社会福祉士の過去問
第28回(平成27年度)
現代社会と福祉 問23
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問題
社会福祉士試験 第28回(平成27年度) 現代社会と福祉 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
ロールズ(Rawls,J.)が『正義論』で主張した格差原理に関する記述として、適切なものを1つ選びなさい。
- 機会の平等が保障されれば、自由市場経済による資源配分は、正義にかなう。
- 個人の満足の総和を社会全体で最大化させるような資源配分は、正義にかなう。
- 消費税は資源配分を歪めないため、正義にかなう。
- 最も恵まれない人が有利となるような資源配分は、正義にかなう。
- 公共財の提供に政府が介入することは、正義にかなう。
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この過去問の解説 (3件)
01
ロールズが主張した格差原理は、最も不遇な人々の期待を最大限に高めることを目的としています。平等に扱うことではありません。
1.機会の平等は目的とされていないので、適切とはいえません。
2.個人の満足の総和は、最も不遇な人々の期待が反映されているとは限らないので、適切とはいえません。
3.消費税は消費者から平等に税を取るという考え方ですので、適切とはいえません。
4.最も恵まれない人が有利となるような資源配分は、最も不遇な人々の期待を最大限に高めるといえますので、適切といえます。
5.最も不遇な人々が利用しづらい公共財も存在するため、公共財の提供に政府が介入するという表現だけでは適切とはいえません。
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02
以下に解説します。
✖ ロールズの正義の原理は、社会的基本財を平等かつ公正に配分することです。
✖ 設問は功利主義の主張です。
✖ 消費税は社会的弱者にも平等に課税されるため正義にかなうとはいえません。
〇 平等な自由原理と公正な機会均等原理が正義の原理であり、「最も恵まれない不幸な人々の利益の最大化に配慮しなければならない」という条件を満たすものでなければならないとされています。
✖ 政府が介入しても不平等配分は想定され、必ずしも正義にかなうとはいえません。
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03
ロールズ(Rawls,J.)が『正義論』で主張した格差原理とは、弱者に対しての利益を最大化する方法を指します。
今回は「格差原理」と「効率性原理」を区別して考えるといいでしょう。
1× 自由市場経済による資源配分は「効率性原理」に当たります。
2× 個人の満足の総和を社会全体で最大化させるような資源配分は「効率性原理」です。
3× 消費税は社会的な弱者にも課される税であるため、格差原理には当てはまりません。
4〇 正しいです。
5× 公共財に政府が介入すると、対価を支払えない弱者を排除することになるので、間違いです。
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