社会福祉士の過去問
第29回(平成28年度)
社会理論と社会システム 問19

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問題

社会福祉士試験 第29回(平成28年度) 社会理論と社会システム 問19 (訂正依頼・報告はこちら)

社会理論における行為に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 行為とは、行為者自身にとってどのような意味を持つかとは無関係に、他者から観察可能な振る舞いを意味する。
  • 伝統的行為とは、行為対象に対して直接の感情や気分によって行われる振る舞いを意味する。
  • 価値合理的行為とは、過去の経験に基づき諸個人の内に身についた知覚・思考・実践行動を生み出す性向を意味する。
  • コミュニケーション的行為とは、他者の選択を計算に入れながら、あるいは他者の選択に影響を与えることによって、自己の目的の実現を目指すものを意味する。
  • 行為の意図せざる結果とは、ある意図によって行われた行為自体が、思わぬ影響をもたらすことを意味する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。

1.行為とは、行為者自身にとってどのような意味を持つかも関係があります。

2.伝統的行為とは、過去の経験に基づく行為です。行為対象に対して直接の感情や気分によって行われる振る舞いは、感情的行為です。

3.価値合理的行為とは、独自の価値に基づいた信仰による行為です。過去の経験に基づく行為は伝統的行為です。

4.コミュニケーション的行為とは、自己と他者の間で言語を介して相互了解を目指して行われる行為です。自己の目的の実現のみを目指す行為は、目的合理的行為です。

5.行為の意図せざる結果とは、ある意図によって行われた行為自体が、思わぬ影響をもたらすことを意味します。

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02

1.誤り。行為と言えば、マックスヴェーバーが思い出されると思います。「社会的行為は人間の行動の中でも、行為者によって主観的な意味を結びつける」とヴェーバーは述べています。

2.誤り。伝統的行為は習慣の事を指します。設問の説明は情動的行為(感情・喜怒哀楽に突き動かされてしまう行為)です。

3.誤り。価値合理的行為とは特定の芸術・宗教などを意識的に信じることにより生じる行為のことです。

4.誤り。コミュニケーション的行為と言えばハーバーマスです。
ハーバーマスはコミュニケーション的行為を「対話による合意内容によって変更する用意をもって他者と関わる行為」と述べています。

5.正しい。行為の意図せざる結果はマートンは機能分析です。
機能分析は「顕在的機能」「潜在的機能」「順機能」「逆機能」があります。意図せざる結果は、字の如く、思わぬ影響をもたらす事を意味します。

以上により、選択肢5が正解となります。

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03

1× ヴェーバーなどの社会理論における行為では、行為者にとっての主観的意味が重視されています。
2× 設問は感情的行為の説明であり、伝統的行為は慣習や伝統にしたがう行為のことです。
3× 設問はブルデューの提唱したハビトゥスの説明です。価値合理的行為とは行為自体の価値を確信しての行為のことです。
4× ハーバーマスのコミュニケーション的行為とは他者との了解や合意を志向する行為です。
5〇 マートンが提唱した「行為の意図せざる結果」の説明で、逆機能の概念とも関連します。

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