Fスタディ

誤りです。P-Fスタディ(絵画欲求不満テスト)は受験者にある漫画の1コマを見せその吹き出しに自由に言葉を入れてもらうとういうテストになります。このテストでは、受験者の性格傾向を把握することが出来ます。

まとめ

この問題では、心理検査に関する知識が問われました。どの検査も勿論重要ですが、各検査が何を図るための検査なのかまでしっかりと復習をすることで、正解を導き出すことが出来るようになります。

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