社会福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問85 (社会調査の基礎 問2)

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問題

社会福祉士試験 第36回(令和5年度) 問85(社会調査の基礎 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

社会調査における倫理に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 社会調査の対象者の抽出では、住民基本台帳から制約なく個人情報を閲覧できる。
  • 調査の協力は自由意志であるので、対象者への調査に関する説明は不要である。
  • 社会調査では、対象者に調査協力の謝礼を渡すことが不可欠である。
  • 調査前に対象者の協力同意書があっても、調査の途中又は調査後の対象者からのデータ削除要請に応じることが求められる。
  • 仮説に反した調査結果が出た場合、調査結果の公表を差し控える必要がある。

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この過去問の解説 (2件)

01

社会調査における倫理について具体例を整理しておきましょう。

 

選択肢1. 社会調査の対象者の抽出では、住民基本台帳から制約なく個人情報を閲覧できる。

個人情報は一定の手続きで選挙人名簿や住民基本台帳から得られることがありますが、いくつかの項目には制限があります。

選択肢2. 調査の協力は自由意志であるので、対象者への調査に関する説明は不要である。

調査の協力は自由意志であるべきですが、調査対象者には調査の目的を示し、協力を依頼することが必要です。

選択肢3. 社会調査では、対象者に調査協力の謝礼を渡すことが不可欠である。

社会調査では、対象者に謝礼を渡すこともありますが、必須ではありません。

選択肢4. 調査前に対象者の協力同意書があっても、調査の途中又は調査後の対象者からのデータ削除要請に応じることが求められる。

調査対象者から削除依頼があった場合には、その希望を尊重し、データを削除しなければなりません。

選択肢5. 仮説に反した調査結果が出た場合、調査結果の公表を差し控える必要がある。

データが仮説と異なっていても、結果を公表することは重要です。

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02

社会調査は、社会の現状を知ったり、未来がどのように変化するかなどを予測するために行われる調査です。

選択肢1. 社会調査の対象者の抽出では、住民基本台帳から制約なく個人情報を閲覧できる。

✕ 社会調査を行うに当たっては、制約なく個人情報の閲覧をする事はできません。

選択肢2. 調査の協力は自由意志であるので、対象者への調査に関する説明は不要である。

✕ 調査を行うに当たっては、インフォームド・コンセントを行う事を基本的倫理として定めています。調査の協力が自由意志であったとしても、調査前に調査者に対して調査目的等を説明し、同意を得る事が重要です。

選択肢3. 社会調査では、対象者に調査協力の謝礼を渡すことが不可欠である。

✕ 社会調査では、対象者に対して謝礼を渡さずに協力を依頼する事もあるため、謝礼が必須という訳ではありません。

選択肢4. 調査前に対象者の協力同意書があっても、調査の途中又は調査後の対象者からのデータ削除要請に応じることが求められる。

〇 調査前に調査対象者から協力同意書を取っていたとしても、途中で心変わりする事もあります。調査は調査対象者の意思に基づいて行われるため、データ削除要請があればそれに応じなければなりません。

選択肢5. 仮説に反した調査結果が出た場合、調査結果の公表を差し控える必要がある。

✕ 調査を行った結果、仮説に反した調査結果が出る事もありますが、公表を差し控える必要はありません。調査結果が仮説に反しているからと、データを改ざんする事は倫理的に許されません。

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