社会福祉士の過去問
第29回(平成28年度)
地域福祉の理論と方法 問33

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問題

社会福祉士試験 第29回(平成28年度) 地域福祉の理論と方法 問33 (訂正依頼・報告はこちら)

イギリスの各種の報告書における地域福祉に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • シーボーム報告(1968年)は、社会サービスにおけるボランティアの役割は、専門家にできない新しい社会サービスを開発することにあることを強調した。
  • エイブス報告(1969年)は、地方自治体がソーシャルワークに関連した部門を統合すべきであることを勧告した。
  • ウォルフェンデン報告(1978年)は、地方自治体の役割について、サービス供給を重視した。
  • バークレイ報告(1982年)は、コミュニティを基盤としたカウンセリングと社会的ケア計画を統合した実践であるコミュニティソーシャルワークを提唱した。
  • グリフィス報告(1988年)は、コミュニティケアの基礎となるナショナル・ミニマムの概念を提唱した。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

1.社会サービスにおけるボランティアの役割が、専門家にできない新しい社会サービスを開発することにあることを強調したのは、エイブス報告です。

2.地方自治体がソーシャルワークに関連した部門を統合すべきであることを勧告したのは、シーボーム報告です。

3.ウォルフェンデン報告では、多様なサービス供給を重視する福祉多元主義をとりました。

4.バークレイ報告は、コミュニティを基盤としたカウンセリングと社会的ケア計画を統合した実践であるコミュニティソーシャルワークを提唱しました。

5.グリフィス報告は、「国民保健サービスとコミュニティケア法」の基礎となりました。ナショナル・ミニマムの概念はウェッブ夫妻により提唱され、ベヴァリッジ報告に用いられました。

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02

1× 設問の内容はエイブス報告のものです。ただし、シーボーム報告と「公私協働」という点で共通しています。
2× 設問はシーボーム報告の内容です。自治体のソーシャルワーク関連部門を統合することを勧告するとともにコミュニティソーシャルワークについても組織化を提案しました。
3× 設問はグリフィス報告の内容です。コミュニティケア権限の地方自治体への移行や市場原理の導入などが提案されました。
4○ 設問はバークレイ報告のうち多数派の「コミュニティ基盤のカウンセリングと社会的ケア計画」のについてであり、これとは別に少数派の報告も提案されています。
5× 設問はベヴァリッジ報告の内容で、ウェッブによる「ナショナルミニマム」の概念が継承されました。

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03

○○報告は数えただけでも「エイブズ・シーボーム・ウォルフェンデン・バークレイ・グリフィス」など沢山出てきます。
特にシーボーム報告は過去にも沢山出題されていますので、要注意です。

1.誤り。説明文はエイブズ報告の内容です。
シーボーム報告は1968年イギリス Fシーボームを中心に行われたものです。

2.誤り。説明文はシーボーム報告の内容です。エイブズ報告は1969年社会サービスにおけるボランティアの役割について、調査検討した報告のことです。

3.誤り。ウォルフェンデン報告は福祉多元主義についての報告です。民間組織の将来のあり方について、検討されています。

4.正しい。バークレイ報告はソーシャルワーカーの役割と任務について、再検討を行った報告です。

5.誤り。グリフィス報告はコミュニティケアのあり方についての報告です。
コミュニティケアについて、地方自治体が責任をもつ等が書かれています。

以上により、選択肢4が正解となります。

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