社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
社会保障 問4
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問題
社会福祉士試験 第35回(令和4年度) 社会保障 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
公的医療保険における被保険者の負担等に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
(注)「都道府県等が行う国民健康保険」とは、「都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険」のことである。
(注)「都道府県等が行う国民健康保険」とは、「都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険」のことである。
- 健康保険組合では、保険料の事業主負担割合を被保険者の負担割合よりも多く設定することができる。
- 「都道府県等が行う国民健康保険」では、都道府県が保険料の徴収を行う。
- 「都道府県等が行う国民健康保険」の被保険者が、入院先の市町村に住所を変更した場合には、変更後の市町村の国民健康保険の被保険者となる。
- 公的医療保険の保険給付のうち傷病手当金には所得税が課せられる。
- 保険診療を受けたときの一部負担金の割合は、義務教育就学前の児童については1割となる。
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この過去問の解説 (8件)
01
公的医療保険の保険対象者と、年齢や所得で1割負担、2割負担、3割負担の違いがあるので整理しておきましょう。
健康保険組合は保険料率を独自に定めることができるので、事業主の負担割合を多く設定することができます。
「都道府県等が行う国民健康保険」の保険料の徴収は市町村です。
国民健康保険の被保険者が入院先の住所を変えた場合には、変更前の市町村が保険者となる「住所地特例」の制度があります。
傷病手当金は非課税などで所得税は課せられることはありません。
医療保険における義務教育就学前の児童の一部負担金の割合は2割です。
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02
公的医療保険制度の内容について問う問題です。公的医療保険制度とは、日本では、被用者保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度の3つを指すことが多いです。各制度がどのような制度か、被保険者、負担割合などを中心に学習するようにしましょう。
正しいです。被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料額の2分の1を負担する(健康保険法161条)と定められていますが、特例として、健康保険組合は、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき一般保険料額又は介護保険料額の負担の割合を増加することができる(健康保険法162条)とされています。
正しくありません。「都道府県等が行う国民健康保険」では、市町村が保険料の徴収を行います(国民健康保険法76条)。
正しくありません。「都道府県等が行う国民健康保険」の被保険者が、入院先の市町村に住所を変更した場合でも、変更前の市町村の国民健康保険の被保険者となります。「病院等に入院、入所又は入居中の被保険者の特例」(住所地特例)と呼ばれるものです(国民健康保険法116条の2)。入院等先の市町村に過度な負担をかけないための制度です。
正しくありません。傷病手当金については、非課税所得とされています(国民健康保険法68条など)。
正しくありません。保険診療を受けたときの一部負担金の割合は、義務教育就学前の児童については2割です。なお、自治体独自の制度により負担金が減免される可能性があります。
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03
公的医療保険の負担割合は
・未就学児 2割
・一般 3割
・高齢受給者(70歳以上) 所得により2割または3割
となっています。
また、健康保険料の負担は被用者保険の場合は、原則労使折半(事業主負担を増加することは可能)、国民健康保険は市区町村です。
〇 保険料は労使折半が原則ですが、事業主負担のみ増加させることが可能です。
【関係法令】
健康保険法 第161条第1項 被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料額の二分の一を負担する。ただし、任意継続被保険 者は、その全額を負担する。
健康保険法 第162条 健康保険組合は、前条第1項の規定にかかわらず、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき一般保険料額 又は介護保険料額の負担割合を増加することができる。
× 徴収は市区町村が行っているため不適切です。
× 国民健康保険および後期高齢者医療は「住所地特例」制度があるため、引き続き変更前の自治体の国民健康保険の適用となるため不適切です。
《住所地特例の対象となる施設》
① 病院又は診療所への入院
② 児童福祉法第7条第1項に規定する児童福祉施設への入所【国民健康保険のみ適用】
③ 障害者総合支援法第5条第12項に規定する障害者支援施設又は同条第1項の厚生労働省令で定める施設への入所
