社会福祉士の過去問
第30回(平成29年度)
社会理論と社会システム 問17
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
社会福祉士試験 第30回(平成29年度) 社会理論と社会システム 問17 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述のうち、ウェルマン( Wellman, B. )の「コミュニティ解放論」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 特定の関心に基づくアソシエーションが、コミュニティを基盤として多様に展開している。
- 都市化の進展によってコミュニティは喪失若しくは解体されている。
- 都市化が進展しても、近隣を単位としたコミュニティは存続している。
- 交通通信手段の発達によって、コミュニティは地域という空間に限定されない形で新しく展開している。
- コミュニティが、地域での自立生活を可能にする対人サービスを提供するようになっている。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (4件)
01
ウェルマンは、都市化が進んでも決してコミュニティがなくなることはなく、違う形で存続すると主張。「交通通信手段の発達」「親族や職場などのネットワークの空間的拡大」「社会移動や居住移動の割合の増加」などにより、コミュニティは空間的な制約から解放されるとしました。
その他の選択肢については、以下のとおりです。
1.マッキーバーの類型に関する説明です。マッキーバーは社会集団を、特定の関心に基づいて共通の目的に向かう『アソシエーション』と、一定の地域や類似性による『コミュニティ』に分類しました。
2.コミュニティ衰退論の説明です。コミュニティ解放論では、都市化が進んでもコミュニティは存続すると定義しています。
3.コミュニティ解放論は、近隣などの空間的な制約から解放されるとしています。
5.地域包括ケアとして家族や近隣の人々が行なう、インフォーマルサービスの説明です。空間的な制約を受けないコミュニティ解放論には該当しません。
参考になった数79
この解説の修正を提案する
02
コミュニティ理論にはさまざまな考えがありますが、ウエルマンは、都市化にともない人間関係の変容に対してコミュニティは解体・喪失するのかという問いである「コミュニティ問題」についての設問です。
コミュニティ問題には「コミュニティ喪失論」「コミュニティ存続論」などの理論がありますが、ウエルマンは、「コミュニティ解放論」という3つ目の見解を示しました。
1.誤答
特定の関心に基づくアソシエーションが、コミュニティを基盤として多様に展開していると、と考えたのは「マッキーヴァー」です。
マッキーヴァーは社会集団を、特定の関心に基づいて共通の目的に向かう「アソシエーション」と、一定の地域や類似性による「コミュニティ」に分類しました。
2.誤答
都市化にも関わらず人と人との絆が喪失したと考えるのは、ワースらの「コミュニティ喪失論」です。
3.誤答
都市化でもコミュニティと呼べる全人格的で親密な人間関係が存続している、考えるのはホワイトらの「コミュニティ存続論」です。
4.正答
ウエルマンの「コミュニティ解放論」です。
ウエルマンは、「都市においてもコミュニティは存続しているが、従来とは異なりネットワークとしてのコミュニティ」という考えです。
交通・通信手段が発展し、人と人との絆が必ずしも地域空間に制約される必要はなく、人との絆は、地域空間の制約から解放され、分散的なネットワークの形をとり広域的に存在すると論じています。
5.誤答
コミュニティは多義的な概念であり、コミュティには何らかの帰属意識や連帯、相互扶助などの意識が働く集団と考え「地域での自立生活を可能にする対人サービスを提供する」こともあるが、提供するようにはなっていません。
参考になった数30
この解説の修正を提案する
03
ウェルマンはコミュニティ解放論で、交通通信手段の発達によって、コミュニティは地域という空間に限定されない形で新しく展開しているとしました。
参考になった数38
この解説の修正を提案する
04
参考になった数31
この解説の修正を提案する
前の問題(問16)へ
第30回(平成29年度)問題一覧
次の問題(問18)へ