社会福祉士の過去問
第28回(平成27年度)
現代社会と福祉 問22
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問題
社会福祉士試験 第28回(平成27年度) 現代社会と福祉 問22 (訂正依頼・報告はこちら)
エスピン−アンデルセン(Esping-Andersen,G.)の「レジーム」理論に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。
- 福祉国家は、社会的階層化のパターン形成に重要な役割を演じる。
- 脱商品化とは、労働者が労働能力を喪失することである。
- 脱家族化とは、単身世帯の増加のことである。
- 福祉レジーム概念は、福祉国家の否定から生まれた。
- 雇用・労働市場は、福祉レジームの在り方に影響しない。
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この過去問の解説 (3件)
01
エスピン-アンデルセンは、脱商品化と社会的階層化の指標を用いて、福祉国家を3つのレジームに類型化しました。
1.エスピン-アンデルセンは、福祉国家が社会的階層化のパターン形成に重要な役割を演じるとしました。
2.脱商品化とは、労働者が労働能力を喪失することではなく、労働が商品化されないように、必要な時に仕事や所得を失うことなく労働から離脱できるかどうかを表したものです。
3.脱家族化とは、単身世帯かどうかに関わらず、家族に頼らず生活できるかどうかを表したものです。
4.福祉レジームの概念は福祉国家を分類したもので、福祉国家を否定したものではありません。
5.福祉レジームの在り方によって、給与格差や完全雇用などの考え方が異なるため、雇用・労働市場は異なる影響を受けます。
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02
アンデルセンの「レジーム論」は、福祉国家が多様化し新たな概念として、福祉レジーム論と提起したもので、社会保障政策の特徴を政治や経済レジームとの関連とで研究をしました。
それは、脱商品化と階層化という指標を用いて集団化し、自由主義的福祉国家、保守主義的福祉国家、社会民主主義的福祉国家に分類しました。
1、階層化とは、政策において、生活保障のために社会階層や職種に応じた給付が行われ、階層が固定されるという側面があります。
2、脱商品化とは、病気やけがなどによって『労働力を商品化』できなくなっても、社会保障制度によって生活していかれるかどうかを表す指標のことです。
3、脱家族化とは、制度によって育児や介護をどの程度減らせるかを指します。
4、レジーム論は、福祉国家の発展型であることから、福祉国家を否定しません。
5、福祉レジーム論は、政治・経済に関連するものとして提唱されたものです。
以上のことから、正解は1です。
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03
2× 脱商品化とは労働市場への参加の有無に関係なく、社会的一定水準の生活維持をどれだけできるかを示すもので、社会保障の充実と関連します。
3× 脱家族化とは、家族に担う福祉負担の軽減度合いを示す指標です。
4× 福祉レジームは比較研究と類型から発生しました。
5× 福祉レジームにも雇用・労働市場は影響を及ぼします。
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