社会福祉士の過去問
第32回(令和元年度)
現代社会と福祉 問25
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問題
社会福祉士試験 第32回(令和元年度) 現代社会と福祉 問25 (訂正依頼・報告はこちら)
「ベヴァリッジ報告」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 福祉サービスの供給主体を多元化し、民間非営利団体を積極的に活用するように勧告した。
- 従来の社会民主主義とも新自由主義とも異なる「第三の道」路線を選択するように勧告した。
- ソーシャルワーカーの養成・研修コースを開設して、専門性を高めるように勧告した。
- 衛生・安全、労働時間、賃金、教育で構成されるナショナル・ミニマムという考え方を示した。
- 社会保障計画は、社会保険、国民扶助、任意保険という三つの方法で構成されるという考え方を示した。
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この過去問の解説 (4件)
01
正解は『社会保障計画は、社会保険、国民扶助、任意保険という三つの方法で構成されるという考え方を示した。』です。
各選択肢の解説は以下のとおりです。
福祉多元主義を唱えたのは、ウルフェルデン報告です。
ボランティアなどの民間非営利団体と公的機関の関係性について示しています。
「第三の道」は、イギリス労働党のブレア政権が提唱した路線のこと。
ベヴァリッジ報告から半世紀以上経った、1999年に提唱されています。
設問は、1959年に発表されたヤングハズバンド報告の説明です。
国家が国民に対して保障する生活の最低水準をあらわした、ナショナル・ミニマム。
イギリスのウェッブ夫妻が1897年に『産業民主制論』で提唱しました。
べヴァリッジ報告とは、1942年に発表されたイギリスの社会保障制度にまつわる報告書のこと。
その中で社会保障計画は、社会保険、国民扶助、任意保険という3つの方法の組み合わせから成り立つとされています。
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02
正答【社会保障計画は、社会保険、国民扶助、任意保険という三つの方法で構成されるという考え方を示した。】
誤答
「ウルフェンデン報告」の説明です。
誤答
イギリスのブレア政権で下で「第三の道」路線を提唱したのは、社会学者のギデンズです。
「第三の道」とは社会民主主義と新自由主義や保守主義を止揚する第三の政治理念が、福祉国家を模索するという考えです。
誤答
ソーシャルワーカーの養成・専門性などをについて勧告したのは「ヤングハズバンド報告」です。
1959年に『地方自治保健・福祉サービスに関する調査委員会報告書』にて、ソーシャルワーカーの専門性を高めるために、養成・研修コースを開設すべきこと、ソーシャルワーカーの雇用を増加することの必要性を提言しました。
誤答
ナショナル・ミニマムという考え方を示したのは、1897年に『産業民主制論』を著したウェッブ夫妻です。
国家が国民に対して最低限度(最低水準)を保証すべきとの考えで、「最低賃金」「労働時間の上限」「衛生・安全基準」「義務教育」の4項目から貧困の予防と生存権の保障をすることで経済は発展するという考えです。
正答
1942年に出されたベヴァリッジ報告です。
ベヴァリッジ報告は、第二次世界大戦後のイギリスの社会保険の枠組みが構築され、イギリスはゆりかごから墓場までといわれる、老齢、疾病、障害、失業等をすべて包含した福祉国家体制を築き上げました。
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03
イギリスにおける社会福祉の歴史や内容を深く問われており、
難易度は高めです。
× ウルフェルデン報告の説明です。
公的機関、民間との関係を基盤とした「福祉多元主義」が特徴です。
× 「第3の道」は社会学者・ギデンズが提唱した政治社会哲学です。
1997年にブレア首相が社会民主主義とも新自由主義を超えるものとして、
この第3の道を掲げました。
× ヤングハズバンド報告(1959年)の説明です。
ソーシャルワーカーの養成・研修コース開設を
初めて求めた報告でもあります。
× ナショナル・ミニマムとは
国家が国民に保障するべき最低ラインを示したもので、
1897年に「ウェッブ夫妻」が提唱しました。
○ 正しいです。
ベヴァリッジ報告は終戦後のイギリスにおける社会保障を見直した報告です。
「ゆりかごから墓場まで」や5巨人悪(窮乏・疾病・無知・不潔・怠惰)
などで知られます。
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04
正解は「社会保障計画は、社会保険、国民扶助、任意保険という三つの方法で構成されるという考え方を示した。」です。
各選択肢については、以下の通りです。
福祉多元主義を打ち出したのは、1978年のウルフェンデン報告です。
この報告を受けて、ボランティアなどの非営利部門が福祉サービスにおいて重要だとされるようになりました。
1999年にブレア政権のもとで「第3の道」を提唱したのは、「ギデンズ」という人物です。
選択肢の説明は、1959年のヤングハズバンド報告の内容です。
この報告によって、ソーシャルワークの機能について初めて検討することとなりました。
欠乏の根絶を目指すための所得補償水準である「ナショナル・ミニマム」について初めて言及したのは、イギリスのウェッブ夫妻です。
1897年に「産業民主制論」の中で提唱しています。
このナショナル・ミニマムについてより具体的に言及したのが、設問にあるベヴァリッジ報告です。
1942年にイギリスで発表されたベヴァリッジ報告では、「窮乏」「疾病」「無知」「不潔」「怠惰」を5つの巨悪と考えています。
それらに対する国民の最低限度の生活を保障するものが、「社会保障」であるとしています。
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