社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
相談援助の基盤と専門職 問4

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問題

社会福祉士試験 第35回(令和4年度) 相談援助の基盤と専門職 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、Z障害者支援施設のF生活支援員(社会福祉士)がこの時点で行う支援方針の見直しに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
知的障害のあるGさん(35歳)は、日頃から言語的コミュニケーションは難しいところがあるが、Z障害者支援施設から離れた場所にある生家に一時外泊を行った。Gさんが施設に戻った際に、Gさんの家族から、外泊中の様子を伝えられた。自分から気に入った場所に遊びに出掛けたり、簡単な食事は自分で用意したりしていたとのことであった。F生活支援員にとっては、施設ではこれまで見掛けたことのなかったGさんの様子であった。

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この過去問の解説 (4件)

01

施設内における生活だけでは見えない利用者さんの強みなどが、異なる環境で見つかることもあります。そうした強みをどのように支援計画に反映させていくか、本人の意思決定を支援していくか、支援者の力量が試される場面です。

選択肢1. Gさんの支援は、施設と自宅では環境が異なるため、施設の事情や制約に合わせた支援を行うことを再確認する。

適切ではありません。「日常生活における場面」「社会生活における場面」の意思決定支援において、「施設の事情や制約に合わせた支援を行うこと」は優先されるべき事項ではありません。

選択肢2. Gさんの施設での生活では、職員が考えるGさんの最善の利益に関する事柄を優先的に取り入れる。

適切ではありません。「職員が考えるGさんの最善の利益に関する事柄」はあくまで本人の意思推定がどうしてもできない場合に行われるべきです。

選択肢3. Gさんの興味が広がるよう、Gさんの理解力や意思決定の力を考慮して、思いや選好を確認するよう努める。

適切です。記述の通りです。思いや選好を確認するよう努めることは重要です。

選択肢4. 家族から聞いた話を基に、Gさんの支援に、自立に向けたプログラムとして施設内で実施している料理教室への参加を組み入れる。

適切ではありません。まず、本人の意思を確認することが重要です。意思確認の前に支援計画が変更になるのは適切ではありません。

選択肢5. Gさんの短期的な支援目標を、施設に近接する共同生活援助(グループホーム)への移行に改める。

適切ではありません。まず、本人の意思を確認することが重要です。意思確認の前に支援計画が変更になるのは適切ではありません。

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02

生活支援員(社会福祉士)がソ−シャルワークを行うにあたってはどの選択肢がクライエントにとって最良かを考えてみましょう。

選択肢1. Gさんの支援は、施設と自宅では環境が異なるため、施設の事情や制約に合わせた支援を行うことを再確認する。

自宅での環境が与えたものを意識して支援を行うことを再確認します。

選択肢2. Gさんの施設での生活では、職員が考えるGさんの最善の利益に関する事柄を優先的に取り入れる。

 優先的に取り入れるのではなく、最善の利益に関する事柄をまず提案していきます。

選択肢3. Gさんの興味が広がるよう、Gさんの理解力や意思決定の力を考慮して、思いや選好を確認するよう努める。

Gさんの理解力や意思決定の力を考慮して思いや選考を確認するよう努めていきます。

選択肢4. 家族から聞いた話を基に、Gさんの支援に、自立に向けたプログラムとして施設内で実施している料理教室への参加を組み入れる。

施設内で実施している料理教室へ参加してはどうかをまず提案していきます。

選択肢5. Gさんの短期的な支援目標を、施設に近接する共同生活援助(グループホーム)への移行に改める。

Gさんは共同生活援助(グループホーム)に移ることは希望していません。

参考になった数11

03

正解は「Gさんの興味が広がるよう、Gさんの理解力や意思決定の力を考慮して、思いや選好を確認するよう努める。」です。

支援方針の見直しに関する事例問題では、対象人物の障害状況を理解した上でストレングスを読み取る必要があります。また、障害者支援施設の生活支援員がどのような役割や目的を果たすのか確認しておきましょう。

選択肢1. Gさんの支援は、施設と自宅では環境が異なるため、施設の事情や制約に合わせた支援を行うことを再確認する。

❌ Gさんの支援において「施設の事情や制約に合わせた支援」を目指すことは適切ではありません。

選択肢2. Gさんの施設での生活では、職員が考えるGさんの最善の利益に関する事柄を優先的に取り入れる。

❌ 理解力や意思決定の力が見られるGさんに対して、職員が考えるGさんの最善の利益を優先的に取り入れることは適切ではありません。

選択肢3. Gさんの興味が広がるよう、Gさんの理解力や意思決定の力を考慮して、思いや選好を確認するよう努める。

⭕️ この時点での方針として適切です。

選択肢4. 家族から聞いた話を基に、Gさんの支援に、自立に向けたプログラムとして施設内で実施している料理教室への参加を組み入れる。

❌ 理解力や意思決定の力が見られるGさんに対しての支援として適切ではありません。

選択肢5. Gさんの短期的な支援目標を、施設に近接する共同生活援助(グループホーム)への移行に改める。

❌ 現時点での方針としては適切ではありません。

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04

事例から読み取れるGさんの現状と、適切な支援について各選択肢を確認していきます。

選択肢1. Gさんの支援は、施設と自宅では環境が異なるため、施設の事情や制約に合わせた支援を行うことを再確認する。

不正解です。

施設と自宅では環境は異なりますが、Gさんとのやりとりなしに施設に合わせた支援のみを行うことは適切ではありません。

選択肢2. Gさんの施設での生活では、職員が考えるGさんの最善の利益に関する事柄を優先的に取り入れる。

不正解です。

Gさんの意思確認なしに、職員が考える事柄・支援を優先的に取り入れるべきではありません。

選択肢3. Gさんの興味が広がるよう、Gさんの理解力や意思決定の力を考慮して、思いや選好を確認するよう努める。

正解です。

選択肢の説明文の通りです。

選択肢4. 家族から聞いた話を基に、Gさんの支援に、自立に向けたプログラムとして施設内で実施している料理教室への参加を組み入れる。

不正解です。

Gさんの意思確認なしに、支援の方針を決めるべきではありません。

選択肢5. Gさんの短期的な支援目標を、施設に近接する共同生活援助(グループホーム)への移行に改める。

不正解です。

Gさんの意思確認なしに、支援の変更等をするべきではありません。

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