社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
現代社会と福祉 問8

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問題

社会福祉士試験 第35回(令和4年度) 現代社会と福祉 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

日本における人口の動向に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
(注1)「『日本の将来推計人口』における中位推計」とは、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」における、出生中位(死亡中位)の推計値を指す。
(注2)「2021年の人口推計」とは、総務省「人口推計2021年(令和3年)10月1日現在」における推計値を指す。
  • 第二次世界大戦後、1940年代後半、1970年代前半、2000年代後半の3回のベビーブームを経験した。
  • 15~64歳の生産年齢人口は、高度経済成長期から1990年代後半まで減少を続け、以後は横ばいで推移している。
  • 「『日本の将来推計人口』における中位推計」では、65歳以上の老年人口は2025年頃に最も多くなり、以後は緩やかに減少すると予想されている。
  • 「2021年の人口推計」において、前年に比べて日本人人口が減少した一方、外国人人口が増加したため、総人口は増加した。
  • 1970年代後半以降、合計特殊出生率は人口置換水準を下回っている。

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この過去問の解説 (6件)

01

合計特殊出生率は15から49歳までの既婚・未婚を問わない女性の年齢別修正率を合計したものです。人口置換水準とは人口が増えも減りもしない出生率のことをいいます。

選択肢1. 第二次世界大戦後、1940年代後半、1970年代前半、2000年代後半の3回のベビーブームを経験した。

我が国のベビーブームは1940 年代後半の第一次ベビーブームと、1970 年代前半の第二次ベビーブームの2回です。

選択肢2. 15~64歳の生産年齢人口は、高度経済成長期から1990年代後半まで減少を続け、以後は横ばいで推移している。

生産年齢人口は少子化に伴って減少が続いています。

選択肢3. 「『日本の将来推計人口』における中位推計」では、65歳以上の老年人口は2025年頃に最も多くなり、以後は緩やかに減少すると予想されている。

老年人口のピークは予測では2042 年頃です。

選択肢4. 「2021年の人口推計」において、前年に比べて日本人人口が減少した一方、外国人人口が増加したため、総人口は増加した。

人口は減少が続いています。

選択肢5. 1970年代後半以降、合計特殊出生率は人口置換水準を下回っている。

人口置換水準とは現在の人口を維持できる水準をいいます。日本では 2.07 位と言われています。第二次ヘビーブームが終わって以降下回ったままです。

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02

日本は少子高齢化社会であり、高齢化率は世界に類を見ないスピードで進行しています。

選択肢1. 第二次世界大戦後、1940年代後半、1970年代前半、2000年代後半の3回のベビーブームを経験した。

✕ 日本のベビーブームは1947年~1949年の第一次ベビーブーム、1971年~1974年の第二次ベビーブームの2回です。最初のベビーブームで生まれた人達は「団塊の世代」、二回目のベビーブームで生まれた人達は「団塊ジュニア世代」などと呼ばれています。

選択肢2. 15~64歳の生産年齢人口は、高度経済成長期から1990年代後半まで減少を続け、以後は横ばいで推移している。

✕ 日本における生産年齢人口は高度経済成長期から1995年までは増加していましたが、以降は減少に転じています。対して老年人口は上昇を続けています。

選択肢3. 「『日本の将来推計人口』における中位推計」では、65歳以上の老年人口は2025年頃に最も多くなり、以後は緩やかに減少すると予想されている。

✕ 65歳以上の老年人口のピークは2042年とされており、以降は徐々に減少していくと言われています。

選択肢4. 「2021年の人口推計」において、前年に比べて日本人人口が減少した一方、外国人人口が増加したため、総人口は増加した。

✕ 日本人人口、外国人人口とも減少しており、総人口は64万4千人の減少となりました。

選択肢5. 1970年代後半以降、合計特殊出生率は人口置換水準を下回っている。

〇 人口置換水準とは、人口が増加も減少もしない合計特殊出生率の事を言います。第二次ベビーブーム以降、日本の合計特殊出生率は人口置換水準を下回っています。

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03

日本の人口推移はメディアでも大きく取り上げられているため、直近の人口推移および今後の推計人口の概要は頭に入っているかと思います。

試験では、具体的な事象や過去の人口構造なども問われることがあるため、日本の人口がなぜ、そして、どう変化してきたかを理解していきましょう。

選択肢1. 第二次世界大戦後、1940年代後半、1970年代前半、2000年代後半の3回のベビーブームを経験した。

解答:

日本のベビーブームは、1940年代後半と1970年代前半の2回です。

選択肢2. 15~64歳の生産年齢人口は、高度経済成長期から1990年代後半まで減少を続け、以後は横ばいで推移している。

解答:

15~64歳の生産年齢人口は減少が続いています

選択肢3. 「『日本の将来推計人口』における中位推計」では、65歳以上の老年人口は2025年頃に最も多くなり、以後は緩やかに減少すると予想されている。

解答:

老年人口は2040年頃にピークを迎えると予想されています。

選択肢4. 「2021年の人口推計」において、前年に比べて日本人人口が減少した一方、外国人人口が増加したため、総人口は増加した。

解答:

