精神保健福祉士 過去問
第27回(令和6年度)
問109 (精神保健福祉の原理 問7)
問題文
次の事例を読んで、(※1)の電話相談においてB精神保健福祉士が優先的に評価すべきこととして、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
会社を定年退職したAさん(60代後半)は、昨年妻を事故で亡くし、一人息子(30代)と二人で暮らしている。息子は仕事でのトラブル等が重なり、自宅にひきこもって3年になる。Aさんは息子を一度強く叱責し拒絶されてからは話し掛けることもできなくなり、息子を心配しながら一人で家事を担い、日々を過ごしていた。最近Aさんは生活の中で年齢を感じることが増え、自分に何かあったら息子はどうなるだろうとの思いから、県のホームページで見付けたひきこもり地域支援センター(以下「センター」という。)に電話をかけた。息子とうまく関係を築けず拒絶されているように感じること、3年もひきこもっている息子の将来についての心配などをAさんはしっかりした口調で話した。電話を受けたB精神保健福祉士はその話を傾聴し、Aさんをねぎらい、センターとして関わりたいことを伝え、情報を整理した。(※1)
センターの対応に安堵(あんど)したAさんは、B精神保健福祉士とであれば息子のことについて進展を得られるように感じ、時折センターに出向くようになった。そのうちAさんは、いつまでこの状態が続くのか、自分の息子だけなぜこうなのかなど、悩みを具体的に語るようになった。そこでB精神保健福祉士は、センターで行われている「ひきこもり家族の会」(以下「家族会」という。)への参加をAさんに勧めた。(※2)
家族会に参加したAさんは、そこでの学びからセンターに行った感想を添えたメッセージや「名刺の人が話をしてみたいそうだ」とB精神保健福祉士の名刺を添えたセンターのチラシを台所のテーブルに置くようになった。息子はそれらを夜中に台所で読んでいるようだった。ある日、B精神保健福祉士のところに電話がかかってきた。B精神保健福祉士は、その名前からAさんの息子からであることに気付いた。Aさんの息子は、仕事も続かず、職場でも家でも誰ともうまくやれないこと、学生時代もそうだったことなどを語った。(※3)
〔事例〕
会社を定年退職したAさん(60代後半)は、昨年妻を事故で亡くし、一人息子(30代)と二人で暮らしている。息子は仕事でのトラブル等が重なり、自宅にひきこもって3年になる。Aさんは息子を一度強く叱責し拒絶されてからは話し掛けることもできなくなり、息子を心配しながら一人で家事を担い、日々を過ごしていた。最近Aさんは生活の中で年齢を感じることが増え、自分に何かあったら息子はどうなるだろうとの思いから、県のホームページで見付けたひきこもり地域支援センター(以下「センター」という。)に電話をかけた。息子とうまく関係を築けず拒絶されているように感じること、3年もひきこもっている息子の将来についての心配などをAさんはしっかりした口調で話した。電話を受けたB精神保健福祉士はその話を傾聴し、Aさんをねぎらい、センターとして関わりたいことを伝え、情報を整理した。(※1)
センターの対応に安堵(あんど)したAさんは、B精神保健福祉士とであれば息子のことについて進展を得られるように感じ、時折センターに出向くようになった。そのうちAさんは、いつまでこの状態が続くのか、自分の息子だけなぜこうなのかなど、悩みを具体的に語るようになった。そこでB精神保健福祉士は、センターで行われている「ひきこもり家族の会」(以下「家族会」という。)への参加をAさんに勧めた。(※2)
家族会に参加したAさんは、そこでの学びからセンターに行った感想を添えたメッセージや「名刺の人が話をしてみたいそうだ」とB精神保健福祉士の名刺を添えたセンターのチラシを台所のテーブルに置くようになった。息子はそれらを夜中に台所で読んでいるようだった。ある日、B精神保健福祉士のところに電話がかかってきた。B精神保健福祉士は、その名前からAさんの息子からであることに気付いた。Aさんの息子は、仕事も続かず、職場でも家でも誰ともうまくやれないこと、学生時代もそうだったことなどを語った。(※3)
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問題
