社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
相談援助の基盤と専門職 問2

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

社会福祉士試験 第35回(令和4年度) 相談援助の基盤と専門職 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014年)に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
(注)「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」とは、2014年7月の国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)の総会・合同会議で採択されたものを指す。
  • 本定義は、各国および世界の各地域を問わず、同一であることが奨励されている。
  • ソーシャルワーク専門職は、社会変革を任務とするとともに社会的安定の維持にも等しく関与する。
  • ソーシャルワークの原則において、マイノリティへの「多様性の尊重」と「危害を加えない」ことは、対立せずに実現可能である。
  • ソーシャルワークの研究と理論の独自性は、サービス利用者との対話的過程とは異なるところで作り上げられてきた。
  • ソーシャルワークの焦点は多様であるが、実践における優先順位は固定的である。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (4件)

01

「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」のポイントとなる部分は最低限整理しておきましょう。

選択肢1. 本定義は、各国および世界の各地域を問わず、同一であることが奨励されている。

この定義は、各国および世界各地域で展開してもよいと記載されています。

選択肢2. ソーシャルワーク専門職は、社会変革を任務とするとともに社会的安定の維持にも等しく関与する。

「社会変革を任務とするとともに社会的安定の維持にも等しく関与する」と記載されています。

選択肢3. ソーシャルワークの原則において、マイノリティへの「多様性の尊重」と「危害を加えない」ことは、対立せずに実現可能である。

「多様性の尊重」と「危害を加えない」ことは状況によっては、対立し、競合する価値観になることがあると記載されています。

選択肢4. ソーシャルワークの研究と理論の独自性は、サービス利用者との対話的過程とは異なるところで作り上げられてきた。

「対話的過程を通して共同で作り上げてきた」と記載されています。

選択肢5. ソーシャルワークの焦点は多様であるが、実践における優先順位は固定的である。

「ソーシャルワークの実践が実際上何を優先するかは・・・・多様である」と記載されています。

参考になった数36

02

ソーシャルワークに関しては、さまざまな定義がありますが、「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014年)も試験で頻出する定義の一つです。そのポイントを整理して学習するようにしましょう。

選択肢1. 本定義は、各国および世界の各地域を問わず、同一であることが奨励されている。

適切ではありません。グローバル定義をもとに、「グローバル(世界)・リージョナル(地域)・ナショナル(国)という3つのレベルをもつ重層的なもの」になると記載されています。

選択肢2. ソーシャルワーク専門職は、社会変革を任務とするとともに社会的安定の維持にも等しく関与する。

適切です。記述の通りです。それがいかなる特定の集団の周縁化・排除・抑圧にも利用されない限りにおいて」という条件は付されています。

選択肢3. ソーシャルワークの原則において、マイノリティへの「多様性の尊重」と「危害を加えない」ことは、対立せずに実現可能である。

適切ではありません。「危害を加えないこと」と「多様性の尊重」は、状況によっては、対立し、競合する価値観となることがある旨、「女性・同性愛者」と「文化」を例示し記述しています。

選択肢4. ソーシャルワークの研究と理論の独自性は、サービス利用者との対話的過程とは異なるところで作り上げられてきた。

適切ではありません。「多くのソーシャルワーク研究と理論は、サービス利用者との双方向性のある対話的過程を通して共同で作り上げられてきたもの」と記述されています。

選択肢5. ソーシャルワークの焦点は多様であるが、実践における優先順位は固定的である。

適切ではありません。「ソーシャルワークの実践が実際上何を優先するかは、国や時代により、歴史的・文化的・政治的・社会経済的条件により、多様である」と記載されています。

参考になった数17

03

「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014年)について、その内容を確認していきます。

選択肢1. 本定義は、各国および世界の各地域を問わず、同一であることが奨励されている。

不正解です。

本定義を基に、それに反しない範囲で、それぞれの置かれた社会的・政治的・文化的状況に応じた独自の定義を作ることができるとされています。

選択肢2. ソーシャルワーク専門職は、社会変革を任務とするとともに社会的安定の維持にも等しく関与する。

正解です。

選択肢の説明文の通りです。

選択肢3. ソーシャルワークの原則において、マイノリティへの「多様性の尊重」と「危害を加えない」ことは、対立せずに実現可能である。

不正解です。

「危害を加えないこと」と「多様性の尊重」は、状況によっては対立し、競合する価値観となることがあるとされています。

選択肢4. ソーシャルワークの研究と理論の独自性は、サービス利用者との対話的過程とは異なるところで作り上げられてきた。

不正解です。

多くのソーシャルワーク研究と理論は、サービス利用者との双方向性のある対話的過程を通して共同で作り上げられてきたものであるとされています。

選択肢5. ソーシャルワークの焦点は多様であるが、実践における優先順位は固定的である。

不正解です。

ソーシャルワークの実践が実際上何を優先するかは、国や時代により、歴史的・文化的・政治的・社会経済的条件により、多様であるとされています。

参考になった数3

04

正解は「ソーシャルワーク専門職は、社会変革を任務とするとともに社会的安定の維持にも等しく関与する。」です。

ソーシャルワークの定義は年代や人物によって異なっていますが、「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014年)では社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である」とされています。原則の内容について確認しておきましょう。

選択肢1. 本定義は、各国および世界の各地域を問わず、同一であることが奨励されている。

❌ 本定義は、各国および世界各地域で展開してもよいとされています。

選択肢2. ソーシャルワーク専門職は、社会変革を任務とするとともに社会的安定の維持にも等しく関与する。

⭕️ ソーシャルワーク専門職の適切な説明です。

選択肢3. ソーシャルワークの原則において、マイノリティへの「多様性の尊重」と「危害を加えない」ことは、対立せずに実現可能である。

❌ ソーシャルワークの原則において、マイノリティへの「多様性の尊重」と「危害を加えない」ことは、対立し競合する価値観とされています。

選択肢4. ソーシャルワークの研究と理論の独自性は、サービス利用者との対話的過程とは異なるところで作り上げられてきた。

❌ ソーシャルワークの研究と理論の独自性は、サービス利用者との対話的過程と双方向性のある対話的過程を通し共同で作り上げられてきたものです。

選択肢5. ソーシャルワークの焦点は多様であるが、実践における優先順位は固定的である。

❌ ソーシャルワークの実践が実際上何を優先するかは、国や時代により、歴史的・文化的・政治的・社会経済的条件により、多様であるとされています。

参考になった数2