社会福祉士の過去問
第32回(令和元年度)
相談援助の理論と方法 問101

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問題

社会福祉士試験 第32回(令和元年度) 相談援助の理論と方法 問101 (訂正依頼・報告はこちら)

ソーシャルワーク実践理論の基礎に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • ランク( Rank, O. )の意志療法は、利用者の過去に着目し、利用者のパーソナリティの構造や自我の働きを捉える診断主義学派の礎となった。
  • ロス( Ross, M. )のコミュニティ・オーガニゼーション説は、地域における団体間調整の方法としてのインターグループワークを提唱した。
  • ホリス( Hollis, F. )の心理社会的アプローチは、診断主義学派と機能主義学派、両アプローチの折衷アプローチであり、両学派の統合を試みた。
  • タフト( Taft, J. )ら機能主義学派は、ソーシャルワーカーが所属する機関の機能に着目し、機関におけるソーシャルワーカーの役割を重視した。
  • パールマン( Perlman, H. )の問題解決アプローチは、精神分析や自我心理学の理論を否定し、人・状況・その双方の関連性においてケースワークを捉えた。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

機能的アプローチは診断主義アプローチへの批判的視点からうまれています。
クライエント自身の意思を強調し、個別性に注目したアプローチです。

各選択肢については、以下の通りです。

1.これはリッチモンドの治療モデルの説明です。
ランクの意思療法は機能的アプローチに用いられるものだと覚えた方がいいでしょう。

2.ロス・Mはコミュニティ・オーガニゼーションについて「地域社会が団結して物事を実行する態度を養い育てる過程」としています。
すなわち「統合説」です。
ロスのコミュニティオーガニゼーション=「(地域の)統合説」と覚えましょう。

3.この説明はパールマンの問題解決アプローチについてです。
心理社会的アプローチは診断主義アプローチを継承し、精神分析の概念が取り入られています。
心理社会的アプローチといえば、ホリス・Fが提唱した、人と社会環境は「状況の中にある人」であるという考え方が有名ですので、覚えておきましょう。

5.問題解決アプローチは診断主義と機能主義の折衷派だと覚えましょう。

参考になった数111

02

1、不適切です。
ランクは利用者の過去ではなく現在に着目し、利用者の主体性を引き出す事を重要視していました。
また、ランクは診断主義学派ではなく、機能主義学派から影響を受けています。

2、不適切です。
ロスのコミュニティ・オーガニゼーション論は、住民が主体的に地域の問題解決に取り組み、地域自身が組織化していく事が大切であるという事を説いています。インターグループワーク説を提唱したのはニューステッターです。

3、不適切です。
ホリスの心理社会的アプローチは診断主義学派の考えから発展していったものになります。
このアプローチはフロイトの影響も強く受けており、診断主義学派に寄った考え方と言えます。折衷アプローチではありません。

4、適切な内容です。

5、不適切です。
パールマンは機能主義学派と診断主義学派の考えの統合を試み、問題解決アプローチを提唱しました。
精神分析や自我心理学の理論もその中に取り入れており、否定していません。

参考になった数46

03

正解は4です。

機能主義学派は、利用者のニーズを、ソーシャルワーカーの所属する機関の機能・役割を活用して解決することに焦点を当てました。

各選択肢については以下の通りです。

1. 意志療法は、利用者の主体的な意志をもとに、機関の機能を活用して問題解決をする療法です。
診断主義学派の批判として生まれました。

2. コミュニティ・オーガニゼーション説とは、地域社会が協力し、住民主体で福祉活動を行っていくことを唱えたものです。
地域における団体間調整の方法として、インターグループワーク説を提唱したのは、ニューステッターです。

3. 心理社会的アプローチは、診断主義学派の概念を継承しており、機能主義学派の概念を取り入れていません。
この選択肢は、問題解決アプローチの説明です。

5. 問題解決アプローチは、診断主義学派と機能的学派の統合を目指しました。そのため、診断主義学派が取り入れた精神分析の理論を否定していません。
この選択肢は、機能的アプローチの説明です。

参考になった数36