精神保健福祉士試験 第27回(令和6年度) 問109(精神保健福祉の原理 問7) (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、(※1)の電話相談においてB精神保健福祉士が優先的に評価すべきこととして、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
会社を定年退職したAさん(60代後半)は、昨年妻を事故で亡くし、一人息子(30代)と二人で暮らしている。息子は仕事でのトラブル等が重なり、自宅にひきこもって3年になる。Aさんは息子を一度強く叱責し拒絶されてからは話し掛けることもできなくなり、息子を心配しながら一人で家事を担い、日々を過ごしていた。最近Aさんは生活の中で年齢を感じることが増え、自分に何かあったら息子はどうなるだろうとの思いから、県のホームページで見付けたひきこもり地域支援センター(以下「センター」という。)に電話をかけた。息子とうまく関係を築けず拒絶されているように感じること、3年もひきこもっている息子の将来についての心配などをAさんはしっかりした口調で話した。電話を受けたB精神保健福祉士はその話を傾聴し、Aさんをねぎらい、センターとして関わりたいことを伝え、情報を整理した。(※1)
センターの対応に安堵(あんど)したAさんは、B精神保健福祉士とであれば息子のことについて進展を得られるように感じ、時折センターに出向くようになった。そのうちAさんは、いつまでこの状態が続くのか、自分の息子だけなぜこうなのかなど、悩みを具体的に語るようになった。そこでB精神保健福祉士は、センターで行われている「ひきこもり家族の会」(以下「家族会」という。)への参加をAさんに勧めた。(※2)
家族会に参加したAさんは、そこでの学びからセンターに行った感想を添えたメッセージや「名刺の人が話をしてみたいそうだ」とB精神保健福祉士の名刺を添えたセンターのチラシを台所のテーブルに置くようになった。息子はそれらを夜中に台所で読んでいるようだった。ある日、B精神保健福祉士のところに電話がかかってきた。B精神保健福祉士は、その名前からAさんの息子からであることに気付いた。Aさんの息子は、仕事も続かず、職場でも家でも誰ともうまくやれないこと、学生時代もそうだったことなどを語った。(※3)
〔事例〕
会社を定年退職したAさん(60代後半)は、昨年妻を事故で亡くし、一人息子(30代)と二人で暮らしている。息子は仕事でのトラブル等が重なり、自宅にひきこもって3年になる。Aさんは息子を一度強く叱責し拒絶されてからは話し掛けることもできなくなり、息子を心配しながら一人で家事を担い、日々を過ごしていた。最近Aさんは生活の中で年齢を感じることが増え、自分に何かあったら息子はどうなるだろうとの思いから、県のホームページで見付けたひきこもり地域支援センター(以下「センター」という。)に電話をかけた。息子とうまく関係を築けず拒絶されているように感じること、3年もひきこもっている息子の将来についての心配などをAさんはしっかりした口調で話した。電話を受けたB精神保健福祉士はその話を傾聴し、Aさんをねぎらい、センターとして関わりたいことを伝え、情報を整理した。(※1)
センターの対応に安堵(あんど)したAさんは、B精神保健福祉士とであれば息子のことについて進展を得られるように感じ、時折センターに出向くようになった。そのうちAさんは、いつまでこの状態が続くのか、自分の息子だけなぜこうなのかなど、悩みを具体的に語るようになった。そこでB精神保健福祉士は、センターで行われている「ひきこもり家族の会」(以下「家族会」という。)への参加をAさんに勧めた。(※2)
家族会に参加したAさんは、そこでの学びからセンターに行った感想を添えたメッセージや「名刺の人が話をしてみたいそうだ」とB精神保健福祉士の名刺を添えたセンターのチラシを台所のテーブルに置くようになった。息子はそれらを夜中に台所で読んでいるようだった。ある日、B精神保健福祉士のところに電話がかかってきた。B精神保健福祉士は、その名前からAさんの息子からであることに気付いた。Aさんの息子は、仕事も続かず、職場でも家でも誰ともうまくやれないこと、学生時代もそうだったことなどを語った。(※3)
- 息子の精神的健康
- 息子の就労能力
- 現在の経済状況
- Aさんの家事負担
- Aさんの現在の発達課題
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この過去問の解説 (2件)
01
Aさんは、ひきこもりの息子を心配して電話をかけてきています。
