社会福祉士の過去問
第31回(平成30年度)
現代社会と福祉 問23
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
社会福祉士試験 第31回(平成30年度) 現代社会と福祉 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
福祉社会づくりに関わる次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ポランニー(Polanyi, K.)の互酬の議論では、社会統合の一つのパターンに相互扶助関係があるとされた。
- ブルデュー(Bourdieu, P.)が論じた文化資本とは、地域社会が子育て支援に対して寄与する財のことをいう。
- ホネット(Honneth, A.)が論じた社会的承認とは、地域社会における住民による福祉団体に対する信頼と認知に関わる概念である。
- デュルケム(Durkheim, E.)が論じた有機的連帯とは、教会を中心とした共助のことをいう。
- バージェス(Burgess, E.)が論じた同心円地帯理論は、農村の村落共同体の共生空間をモデルにしている。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
選択肢の内容も難しいので、慎重に解いていきましょう。
1○ 互酬とは物品などを互いに提供し合う関係のことです。
2× 文化資本とは知識・社会的なマナー・教養など、
経済的な資源ではない、個人が持っている資本を指します。
3× ホネットは承認を(愛・法的尊重・連帯)3つに分けています。
その中で「連帯」は、個人の個性が社会的にどう役立って、
評価されているのかという「社会的価値評価」がポイントになります。
4× デュルケムの『社会分業論』で無機的連帯、有機的連帯を提唱しています。
教会を中心とした共助は「同じ考えを共有することで結びつく連帯」なので、
無機的連帯に当たります。
一方、有機的連帯は「お互いが違うから結びつく」連帯であり、
分業において大切な要素になります。
5× バージェスの同心円地帯理論は「都市」における共生空間をモデルにしています。
参考になった数116
この解説の修正を提案する
02
2.× ブルデューの文化資本とは、社会学における学術用語の一つであり、金銭によるもの以外の学歴や文化的素養などの個人的資産のことをいいます。
3.× ホネットの社会的承認とは、個人にとっては社会の成員であることを保証し、社会にとっては規範的秩序の維持を意味します。
4.× 有機的連帯とは、個性的な異質の個人が、特定の関係で結ばれる社会結合のことをいいます。
5.× 同心円地帯理論とは、都会の内部構造を説明したものです。都会の発展につれて中央商業施設を中心として、外周を高級住宅街とする五つの同心円構造を表しています。
参考になった数53
この解説の修正を提案する
03
2、不適切です。
ブルデューが論じた文化資本は「客体化された形態の文化資本(絵画や骨董等)」「制度化された形態の文化資本(学歴や免許等)」「身体化された形態の文化資本(言葉の使い方、美的センスなど)」に分けられます。
文化資本はお金以外の財産をあらわすものであるため、選択肢の内容は当てはまりません。
3、不適切です。
ホネットは承認を「愛」「法共同体」「連帯」の3つに分けて論じています。
社会的承認は地域住民と福祉団体との関係性に留まらず、より広範囲に関わる概念となっています。
4、不適切です。
デュルケムの有機的連帯とは、個々に異なる能力を有する人同士が、それぞれの得意な事を生かして活動をしていくと、分業化が進み社会が発達していくが、人同士の関係性は薄れていく事を指しています。
5、不適切です。
バージェスの同心円地帯理論は都市部における都市の成長過程をあらわしたものです。
都市の空間的パターンを5つに分け、都市の拡大の過程やそこに居住する人や社会資源の特徴などを挙げています。
参考になった数38
この解説の修正を提案する
前の問題(問22)へ
第31回(平成30年度)問題一覧
次の問題(問24)へ