社会福祉士の過去問
第33回(令和2年度)
相談援助の基盤と専門職 問95

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問題

社会福祉士試験 第33回(令和2年度) 相談援助の基盤と専門職 問95 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、Z母子生活支援施設のL母子支援員(社会福祉士)の対応として、適切なものを2つ選びなさい。

〔事例〕
Mさん( 28歳)は夫のDVに耐え切れず、近所の人に勧められて福祉事務所に相談し、Aちゃん( 7歳、女児)を連れてZ母子生活支援施設に入所した。Mさんには軽度の知的障害があり、療育手帳を所持している。入所後1か月が経過したが、Mさんは自室に閉じ籠もっていることが多い。また、他の入所者の部屋の音のことでトラブルとなったこともある。Aちゃんは精神的に不安定で学校を休みがちである。ある日、Mさんは、「ここに居ても落ち着かないので、Aちゃんを連れて施設を出たい」とL母子支援員に訴えてきた。
  • Mさんの気持ちを受け止めた上で、これからの生活に対する希望を聴く。
  • 母子分離を図るため、Aちゃんを児童相談所へ送致する。
  • Mさんには退所に関する意思決定は困難であると判断する。
  • 退所の申出の背景にある施設での生活環境を探る。
  • すぐに福祉事務所に退所についての判断を仰ぐ。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は事例問題です。

MさんとAちゃんが置かれている状況を整理し、設問を読んでどのようにすればよりよい生活が送れるのかを鑑みて回答しましょう。

1→〇 問題文の通り、傾聴する姿勢は相談員として重要なスキルとなります。

2→✕ 母子分離を図るのはMさんが希望していない為誤答となります。

3→✕ 退所に関する意思決定は困難だと判断するのは現時点では出来ないので誤答となります。

4→〇 問題文の通り、退所の申出の背景にある施設での生活環境を探る事で問題の本質を理解する事が出来ます。

5→✕ すぐに福祉事務所に退所についての判断を仰ぐのではなく、本人の意向を聞き取りつつ状況を把握する事が先決となります

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02

正解は1・4です。

1→相談援助の基本として、Mさん本人の話を聞くことが必要です。

4→事例内容にあるように、Mさんは自室に閉じこもることが多い、他の入居者の部屋の音のことでのトラブルなどがあるため施設の環境についても課題として考える必要があります。

各選択肢については以下のとおりです。

2→母子分離をするほどの緊急性は事例からはみえないため適切ではありません。

3→基本的に意思決定は本人にしてもらう必要があるので誤りです。

5→福祉事務所に対処についての判断を仰ぐ前に、まずMさん本人に話を聞くのが適切です。

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03

1、適切な対応です。「施設を退所したい」というMさんの意思を受け止め、今後の生活に対する希望や退所を希望するに至った気持ちなどを聞き取る事が必要と考えられます。

2、不適切です。血のつながりを持つ親子が一緒に生活する事が望ましい事は、児童福祉法にも明記されています。児童の生命及び身体に危害が加えられる危険性が著しく高い場合に、親子分離を図る事もありますが、事例ではそのような事実は見られておらず、適切な対応とは言えません。

3、不適切です。Mさんは軽度の知的障害がありますが、夫のDVから逃げるために近所から情報を得て相談をする事が出来ています。日常生活の意思決定が全くできない状態ではないため、退所の意思決定が困難とは言えません。

4、適切な内容です。Mさんが他の入所者と部屋の音の事でトラブルとなっている事や、Aちゃんが学校を休みがちである事などが事例内で挙げられており、退所を希望する一つの要因となっている可能性が考えられます。その他にも原因がないか探っていく必要があります。

5、不適切です。現時点でのMさんの今後の生活に対する意向が全く見えていません。Mさんの気持ちを聞き取り、施設の退所について慎重に検討する必要があると考えられます。

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