世界の人口推移は1960年代前半をピークに減少し続けています

人口トップのインドや中国は少子化が進んでいるため、急激な人口増加は見込めません。

一方、アフリカ諸国の人口は増加傾向にあります。

選択肢5. 1970年代後半以降、合計特殊出生率は人口置換水準を下回っている。

解答:

合計特殊出生率(1.26)は人口置換水準(2.07)を下回っています

合計特殊出生率とは、一生の間に生まれる子供の数の平均です。

人口置換水準とは、人口の流入、流出がない状態での長期的に人口を維持するために必要な合計特殊出生率です。

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04

日本の人口の動向に関して、各選択肢の内容を確認していきます。

選択肢1. 第二次世界大戦後、1940年代後半、1970年代前半、2000年代後半の3回のベビーブームを経験した。

不正解です。

日本ではこれまで、1940年代後半と1970年代前半の2回のベビーブームがありました。

選択肢2. 15~64歳の生産年齢人口は、高度経済成長期から1990年代後半まで減少を続け、以後は横ばいで推移している。

不正解です。

生産年齢人口は、以前として減少を続けています。

選択肢3. 「『日本の将来推計人口』における中位推計」では、65歳以上の老年人口は2025年頃に最も多くなり、以後は緩やかに減少すると予想されている。

不正解です。

65歳以上の老年人口がピークを迎えるのは2040年代と予想されています。

選択肢4. 「2021年の人口推計」において、前年に比べて日本人人口が減少した一方、外国人人口が増加したため、総人口は増加した。

不正解です。

日本の総人口は減少を続けています。

選択肢5. 1970年代後半以降、合計特殊出生率は人口置換水準を下回っている。

正解です。

選択肢の説明の通り、970年代後半以降、合計特殊出生率は人口置換水準を下回っています。

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05

正答:②

日本の人口は減少傾向であるとともに、どんどん高齢化率が上昇していく旨各種報道でご存じのことと思います。

どのように日本の人口様態が変化してきているのか、しっかり覚えておきましょう。

選択肢1. 第二次世界大戦後、1940年代後半、1970年代前半、2000年代後半の3回のベビーブームを経験した。

解答:×

ベビーブームは1940年代後半、1970年代前半の2回です。

選択肢2. 15~64歳の生産年齢人口は、高度経済成長期から1990年代後半まで減少を続け、以後は横ばいで推移している。

解答:×

出生率や婚姻率の減少と比例し、生産年齢人口は減り続けています。

選択肢3. 「『日本の将来推計人口』における中位推計」では、65歳以上の老年人口は2025年頃に最も多くなり、以後は緩やかに減少すると予想されている。

解答:×

65歳以上の高齢者人口がピークを迎えるのは、2040年代と言われています。2040年問題とも呼ばれ、1970年代の第二次ベビーブームに生まれた「団塊ジュニア」世代が高齢者となるため、高齢者数のピークを迎えると見込まれています。

選択肢4. 「2021年の人口推計」において、前年に比べて日本人人口が減少した一方、外国人人口が増加したため、総人口は増加した。

解答:×

日本は移民政策をとっていないため、外国人人口の増加は限定的です。日本人の総人口は減少を続けています。

選択肢5. 1970年代後半以降、合計特殊出生率は人口置換水準を下回っている。

解答:×

人口置換水準とは、人口が横ばい状態となる水準のことをいいます。合計特殊出生率の人口置換水準は、現在の日本において約2.07と言われてますが、実際の合計特殊出生率は年々減少し、2021年時点で1.30となっています。現在も低下が続いています。

まとめ

日本の人口減少と高齢化の進展は、大きな社会問題となっています。その背景や人口減少・高齢化率の上昇によって生じる課題についてまとめておきましょう。

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06

人口の動向のように、発行されているデータから問われる問題はよく出されます。過去・近年・将来の動向についておさえておくようにしましょう。

選択肢1. 第二次世界大戦後、1940年代後半、1970年代前半、2000年代後半の3回のベビーブームを経験した。

不適切です。日本で起きているのは第一次・第二次ベビーブームであり、3回目は経験していません。

選択肢2. 15~64歳の生産年齢人口は、高度経済成長期から1990年代後半まで減少を続け、以後は横ばいで推移している。

不適切です。高度経済成長期から1995年まで増加を続け、以後は減少傾向です。

選択肢3. 「『日本の将来推計人口』における中位推計」では、65歳以上の老年人口は2025年頃に最も多くなり、以後は緩やかに減少すると予想されている。

不適切です。2025年以後も増加すると予想されています。

選択肢4. 「2021年の人口推計」において、前年に比べて日本人人口が減少した一方、外国人人口が増加したため、総人口は増加した。

不適切です。外国人人口も減少しており、総人口は減少しております。

選択肢5. 1970年代後半以降、合計特殊出生率は人口置換水準を下回っている。

適切です。合計特殊出生率は人口置換水準を継続して下回っています。

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