息子の情報を確認し、整理することから始めましょう。
◯
息子は「仕事でのトラブル等が重なり」ひきこもり始めたという情報があります。
ひきこもりの背景には、うつ病、統合失調症、発達障害などの精神疾患が隠れていることもあるため、息子の精神的な状態や、変わった行動がないかの確認を行い、精神疾患が疑われる場合は、医療機関との連携が必要です。
✕
就労能力の評価は、ひきこもりからの回復においてとても重要ですが、まずはひきこもりの根本原因の可能性にもなりえる精神疾患の可能性を確認し、必要であれば、医療的支援を提供することが先決になります。
そのため、回答としては不適切です。
✕
Aさんは「しっかりとした口調で話した」とあるため、経済的困窮への緊急性は低いものと考えられます。
自分に何かあった後の経済状況をAさんは心配されていますが、現時点で切迫した状況ではないため、優先して評価すべきことではありません。
✕
Aさんが一人で家事を行っていることが、Aさんの心身の負担につながっている可能性があれば、Aさんの家事への支援も必要となります。
しかし現時点では、自分に何かあった後の息子の生活を心配していますので、現時点で早急に解決すべき問題ではありません。
✕
Aさんは60代後半であり、年齢的な変化についても述べていますが、直接的な相談内容ではありません。
精神保健福祉士が初回相談で優先的に評価すべきは、クライエントが現時点で直面している最も緊急な問題についてです。
今回はAさんよりも息子の状態確認を急ぐほうが優先されるかと思います。
ひきこもりは多様な要因で発生し、その背景には精神疾患が隠れていることが少なくありません。
この事例のように長期にわたるひきこもり状態では、まずその精神的健康状態を把握し、適切な医療介入の必要性を評価することが、支援の第一歩として最も重要です。
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02
事例の内容を整理して記述します。
相談者Aさん
・・・60代、息子と二人暮らし、一人で家事を担う、生活の中で年齢を感じる、自宅に引きこもって3年になる息子の将来を心配している、息子に拒絶されているように感じる。
相談者Aさんの息子
・・・30代、仕事でのトラブルが重なり自宅に引きこもって3年が経過、父に一度叱責されてから父とうまくコミュニケーションがとれていない
B精神保健福祉士・引きこもり支援センター所属
Aさん世帯の状況をていねいにアセスメントしながら
引きこもりの背景には、精神疾患が影響している可能性があるのではないか
などさまざまな要素を評価して、支援を検討する必要があります。
適切です。
Aさん世帯の状況をアセスメントするには、「息子の精神的健康」は非常に重要なポイントです。
引きこもりの背景には、精神障害などが影響しているケースもあり、精神疾患の有無は支援の内容・方向性を判断する際に重要な情報です。
適切ではありません。
Aさん世帯の状況をていねいにアセスメントする必要がある段階です。
また、Aさん自身は息子の将来に関して漠然とした不安を口にしていますが、就労問題に焦点をあてていませんし、B精神保健福祉士が、息子にコンタクトをとれていない状況なので、息子の健康状態を含めた状況、希望などを把握することが優先されると考えられます。
適切ではありません。
Aさん世帯の状況をていねいにアセスメントする必要がある段階です。
また、Aさん自身は息子の将来に関して漠然とした不安を口にしていますが、金銭問題に焦点をあてていませんし、B精神保健福祉士が、息子にコンタクトをとれていない状況なので、息子の健康状態を含めた状況、希望などを把握することが優先されると考えられます。
適切ではありません。
Aさん世帯の状況をていねいにアセスメントする必要がある段階です。
また、Aさん自身は「年齢を感じる」とB精神保健福祉士に話をしていますが、自身の健康・体力の問題に焦点をあてていませんし、B精神保健福祉士が、息子にコンタクトをとれていない状況なので、息子の健康状態を含めた状況、希望などを把握することが優先されると考えられます。
適切ではありません。
Aさん世帯の状況をていねいにアセスメントする必要がある段階です。
老年期を迎えているAさん自身の現在の発達課題は、参考すべき情報の一つかも知れませんが、優先的に評価する事項ではありません。
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