精神保健福祉士 過去問
第27回(令和6年度)
問88 (精神医学と精神医療 問4)

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問題

精神保健福祉士試験 第27回(令和6年度) 問88(精神医学と精神医療 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、うつ病を有する人に特徴的な妄想による発言として、適切なものを1つ選びなさい。
  • 「誰かに盗聴されている」
  • 「家族が預金通帳を盗んだ」
  • 「過去に罪を犯してしまった。今その罰を受けている」
  • 「自分は神だから死ぬことはない」
  • 「自分は高貴な生まれである」

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この過去問の解説 (2件)

01

うつ病でも妄想が生じうるとされており

 

1 心気妄想・・・例「自分はなにか重篤な病に違いない」

2 罪業妄想・・・例「自分は罪深い存在だ。罰せられるに違いない」

3 貧困妄想・・・例「お金がなくなってしまう(お金がある状態で)」

 

という特徴があるといわれています。

また、これらを微小妄想ということもあります。

選択肢1. 「誰かに盗聴されている」

適切ではありません。

 

「誰かに盗聴されている」は、注察妄想です。

 

統合失調症の患者に多いとされます。

 

 

 

 

選択肢2. 「家族が預金通帳を盗んだ」

適切ではありません。

 

「家族が預金通帳を盗んだ」は、もの盗られ妄想です。

 

認知症の方に多いとされます。

 

 

選択肢3. 「過去に罪を犯してしまった。今その罰を受けている」

適切です。


「過去に罪を犯してしまった。今その罰を受けている」は罪業妄想です。

 

うつ病の方に多いとされます。

 

選択肢4. 「自分は神だから死ぬことはない」

適切ではありません。


「自分は神だから死ぬことはない」は、誇大妄想です。

 

双極性障害のそう状態の際に多く見られるとされます。

 

統合失調症の慢性期に見られる場合もあります。

 

 

選択肢5. 「自分は高貴な生まれである」

適切ではありません。

 

「自分は高貴な生まれである」は血統妄想です。

 

統合失調症の方が訴える場合があるとされます。

 

 

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02

うつ病患者には、自分を価値がない人間だと思い込むという特徴があります。

そのため、妄想にも、自己評価の低さを表したものが見られます。

選択肢1. 「誰かに盗聴されている」

典型的な被害妄想で、統合失調症の患者に見られるものです。

選択肢2. 「家族が預金通帳を盗んだ」

これは被害妄想の一つで、統合失調症や認知症患者によく見られます。

選択肢3. 「過去に罪を犯してしまった。今その罰を受けている」

うつ病患者の罪業妄想にあてはまります。

選択肢4. 「自分は神だから死ぬことはない」

これは、双極性障害の躁状態などに見られる誇大妄想です。

選択肢5. 「自分は高貴な生まれである」

これは、双極性障害の躁状態などに見られる誇大妄想です。

まとめ

うつ病、統合失調症、認知症、双極性障害と、妄想を発現する疾患には色々なものがあります。

うつ病の妄想には、選択肢以外にも、心気妄想、貧困妄想などがありますが、どれも自己評価の低さに関係していることがわかります。

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