社会福祉士の過去問
第27回(平成26年度)
心理学理論と心理的支援 問10
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問題
社会福祉士試験 第27回(平成26年度) 心理学理論と心理的支援 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
防衛機制に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- あるつらい体験をした。その後、その体験に関する記憶があいまいになった。これを退行という。
- 飛行機事故をいつも心配していた。しかし、事故の確率は極めて低いと考え、不安な気持ちを静めた。これを取り入れという。
- 自分の欲しかったものが手に入らず悔しかった。それで、あんなものは大した価値がないと思い気持ちを落ち着けた。これを抑圧という。
- 競争心が高まりライバルを攻撃したくなった。しかし、それは不適切だと感じ、ボクシングの練習で気持ちを解消した。これを昇華という。
- ある友人に批判的な気持ちになった。しかし、そんな気持ちは不適切だと思い、逆に優しい言葉をかけた。これを合理化という。
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この過去問の解説 (4件)
01
防衛機制に関する問題です。
× 設問の説明は抑圧についてです。退行とは、より幼い発達段階に戻ったように未熟な行動をとることです。
× 設問は知性化の例です。取り入れは、他者の行動や考えを模倣して、その他者と似た存在になることです。
× 設問は合理化の例です。抑圧はある感情や欲求が意識に上がらないようにしてしまうことです。
○ 昇華とは、社会的に望ましくないとされる欲求や衝動を、社会的に望ましい活動に振り返ることを言います。
× 設問は反動形成の例です。合理化は、満たされない欲求などを、都合の良い理由をつけて正当化することです。
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02
正解は「競争心が高まりライバルを攻撃したくなった。しかし、それは不適切だと感じ、ボクシングの練習で気持ちを解消した。これを昇華という。」です。
退行とは、おしゃぶりや甘えなど、逆行する発達段階の行動をとることをいいます。つらい体験の後、その記憶があいまいになるのは、抑圧です。
取り入れとは、他者の振る舞いを自分の中に取り入れることです。同一化、同一視も取り入れに含まれます。選択肢の内容は知性化です。
抑圧とは、容認しがたい感情や欲求を意識下に抑えつけ、無意識の状態に近づけることです。選択肢の内容は合理化です。
昇華とは、高まる欲求を他の形で発散することです。ボクシングの練習で攻撃したくなる気持ちを解消することは昇華です。
合理化は、もっともらしい理由づけを行うことです。選択肢の内容は反動形成です。
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03
正解は「競争心が高まりライバルを攻撃したくなった。しかし、それは不適切だと感じ、ボクシングの練習で気持ちを解消した。これを昇華という。」です。
×これは、抑圧です。抑圧は、苦痛な感情や衝動、記憶を無意識に押さえ込むことです。退行は、以前の未熟な段階の行動に戻ることです。
× これは、取り入れではありません。
取り入れとは、他者の中にある感情や観念、価値観などを自分のもののように感じたり、受け入れたりすることを意味します。
×これは、合理化です。合理化は、社会的に認めがたい理由を隠して、自分の気持ちを正当化するような理由づけをすることです。
○性的な欲求や攻撃欲求など社会的に認めがたい欲求を、社会に受け入れられるような表現に置き換えて行動することを、昇華といいます。
×合理化は、社会的に認めがたい理由を隠して、自分の気持ちを正当化するような理由づけをすることです。
反動形成は、衝動や感情と正反対の態度や行動をとることを言います。ある友人に批判的な気持ちになったときに、「無意識的に」逆に優しい言葉を掛けることをしたり、過度に強迫的に優しい言葉を掛ける不自然さが出てきたら反動形成と言えるでしょう。
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04
正解は「競争心が高まりライバルを攻撃したくなった。しかし、それは不適切だと感じ、ボクシングの練習で気持ちを解消した。これを昇華という。」です。
【×】設問は抑圧の例です。退行とは幼い状態に逆戻りし、未熟な行動をとることです。
【×】取り入れとは、他人の行動や思考を真似てその人物に似る存在となることです。設問は知性化の例です。
【×】抑圧とは、苦痛な感情、欲求など、意識に上がらないようにすることです。設問は合理化の例です。
【○】設問の例の通りです。昇華とは、社会的に望ましくないとされる欲求のエネルギーを望ましい活動に帰ることです。
【×】合理化とは、失敗など自分の欲求を満たせなかった時に理由をつけ、自分の都合の良いように立場を正当化することです。設問の例は反動形成です。
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