社会福祉士の過去問
第27回（平成26年度）
社会調査の基礎 問90

正解は１です。

１．フィールドワークにおいてメモを取る際には、現場の人々の不信感、警戒感を引き起こさないような工夫が必要となります。

２．フィールドノートに観察・考察したことを記載していく際は、出来事の時間的順序を意識しながら記載することが基本となります。

３．録音が許可された場合でも、音声に残らない視覚、嗅覚といった感覚や、その場で感じたことなどを残すため、メモを取ることが望ましいといえます。

４．質的調査の対象となる文書資料には、私的文書も含まれます。

５．アクションリサーチの過程において、実験室における実験データや質問紙調査のデータを用いることは問題ありません。

1○　メモを取る際には事前に許可が必要です。
2×　時間的に整理しなければ、見直したときに内容が曖昧になる可能性があります。
3×　音声記録だけでは内容が十分に理解できないことがあるため、メモは必須です。
4×　私的な文書を含めてすべてが分析対象になります。
5×　アクションリサーチでは、量的なデータも活用します

1、適切な内容です。フィールドワークにおいては調査場所にお邪魔し、目的となる調査を実施します。その際、記録のためにメモを取る事もありますが、現場の人々にその目的が伝わらず不信感を持たれてしまえば調査協力が得られなかったり、正確な情報を話してもらえない可能性などが出てきます。メモを取る際にはその目的を伝えたり、求めがあればメモした内容を確認してもらうなど不信感や警戒感を引き起こさない工夫が必要となります。

2、不適切です。フィールドワークにおいての記録は時系列を意識して記録する事が必要となります。

3、不適切です。音声には残らないインタビュー相手の態度や周囲の様子なども調査内容によっては重要な要素となります。また、音声機器の不具合などでデータが残せなかった場合などには調査に支障が出てしまうため、録音を許可された場合でもメモを取る事は必要となります。

4、不適切です。公的機関の文書には残っていない記録が私的文書に残されている事もあります。それらすべてを対象として含め、調査や分析を行う事がより正確な調査結果を導き出す事にも繋がります。

5、不適切です。調査においてはフィールドノートの記録はもちろんの事、実験データや質問紙調査のデータも併せて分析する事も大切となります。