社会福祉士の過去問
第30回(平成29年度)
社会理論と社会システム 問16
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問題
社会福祉士試験 第30回(平成29年度) 社会理論と社会システム 問16 (訂正依頼・報告はこちら)
2012年( 平成24年 )以降の日本の労働市場等に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 完全失業率は5%台で推移している。
- 有効求人倍率でみた労働の需要と供給は、均衡的に推移している。
- 男女とも非正規雇用労働者数が増加している。
- 同一労働同一賃金の原則が適用されている。
- 男女間の賃金格差は大きくなっている。
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この過去問の解説 (4件)
01
1.労働力調査(基本集計 2017年速報)によると、2017年の完全失業率は2.8%で、2010年の5.1%から一貫して減少しています。
2.厚生労働省の一般職業紹介状況によると、平成29年平均の有効求人倍率は1.50倍で、労働の需要が供給を上回る状況が続いています。
3.労働力調査(詳細集計 2017年速報)によると、2012年から2016年までは男女とも非正規雇用労働者数が増加しています。2017年は男性の非正規雇用労働者数が減少しているため注意してください。平成29年度第30回試験時点では2016年の数値が最新のため、この選択肢が正答となります。
4.同一労働同一賃金の原則は、平成29年度第30回試験時点では適用されていません。今後の制度の動向に注意してください。
5.平成28年賃金構造基本統計調査によると、男女間の賃金格差は小さくなってきています。
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02
2.厚生労働省が発表した2017年平均有効求人倍率は1.50倍で、労働の需要が供給を上回る状況となっています。
原因としては、景気回復により企業の採用意欲が旺盛になっていること、人口減少により、働き手が不足していることなどがあげられます。
3.2012年度から2016年度までの非正規雇用者の数は男女ともに増加していますが、2017年度の非正規雇用者の数は、女性は増加していますが、男性は減少しています。今後の変動に注意してください。
4. 同一労働同一賃金の原則は、大企業が2020年4月から、中小企業は2021年4月から適用されます。平成29年度第30回試験当時は適用されていませんので、ご注意ください。
5.厚生労働省発表の平成28年「賃金構造基本統計調査」によると、男女間の賃金格差は少なくなってきています。
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03
1.誤答
完全失業率は、2012(平成24年)時点で4.5%となり、その後、低下し2013(平成25年)には3.9%と3%台となっています。その後、2017(平成29年)では、2%台に入り2017年2.8%、2018年2.4%、2019年2.4%です。
2.誤答
有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合で雇用動向を示す重要指標のひとつです。倍率が「1」の場合は求人数と求職者と均衡がとれている状態です。
2012年(平成24年)では有効求人倍率は0.78、2013年(平成25年)で0.8台と有効求人数が有効休職者よりも多い「買い手市場」となっています。しかし、2014年(平成26年)からは、有効求人倍率1を超え、2017年(平成29年)で1.5の「売り手市場」となり増えています。
3.正答
2012年(平成24年)の男女の非正規雇用労働者数は、男性566万人、女性1247万人であったが、毎年増加し、2017年(平成29年)男性647万人、女性1389万人、2019年(令和元年)男性691万人、女性1475万人と男女とも非正規雇用労働者数は増加しています。
4.誤答
同一労働同一賃金の原則とは、「働き方改革」のひとつの考え方で、正社員と非正社員の職務内容が同じであれば同一の賃金を支給するというものです。しかし、現在では、同一労働同一賃金の原則が適用されてるとは言えません。
5.誤答
男女間の賃金格差は小さくなっています。
賃金構造基本統計調査の概況による男女間賃金格差(男性の平均賃金を100とした場合の女性平均賃金の比較)は、2012年(平成24年)では、70.9%、2014年平成26年72.2%、2016年(平成28年)73.0%、2018年(平成30年)73.3%、2019年(令和元年)74.3%と男女間の格差は小さくなってきています。
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04
2012年以降、非正規雇用労働者数は男女ともに増加しています。ただし、非正規雇用者のおよそ7割は女性となっています。
その他の選択肢については、以下のとおりです。
1.総務省統計局の労働力調査によると、リーマンショックの影響を受け、2009年には5.5%にのぼった完全失業率。2011年以降は5%を上回ることはなく、2017年6月以降は2%台に落ち着いています。
2.内閣府は “労働需要のタイト化” を問題視しており、需要不足に伴う失業は減少傾向にある一方で、「企業と求職者のミスマッチ」「特定の職種における人手不足」などが全国的に拡大しているとしています。
4.性別や雇用形態、人種や国籍などに関係なく、同じ仕事に従事する労働者は、みな同一賃金が支払われるべきとする『同一労働同一賃金の原則』。大企業を始め実現に向けた動きもありますが、正社員と契約社員の給与差などはいまだ多く見られます。
5.女性の賃金は増加を続けており、2016年には女性の賃金が男性のおよそ73%に。賃金格差は縮まっています。
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