社会福祉士の過去問
第27回(平成26年度)
相談援助の理論と方法 問108

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問題

社会福祉士試験 第27回(平成26年度) 相談援助の理論と方法 問108 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、E児童福祉司(社会福祉士)による個別性を重視した対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事例〕
F子(10歳)は、児童相談所で一時保護を受け、三日後に児童養護施設への入所を控えている。E児童福祉司が、本人の準備状況を確認するために面接をしたところ、「転校はしたくない。だから施設には行きたくない」と言われた。
  • 「転校は初めてだったね。今の気持ちを詳しく聞かせてくれるかな」と率直な気持ちを尋ねる。
  • 「この前の話し合いでF子ちゃんも一緒に決めたことだよね」と施設入所に関する本人の同意を再確認する。
  • 「学校での悩みごとも、今度行く施設ではちゃんと相談にのってくれるよ」と施設の支援体制を伝える。
  • 「施設に行く前に転校を気にする子は多いけど、行ってみると慣れるものだよ」と心配を和らげる。
  • 「転校は私も経験したけど、新しい友達もきっとできるから心配するほどじゃないよ」と前向きなとらえ方を示す。

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この過去問の解説 (3件)

01

1○ クライエントの気持ちの変化を受容する姿勢を示すことができており、適切です。

2× クライエントの気持ちの変化を聞かず、「決めたこと」を持ち出してしまってはクライエントが話しにくくなってしまいます。

3× クライエントの「転校したくない理由」が明らかになっていないのに施設の支援体制を伝えても、クライエントにとっては的外れな応答かもしれません。そのため不適切です。

4× クライエントの気持ちを聞かず、「他の子はこうだよ」と一般論を持ち出すのは個別性を重視した対応とは言えません。

5× 支援者である「私」とクライエントの価値観や置かれている状況は全く別のものです。クライエントの気持ちを聞く前に設問のような対応をするのは不適切です。

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02

1○ クライエントの訴えを受容して感情表現を促す対応であり適切です。
2× クライエントに対する否定的対応になり不適切です。
3× クライエントの直面する問題が明らかになってない段階では、安請け合いになってしまい不適切な対応です。
4× 個別性を重視していない対応になり不適切です。
5× クライエントの主訴が友人関係を決め付けるのは不適切です。

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03

1、適切な内容です。F子さんの「転校はしたくない」という言葉を否定せず受容する姿勢で関わる事が出来ています。

2、話し合いの際に表出していた意向が時間を経て変化したり、F子さんがその場では言えなかった思いなどがある可能性もあります。「一緒に決めた事」ではありますが、その意向が変化した事に対して否定するような姿勢でかかわる事は不適切な対応と言えます。

3、F子さんが施設に行きたくない理由として「転校したくない」という思いがある事を打ち明けています。この場面で施設のフォロー体制を説明したとしても、Fさんの転校したくないという思いがどこから来るものか明らかになっていないため、適切な支援とは言えません。

4、F子さんとそれまでの子どもは別の人間であり、過去の子ども達が転校後に学校に慣れていたとしても、F子さんが慣れるとは限りません。F子さんの悩みと過去に支援した子ども達の悩み事が同じだったとしても、感じ方はそれぞれ異なります。F子さんの悩みはF子さんの悩みとして捉える事が必要であり、他者の悩みと同一視する姿勢は支援者として適切とは言えません。

5、不適切です。支援者自身の体験した「転校」という行為はこれからF子さんが体験する内容でもありますが、その行為一つに対して感じる思いは人それぞれ異なります。「心配する程じゃない」と自分の思いを押し付けるような言葉かけは不適切であると言えます。

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