社会福祉士の過去問 第27回(平成26年度) 権利擁護と成年後見制度 問78
この過去問の解説 (3件)
1○ 子の利益のためであっても、子の監護及び教育の必要範囲内での懲戒は違法です。
2× 親権者の同意を得ることなく締結した契約は親権者が取り消すことができます。
3○ 子の年齢が18歳以上の場合、子は成年ですので、必ずしも親権者の決めた場所に居所を定める必要はありません。
4× 親権者が子の労働契約を締結することは禁止されています。
5× 親権者と子の利益が相反する法律行為については、子の特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません。
正解は1、3です。
1.民法第821条に規定されています。
2.民法第5条より、未成年の子どもが契約したサービスは取り消すことができます。
3.元は旧民法第753条で規定されていた「結婚による成年擬制」の知識を問う設問でした。しかし、民法改正(令和4年4月1日施行)により成年年齢は18歳に引き下げられたため、結婚による成年擬制は成立しなくなりました。
また、民法第822条により、子は親権者が指定した場所に居所を定めなければなりませんが、18歳以上であれば成年ですので、その必要はありません。
4.労働基準法第58条により、未成年者に代わって労働契約を締結することはできません。
5.民法第826条により、子どもと利益が相反する法律行為については、特別代理人を選任するよう家庭裁判所に請求しなければなりません。
1.○
旧民法では第822条において、「親権を行う者は、第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲でその子を懲戒することができる」として、親権者の懲戒権を定めていました。
しかし、民法改正(令和4年12月公布・施行)により、第822条にあった親権者による懲戒権の規定が削除され、親権者による体罰や子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動を禁止する民法821条が新設されました。
2.×
民法第5条において、「未成年が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に利益を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りではない。前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる」と規定されています。
3.○
旧民法では第753条において、「未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす」と規定されていました。
しかし、民法改正(令和4年4月1日施行)により、成人年齢が18歳に引き下げられました。(民法第4条)
このため、結婚による成年擬制は成立しなくなりました。
また、子の年齢が18歳以上の場合、子は親権者が指定した場所に居所を定めなければならない(民法第822条)という規定から逃れることができます。
4.×
労働基準法第58条において、「親権者又は後見人は、未成年者に代って労働契約を締結してはならない」と規定されています。
5.×
民法第826条において、「親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない」と規定されています。
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