④ 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の設置する施設への入所
⑤ 老人福祉法第20条の4又は第20条の5に規定する養護老人ホーム又は特別養護老人ホームへの入所
⑥ 介護保険法第8条第11項に規定する特定施設(有料老人ホームに該当するサービス付き高齢者向け住宅を含む。)への入居又は同条第24項に規定する介護 保険施設への入所
⑦ 障害者総合支援法附則第18条第2項に規定する共同生活援助又は共同生活介護を行う共同生活住居への入居
× 傷病手当金は非課税のため不適切です。
× 未就学の児童の自己負担額は2割負担のため不適切です。
【補足】
自己負担額の2割部分は本来受診者の自己負担額ですが、子ども医療助成制度により2割部分が公費負担(自治体が助成)になることにより、多くの自治体で自己負担なしで受診が可能となっています。対象年齢も未就学児童のみのところから18歳までと自治体によってさまざまです。
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04
公的医療保険に関して少し踏み込んだ問題となっています。
頻出度の高い問題は細部まで理解しておきましょう。
解答:〇
事業主の負担割合のみ増加させることはできます。
事業主と労働者が折半とだけ覚えている人は注意しましょう。
解答:✕
保険料の徴収は市町村です。
都道府県は運営主体を担い、市町村は徴収などを行います。
解答:✕
住所地特例として、入院先の市町村に住所を変更した場合でも、変更前の市町村の国民健康保険の被保険者となることが定められています。
病院や特別養護老人ホームなどの施設がある市町村の財政に大きな負担となるため、このような特例が設けられています。
解答:✕
傷病手当金は非課税とされています。
解答:✕
義務教育就学前の児童の保険診療にかかる負担割合は2割です。
割合は年齢や所得によって異なるため、整理して覚えましょう。
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05
正解は「健康保険組合では、保険料の事業主負担割合を被保険者の負担割合よりも多く設定することができる。」です。
他の制度でも負担割合を問われる問題があるため、併せて覚えておきましょう。
⭕️ 基本的には、労使折半と定められていますが、特例として健康保険組合は、事業主の負担の割合を増加することができるとされています。
❌ 「都道府県等が行う国民健康保険」では、市町村が保険料の徴収を行います。
❌ 住所地特例の制度により、国民健康保険の被保険者が入院先の住所を変えた場合には、変更前の市町村が保険者となります。
❌ 傷病手当金は非課税なので、所得税は課せられません。
❌ 義務教育就学前の児童の自己負担額は2割負担です。
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06
正答:①
公的医療保険の種類によって、被保険者・負担割合・徴収方法などが異なります。それぞれの特徴を学習しておきましょう。
解答:〇
設問の通りです。
解答:×
「都道府県等が行う国民健康保険」の保険料を徴収するのは、市町村です。
解答:×
住所地特例により、変更前の市町村の被保険者となります。介護保険制度にも同様の住所地特例があるので、合わせて覚えておきましょう。
解答:×
傷病手当金は、非課税です。
解答:×
義務教育就学前の児童の自己負担額は2割負担です。自治体によっては自己負担0円となっている所も多いですが、これは各自治体の子育て政策の一環として補填されています。誤解しないようにしましょう。
被用者保険の健康保険料は原則労使折半(事業主負担を増加することは可能)で、国民健康保険は市区町村が徴収します。
公的医療保険の負担割合は、年齢ごとに以下の通りとなっています。
・未就学児 2割
・一般 3割
・高齢受給者(70歳以上) 所得により2割または3割
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07
医療保険は種類によって、対象者や負担割合、徴収等について細かく異なります。特徴をおさえておきましょう。
適切です。健康保険法第162条に定められています。
不適切です。都道府県ではなく市町村が行います。
不適切です。変更前の市町村の国民健康保険の被保険者となります。国民健康保険法第116条の2に定められています。
不適切です。所得税は課されません。
不適切です。1割ではなく、2割の負担です。
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08
公的医療保険における被保険者の負担や、国民健康保険と健康保険組合の違い等について
各選択肢を確認していきます。
正解です。
健康保険組合では、保険料の事業主負担割合を被保険者の負担割合よりも多く設定することができます。
不正解です。
「都道府県等が行う国民健康保険」では、市区町村が保険料の徴収を行います。
不正解です。
「都道府県等が行う国民健康保険」の被保険者が、入院先の市町村に住所を変更した場合には、変更後の市町村に過度な負担が生じないように、変更前の市町村の国民健康保険の被保険者となります。
不正解です。
傷病手当金は非課税となります。
不正解です。
義務教育就学前の児童については、一部負担金の割合は2割となっています。
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