社会福祉士の過去問
第29回(平成28年度)
権利擁護と成年後見制度 問79
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問題
社会福祉士試験 第29回(平成28年度) 権利擁護と成年後見制度 問79 (訂正依頼・報告はこちら)
次のうち、日常生活自立支援事業における日常的金銭管理の根拠を民法上の典型契約に求める場合、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 寄託契約
- 委任契約
- 請負契約
- 雇用契約
- 消費貸借契約
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この過去問の解説 (4件)
01
2○ 委任契約は一定の法律行為をすることを委託する契約であり、日常的金銭管理はこれに該当します。
3× 請負契約は仕事の完成を目的とする契約であり、不適切です。
4× 雇用契約は、労働に従事するための契約であり、日常的金銭管理の利用者との関係には不適切です。
5× 消費者賃借契約は金銭などの貸し借りを目的とする契約であり、不適切です。
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02
1.寄託契約とは、物を預かって保管する契約です。日常的金銭管理は金銭を預かって保管することが目的ではなく、適切に金銭を使用できるように管理することが目的のため、適切な契約方式とはいえません。
2.委任契約とは、法律行為や事務処理を代わりに任せる契約で、成果を問わないものです。日常的金銭管理は金銭管理を本人に代わって任せるものですので、最も適切な契約方式といえます。
3.請負契約とは、仕事の成果に対して報酬を支払う契約です。日常的金銭管理は、事前に成果物を定義して依頼するものではないため、最も適切な契約方式とはいえません。
4.雇用契約とは、労働に対して報酬を与える契約です。日常的金銭管理は、利用者との間に雇用関係は生まれないため、適切な契約方式とはいえません。
5.消費貸借契約とは、物を貸し借りし、返却時に借りたものを同等のものを返す契約です。日常的金銭管理は貸し借りが発生するものではないため、適切な契約方式ではありません。
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03
日常的金銭管理とは、福祉サービスの利用に関する援助、福祉サービスの利用に関する苦情解決制度の利用援助又は福祉サービスの適切な利用のための一連の援助に伴う預金の払い戻し、預金の解約、預金の預け入れの手続きなど利用者の日常生活費を管理することです。
この事業の利用は、利用者と事業実施者との委任契約により実施されるので、2が正解となります。
1.×
寄託契約とは、当事者の一方が相手方のために保管することを約して、ある物を受取ることにより成立する契約のことです。日常金銭管理とは、上記にもあるように、日常生活費を保管するのではなく管理することです。
2.○
委任契約とは、当事者の一方が相手方に対して法律行為の処理を委託し、相手方がこれを承諾することによって成立する契約のことです。
3.×
請負契約とは、当事者の一方(請負人)が相手方に対し仕事の完成を約し、他方(注文者)がこの仕事の完成に対する報酬を支払うことを約することを内容とする契約のことです。日常的金銭管理は、仕事の完成を約束するものではありません。
4.×
雇用契約とは、当事者の一方(労働者)が労働に従事し、相手方(使用者)がこれに対してその報酬を支払う契約のことです。利用者と事業実施者との間に雇用契約を結ぶことはありません。
5.×
消費貸借契約とは、当事者の一方(借主)が相手方(借主)から金銭その他の貸借性のある物を受取り、これと同種、同等、同量の物を返還する契約のことです。日常的金銭管理では、利用者と事業実施者との間に貸し借りは発生しません。
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04
典型契約とは有名契約とも呼ばれ、民法その他の法律に規定されている契約のことを指します。民法では、贈与・売買・交換・消費賃貸・使用賃貸・雇用・請負・委任・寄託・組合・終身定期金・和解の13種類が規定されています。
1.誤答
寄託契約とは、受寄者と寄託者との保管契約です。
2.正答
委任契約 とは業務委託契約の一つです。仕事の完成にかかわらず業務を行うことで報酬が受けることができるという契約です。
3.誤答
請負契約は、委任契約同様の業務委託契約の一つですが、請負者は仕事を完成し納品することを約束として、発注者はその仕事に対する報酬を支払うという契約です。
4.誤答
雇用契約は雇用主と従業員が労務内容について契約する労働契約のことです。
5.誤答
消費貸借契約とは、借主が種類、品質、数量の物をもって返還することを約束して貸主から金銭その他のものを受け取るといった契約のことです。
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