社会福祉士の過去問
第33回(令和2年度)
相談援助の理論と方法 問98
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問題
社会福祉士試験 第33回(令和2年度) 相談援助の理論と方法 問98 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述のうち、人と環境との関係に関するソーシャルワーク理論として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- リッチモンド( Richmond, M.)は、「人」、「状況」、「人と状況の相互作用」の三重の相互関連性を説いた。
- ピンカス( Pincus, A.)とミナハン( Minahan, A.)は、生態学的視座に立ち、人が環境の中で生活し、社会的にも機能していると説いた。
- ホリス( Hollis, F.)は、パーソナリティの変容を目指し、人と環境との間を個別に意識的に調整すると説いた。
- バートレット( Bartlett, H.)は、人々が試みる対処と環境からの要求との交換や均衡を、社会生活機能という概念で説いた。
- ジャーメイン( Germain, C.)は、クライエントの環境は、アクション・システムなど、複数のシステムから構成されると説いた。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は4です。
バートレットは、ソーシャルワークの実践において「価値」「知識」「介入」の3つを不可欠要素としてこの均衡が保たれることによりケースワークは機能を発揮できるとしました。
各選択肢については以下のとおりです。
1→リッチモンドは、ケースワークについて分析し「ソーシャル・ケースワークとは人間と社会環境的との間に、個別的に、効果を意識して行う調整によって、その人間の人格発達させる諸過程からなる」と定義しました。
2→ピンカスとミナハンは、ソーシャルワークを一つのシステムと捉え、その中で4つのシステムに分類し、それぞれが相互作用し福祉援助がされるという考え方です。4つのシステムは、クライエント、ワーカー(援助者、施設など)、ターゲット(問題化解決のために影響を与える標的となる人や組織、アクション(問題解決のために用いられる資源や人々)です。
3→ホリスは「状況の中の人」という視点を元に、ケースワークを個人と環境の両方の相互関係とする捉え方をしています。
5→ジャーメインは、ギッターマンと共に生活モデルを提唱しました。生活モデルは人と環境の関係や利用者の生活実態に合わせたモデルで、生態学の概念を用いておりエコロジカルモデルとも呼ばれています。
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02
この問題は人と環境との関係に関するソーシャルワーク理論について、その詳細を問われます。
1→✕ リッチモンドは、「ソーシャル・ケースワークとは人間と社会環境的との間に、個別的に効果を意識して行う調整によって、その人間の人格発達させる諸過程からなる」という「ソーシャルワークとは何か」を定義しました。
2→✕ ピンカスとミナハンは、ソーシャルワークを一つのシステムと捉え、その中で4つのシステムに分類してそれぞれが相互作用し福祉援助がされるという考え方を提唱しました。
3→✕ ホリスは「状況の中の人」という視点からケースワークを人と環境の相互関係とする捉え方を提唱しています。
4→〇 問題文の通り、バートレットは人々が試みる対処と環境からの要求との交換や均衡を、社会生活機能という概念で説きました。
5→✕ ジャーメインはギッターマンと共に生活モデルを提唱し、人と環境の関係や利用者の生活実態に合わせたエコロジカルモデルを説きました。
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03
1、不適切です。選択肢の内容は、ホリスのシステム論の説明となっています。
2、不適切です。選択肢の内容は、ジャーメインのエコロジカルアプローチの説明となっています。
3、不適切です。選択肢の内容を提唱したのは、ホリスではなくリッチモンドです。
4、適切な内容です。
5、不適切です。選択肢の内容は、ピンカスとミナハンが提唱した、4つのシステムモデルの説明となっています。
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