社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
高齢者に対する支援と介護保険制度 問4

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

社会福祉士試験 第35回(令和4年度) 高齢者に対する支援と介護保険制度 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、U介護老人福祉施設に入所しているMさんに対する日常介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Mさん(79歳、女性、要介護4)は、先月U介護老人福祉施設に入所した。3年前に発症した脳梗塞の後遺症により右片麻痺(まひ)、運動性失語症がある。問い掛けに対して、首を振って返答することは可能である。口腔(こうくう)内に感覚障害がある。時々、せき込むことがある。食事の時、自分で矢継ぎ早に摂取し、口いっぱいにほおばっていることが多い。最近になって腹圧性尿失禁があることが分かった。A生活相談員(社会福祉士)は、Mさんに対するケアカンファレンスに同席し、介護上の留意点を確認した。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

この問題では脳梗塞の後遺症があるクライエントに対する介護知識が問われています。

選択肢1. Mさんに対する質問は、できるだけ開かれた質問で行うように心掛ける。

運動性失語症があるため、この場面では開かれた質問よりも閉ざされた質問の方がMさんの負担軽減や意思確認には望ましいでしょう。

選択肢2. 着替えの介助の際、袖を通すときは左側から介助する。

麻痺側からの介助が必要です。

選択肢3. 浴槽に入る際は、右足の方から湯船に入るように介助する。

非麻痺足側から湯船に入るよう介助を行います。

選択肢4. せきの時に尿が漏れるかもしれないので、尿パッドの使用をMさんと検討する。

その通りです。

選択肢5. 食事の時、食べ物を口に運ぶペースはMさんのペースのままとする。

誤嚥につながる恐れがあるため、ペース配分は検討が必要です。

参考になった数20

02

脳梗塞の後遺症がある利用者についての日常生活における注意点を確認する場面です。脳梗塞の後遺症、右片麻痺(まひ)、運動性失語症などのキーワードに留意しながら解答をすすめましょう。

選択肢1. Mさんに対する質問は、できるだけ開かれた質問で行うように心掛ける。

適切ではありません。Mさんに対する質問は、できるだけ「はい」「いいえ」で答えられる閉じられた質問で行うことによりスムーズにコミュニケーションをとることができます。

選択肢2. 着替えの介助の際、袖を通すときは左側から介助する。

適切ではありません。転倒予防のため、麻痺のある右側(患側)にいて介助すべきです。

選択肢3. 浴槽に入る際は、右足の方から湯船に入るように介助する。

適切ではありません。右足は麻痺のある部分(患側)です。詳しくは入浴にアセスメントを取らなければなりませんが、一般的には、バスボード等を使い、そこに座ってもらって、麻痺のない足(健側)から湯舟につかり、麻痺のある足を介助者が介助します。

選択肢4. せきの時に尿が漏れるかもしれないので、尿パッドの使用をMさんと検討する。

適切です。記述の通りです。腹圧性尿失禁は、腹部の圧力があがることによって起こる失禁です。くしゃみ、せき、重い荷物を持つこと、笑うことなどで腹圧があがり、尿が漏れることがあります。

選択肢5. 食事の時、食べ物を口に運ぶペースはMさんのペースのままとする。

適切ではありません。せき込み、食べ物のほお張りが見られるので、誤嚥の可能性があると考えられます。場合によっては、ゆっくりと食事をとっていただく声掛けが必要です。

参考になった数11

03

日常介護にかかる基本的動作について、実際にイメージして確認しておきましょう。

選択肢1. Mさんに対する質問は、できるだけ開かれた質問で行うように心掛ける。

Mさんは、「問い掛けに対して、首を振って返答することは可能である」ということから、「はい」「いいえ」で答えられる「閉じられた質問」を使うことが適切です。

選択肢2. 着替えの介助の際、袖を通すときは左側から介助する。

Mさんは、「右片麻痺」があることから、「脱衣は健側から、着衣は患側から」なので、右側から袖を通します。

選択肢3. 浴槽に入る際は、右足の方から湯船に入るように介助する。

Mさんは、「右片麻痺」があることから、右足から浴槽に入ることは、転倒の危険があります。

選択肢4. せきの時に尿が漏れるかもしれないので、尿パッドの使用をMさんと検討する。

「腹圧性尿失禁がある」ことから、せきにより腹圧があると失禁にいたるので、尿パッドの使用を検討することは適切です。

選択肢5. 食事の時、食べ物を口に運ぶペースはMさんのペースのままとする。

Mさんは、「矢継ぎ早に摂取して飲み込まずにほおばっていることが多い」ことから、Mさんのペースのままとすることは適切ではありません。

参考になった数3