社会福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問135 (高齢者に対する支援と介護保険制度 問10)

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問題

社会福祉士試験 第36回(令和5年度) 問135(高齢者に対する支援と介護保険制度 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

「高齢者虐待防止法」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

(注)「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。
  • この法律における高齢者とは、65歳以上で介護保険制度における要介護認定・要支援認定を受けた者と定義されている。
  • この法律では、セルフネグレクト(自己放任)の状態も高齢者虐待に該当することが定義されている。
  • この法律における高齢者虐待の定義には、保険医療機関における医療専門職による虐待が含まれている。
  • この法律では、市町村が養護者による虐待を受けた高齢者の居所等への立入調査を行う場合、所轄の警察署長に援助を求めることができると規定されている。
  • この法律は、市町村に対し、高齢者虐待の防止・高齢者とその養護者に対する支援のため、司法書士若しくは弁護士の確保に関する義務を課している。

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この過去問の解説 (3件)

01

「高齢者虐待防止法」の主な事項について整理しておきましょう。

選択肢1. この法律における高齢者とは、65歳以上で介護保険制度における要介護認定・要支援認定を受けた者と定義されている。

 高齢者は65歳以上です。

選択肢2. この法律では、セルフネグレクト(自己放任)の状態も高齢者虐待に該当することが定義されている。

セルフネグレクトは該当しません。

選択肢3. この法律における高齢者虐待の定義には、保険医療機関における医療専門職による虐待が含まれている。

医療専門職による虐待は含まれません。

選択肢4. この法律では、市町村が養護者による虐待を受けた高齢者の居所等への立入調査を行う場合、所轄の警察署長に援助を求めることができると規定されている。

市町村は養護者による虐待を受けた高齢者に対し、警察署長に援助を要請できます。

選択肢5. この法律は、市町村に対し、高齢者虐待の防止・高齢者とその養護者に対する支援のため、司法書士若しくは弁護士の確保に関する義務を課している。

市町村に対して、司法書士や弁護士の確保の義務はありません。

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02

高齢者虐待防止法は、平成18年4月から施行されています。

選択肢1. この法律における高齢者とは、65歳以上で介護保険制度における要介護認定・要支援認定を受けた者と定義されている。

✕ 高齢者虐待防止法における高齢者は、65歳以上のすべての人を指します。要介護認定を受けているかどうかは定義に含まれていません。

選択肢2. この法律では、セルフネグレクト(自己放任)の状態も高齢者虐待に該当することが定義されている。

✕ 高齢者虐待防止法第2条に高齢者虐待の内容について定義されていますが「身体的虐待」「心理的虐待」「介護放棄(ネグレクト)」「経済的虐待」「性的虐待」の5種類であり、セルフネグレクトは含まれていません。

選択肢3. この法律における高齢者虐待の定義には、保険医療機関における医療専門職による虐待が含まれている。

✕ 高齢者虐待防止法では、養護者と養介護施設従事者等が行う虐待について定義されており、保険医療機関における医療専門職による虐待については含まれていません。保険医療機関における医療専門職からの虐待が発生した場合は、医療法の規定に基づき都道府県が検査・指導を行う事になります。

選択肢4. この法律では、市町村が養護者による虐待を受けた高齢者の居所等への立入調査を行う場合、所轄の警察署長に援助を求めることができると規定されている。

〇 選択肢の内容は、高齢者虐待防止法第12条に規定されています。

選択肢5. この法律は、市町村に対し、高齢者虐待の防止・高齢者とその養護者に対する支援のため、司法書士若しくは弁護士の確保に関する義務を課している。

✕ 高齢者虐待第15条に『養護者による高齢者虐待の防止、養護者による高齢者虐待を受けた高齢者の保護及び養護者に対する支援を適切に実施するために、これらの事務に専門的に従事する職員を確保するよう努めなければならない』と規定されていますが、その職種に就く事に対して資格の要件は規定されていません。

参考になった数25

03

高齢者虐待は増加傾向にあります。

それを防ぐための高齢者虐待防止法を

しっかりと把握しておくことが重要です。

 

近年出題頻度が増えています。

選択肢1. この法律における高齢者とは、65歳以上で介護保険制度における要介護認定・要支援認定を受けた者と定義されている。

×:誤りです。

 

65歳以上の者を「高齢者」と定義しています。

要介護・要支援認定の有無は問われていません。

 

一方で、65歳未満の者であって養介護施設に入所、

又はその他養介護事業に係るサービスの提供を受ける障害者については、

「高齢者」とみなして

養介護施設従事者等による虐待に関する規定が適用されます。

第2号被保険者などが該当します。

選択肢2. この法律では、セルフネグレクト(自己放任)の状態も高齢者虐待に該当することが定義されている。

×:誤りです。

 

セルフネグレクトは該当しません。

高齢者虐待防止法に定められる虐待は

①身体的②精神的③介護・世話の放棄・放任(ネグレクト)

④性的⑤経済的

となっています。

選択肢3. この法律における高齢者虐待の定義には、保険医療機関における医療専門職による虐待が含まれている。

×:誤りです。

 

医療機関において、

医療従事者等による高齢者虐待があった場合には、

高齢者虐待防止法ではなく、

医療法の規定に基づき、都道府県等が検査をし、

不適正な場合には指導等を通じて改善を図ることになります。

選択肢4. この法律では、市町村が養護者による虐待を受けた高齢者の居所等への立入調査を行う場合、所轄の警察署長に援助を求めることができると規定されている。

○:正しいです。

 

高齢者虐待防止法第12条にて

(警察署長に対する援助要請等)

市町村長は、前条第1項(※)の規定による

立入り及び調査又は質問をさせようとする場合において、

これらの職務の執行に際し必要があると認めるときは、

当該高齢者の住所又は居所の所在地を管轄する

警察署長に対し援助を求めることができる。

 

とされています。

※第11条で立入り及び調査などについて規定されています。

選択肢5. この法律は、市町村に対し、高齢者虐待の防止・高齢者とその養護者に対する支援のため、司法書士若しくは弁護士の確保に関する義務を課している。

×:誤りです。

 

高齢者虐待防止法第15条にて

(専門的に従事する職員の確保)

市町村は、養護者による高齢者虐待の防止、

養護者による高齢者虐待を

受けた高齢者の保護及び養護者に対する支援を

適切に実施するために、

これらの事務に専門的に従事する職員を

確保するよう努めなければならない。

 

とされていて、努力義務となっています。

選択肢の義務を課してるとは違うものです。

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