社会福祉士の過去問
第27回（平成26年度）
相談援助の理論と方法 問114

１×　開発的機能とは、岡村重夫が提唱したソーシャルワークの5つの機能の内のひとつです。この事例には不適切です。
２○　スーパーバイザ―の機能として、教育的機能があります。この事例においては、感情的になっているＡソーシャルワーカーに対し、助言・指導を行う事が必要です。
３×　媒介的機能は、スーパーバイザーの機能ではありませんので誤りです。
４×　支持的機能は、スーパーバイザーの機能のひとつです。スーパーバイザーがバイジーを精神的に支え、バーンアウトを防ぐための機能です。この事例においては優先度が低いため誤りです。
５○　管理的機能とは、職場の組織環境を整え、よりクオリティの高い支援を提供するための機能のことです。事例においては、医師からのクレームへの対応が優先されます。

1×　事例ではソーシャルワーカーの能力開発をはかる場面ではありません。
2○　Aソーシャルワーカーが内省し、冷静に対処できるように必要な助言や指導を行います。
3×　媒介的機能は、スーパービジョンにおいてではなく、利用者に対して援助者のもつ機能のひとつです。
4×　支持的機能はスーパービジョンの一機能であるが、この場面では優先度が低いです。
5○　クレームに対して、他の関係者の理解を得たり、現状改善をはかるなど、クライエントの利益を第一に考えた対応が求められています。

1、不適切です。開発的機能とは岡村重夫が提唱した５つの機能の一つです。内容としては対象者が社会関係能力条件を開発するために発揮される機能とされています。本事例においては適切な内容とは言えません。

2、適切な内容です。教育的機能とはスーパーバイザーが持つ知識や技術を伝え、経験が少ないスーパーバイジーの成長を促すための機能となります。
本事例においてはAソーシャルワーカーが同じチームとして連携し支援する必要のあるチームメンバーに対して感情的に批判しており、冷静な支援が行えない状態に陥っていると言えます。バイステックの７原則等などを用い、Aソーシャルワーカーの教育を行う必要があると考えられます

3、不適切です。媒介的機能はケースワークにおける生活モデルの中で取り上げられた機能の一つです。内容はクライエントの権利要求を積極的に発見し、それを満たすために必要な社会資源に結びつけて問題解決を図るアプローチです。本事例には適しません。

4、不適切です。支持的機能はスーパービジョンにおける機能の一つであり、スーパーバイジーの不満を解消し、バーンアウトを防ぐ事に繋げたり、自己覚知を促し成長に繋げる事などが目的とされています。本事例においての問題点は、「医療スタッフと激しく対立したままカンファレンスを終えている事」と「医療スタッフを感情的に批判しており、主治医からはクレームをもらっている事」の２点と考えられます。本事例の中では優先度が低い機能と言えます。

5、適切な内容です。管理的機能とは、スーパーバイジーが組織の一員として力を発揮できるよう、人や環境などを整える事を指します。本事例においてAソーシャルワーカーは医療スタッフと連携を図る事が困難な関係性になっている事が読み取れます。スーパーバイザーはその関係性を調整し、Aソーシャルワーカーが他の医療スタッフと連携を図れるようにする必要があります。