社会福祉士の過去問
第33回(令和2年度)
相談援助の理論と方法 問102
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問題
社会福祉士試験 第33回(令和2年度) 相談援助の理論と方法 問102 (訂正依頼・報告はこちら)
事例を読んで、N市の地域包括支援センターのJ社会福祉士の初回面接の対応に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
J社会福祉士は、初めて地域包括支援センターに来所したKさん( 66歳、女性)の相談を受けた。「娘が結婚して家を出て以来、夫と二人で暮らしてきました。1年前に夫が定年で退職した頃から、夫が塞ぎ込み不眠にも悩まされるようになりました。V病院を受診していますが、一向に良くなりません。私にささいなことで怒鳴ることがあり、どうしたらいいか分かりません」と不安そうに話した。
〔事例〕
J社会福祉士は、初めて地域包括支援センターに来所したKさん( 66歳、女性)の相談を受けた。「娘が結婚して家を出て以来、夫と二人で暮らしてきました。1年前に夫が定年で退職した頃から、夫が塞ぎ込み不眠にも悩まされるようになりました。V病院を受診していますが、一向に良くなりません。私にささいなことで怒鳴ることがあり、どうしたらいいか分かりません」と不安そうに話した。
- 夫婦間の問題であるため、配偶者暴力相談支援センターに相談するよう伝える。
- 夫の不眠の症状を改善させる方法をアドバイスする。
- Kさんが問題や不安を落ち着いて語れるように心掛ける。
- V病院にKさんの夫の医療情報を照会する。
- Kさんに対して地域包括支援センターの役割について説明する。
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この過去問の解説 (3件)
01
1、配偶者暴力相談支援センターは、夫婦間における暴力の防止や、暴力の被害者の保護を目的とした機関です。Kさんの主訴からはそれらの悩みは聞かれておらず、配偶者暴力相談支援センターを紹介する事は適切な支援とは言えません。
2、Kさんの夫は既にV病院を受診しており、治療を受けている状態です。現時点でどのような治療をどの程度の期間受けているかは分からず、その治療に効果が出ているかどうかも判断することはできません。J社会福祉士が行ったアドバイスがKさんの夫の病状を悪化させてしまう可能性もあるため、適切な支援とは言えません。Kさんの夫が塞ぎこんでいる様子もあると本事例には記載されているため、その内容を確認し支援させて頂く事が求められます。
3、適切な内容です。Kさんは夫が定年で退職した後から変化した様子に戸惑いや不安を感じています。Kさんに落ち着いて話をしてもらえるような雰囲気づくりや聞き方などに注意し、Kさんから情報収集を行う事が必要です。
4、不適切です。Kさんの夫の同意なく勝手にV病院へ医療情報を照会する事は出来ません。
5、適切な内容です。Kさんは初めて包括支援センターに来所しており、その役割を理解できていない可能性も考えられます。Kさんの主訴の内容によっては他機関を紹介する事も包括支援センターの役割となるため、「たらいまわしにされた」「勝手に他機関に情報を漏らされた」などと誤解されないためにも、初回で地域包括支援センターの役割とJ社会福祉士の担う役割について説明する事が必要であると考えられます。
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02
正解は3・5です。
3→Kさんに落ち着いて話をしてもらえるようにすることで、今の現状や課題を適切に把握することができます。
5→初回で地域包括支援センターの役割について説明を行うことが適切です。
各選択肢については以下のとおりです。
1→配偶者暴力相談支援センターは、配偶者からの暴力の防止や被害者の保護を目的とした機関であり、事例のKさんの相談内容とは異なるため、適切ではありません。
2→事例内で、現在Kさんの夫はV病院を受診しているとあり、ここでJ社会福祉士が不眠のアドバイスを行うことで、治療の妨げとなったり症状の悪化をもたらす危険性もあり適切ではありません。
4→患者であるKさんの夫本人の同意なくV病院へ医療情報を照会することはできません。
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03
正解は3・5です。
1.まずは、相談者の話を聞き、気持ちを受け止めつつ、一緒に考える姿勢を示すことが大切です。地域包括支援センターで対応できる問題なのか、詳細を確認して検討する必要があります。
2.相談者の主訴は、夫への対応に苦慮している、現状をどうにかしたいということであり、夫の不眠の解決ではありません。また、夫は不眠症の治療を病院で行っているため、安易なアドバイスは適切ではありません。
3.相談者が問題や不安を安心して語ることができるようにすることで、問題や課題、置かれている状況等を的確に把握することができます。
4.医療情報は個人情報であり、本人の同意なく紹介することは不適切です。
5.初回面接で、当該施設の役割を説明することは適切です。
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