問題
(注)「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。
障害福祉制度の変遷については試験でよく問われるテーマの一つです。流れを順序だてて覚えるようにしましょう。
適切ではありません。精神薄弱者福祉法の制定以降、障害種別ごとの施策が展開され、知的障害者等の入所施設が増加するなど、ノーマライゼーションや脱施設化とは相反する施策であると評価されています。
適切ではありません。1981年の国際障害者年では、「完全参加と平等」というテーマが掲げられています。「Nothing about us without us(私たち抜きに私たちのことを決めるな)」というテーマは、2006年の障害者権利条約が国連総会で採択される過程で掲げられたものです。
適切ではありません。2003年(平成15年)には、身体障害者等を対象に、従来の措置制度から契約制度に転換することを目的に支援費制度が開始されています。
適切です。記述の通りです。
適切ではありません。2011年(平成23年)に成立した「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」により、市町村障害者虐待防止センター、都道府県障害者権利擁護センターが規定されました。
障害福祉に関しては法律改正に伴って制度改正によって変化するので、しっかり把握しておきましょう。
精神薄弱者への対応が必要となって精神薄弱者福祉法が制定され、脱施設化を推進しました。
国際障害者年のテーマは「完全参加と平等」です。
支援費制度は、措置制度から契約制度に転換するものです。
わが国の障害者福祉制度は障害種別ごとに発展してきました。障害者自立支援法の制定により障害の種別にかかわらずサービスを利用するための仕組みを一元化しました。
市町村障害者虐待防止センターの規定は障害者虐待防止法においてです。
障害者福祉制度は、現在の「地域移行」という考え方までさまざまな変遷をたどってきています。以前は施設をつくることが進められていたことなど、現在の考え方とは大きく違う部分もありますので、なぜそうなったかを制度も含めて理解しておくようにしましょう。
不適切です。記述内容とは逆で、精神薄弱者福祉法成立の時点では、入所施設が増加しました。
不適切です。「Nothing about us without us(私たち抜きに私たちのことを決めるな)」は、障害者権利条約で使用されました。
不適切です。従来の「措置制度」から「契約制度」への転換です。
適切です。身体障がい、知的障がい、精神障がいといった障がいの種類に関わらずサービスを利用するための仕組みを一元化し、事業体系を再編しました。
不適切です。「障害者差別解消法」ではなく、平成24年に施行された「障害者虐待防止法(障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律)」により、市町村障害者虐待防止センターが規定されました。
障害者福祉制度は徐々に変化・発展していきましたが、それらの制度について各選択肢を確認していきます。
不正解です。
精神薄弱者福祉法は、入所施設を増加させる結果となり脱施設化とは反対の流れを作りました。
不正解です。
「Nothing about us without us」は、障害者権利条約の中で掲げられ2006年に国連総会で
採択されました。
不正解です。
支援費制度では、従来の措置制度から契約制度へと転換されました。
正解です。
選択肢の説明文の通りです。
不正解です。
市町村障害者虐待防止センターは、「障害者虐待防止法」の施行を受け設置されました。
正解は「2005年(平成17年)に成立した障害者自立支援法では、障害の種別にかかわらず、サービスを利用するための仕組みを一元化し、事業体系を再編した。」です。
❌ 1960年の精神薄弱者福祉法では、知的障害者の生活支援の面で福祉を図ることを目的とし、知的障害者等の入所施設が増加しました。ソーシャルインクルージョンや脱施設化の推進は行っていません。
❌ 1981年の国際障害者年では、「完全参加と平等」というテーマです。
❌ 2003年(平成15年)では、従来の措置制度から契約制度に転換することを目的に支援費制度が開始されました。
⭕️ 適切な説明です。
❌ 「障害者虐待防止法」が平成24年10月1日から施行され、市役所障がい福祉課内に「障がい者虐待防止センター」が設置されました。
2013年(平成25年)に成立した「障害者差別解消法」では、すべての国民が障害を理由とする差別の解消を推進することが掲げられました。