社会福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問136 (児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 問1)

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問題

社会福祉士試験 第36回(令和5年度) 問136(児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

子ども・家庭の生活実態に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

(注)「令和3年度ヤングケアラーの実態に関する調査研究」とは、株式会社日本総合研究所が、令和3年度子ども・子育て支援推進調査研究事業(厚生労働省)として実施したものである。
  • 「令和4年版男女共同参画白書」(内閣府)によると、子供がいる世帯の妻の就業状態は、パートタイム労働よりフルタイム労働の割合が高くなっている。
  • 「令和4年版犯罪白書」(法務省)によると、少年の刑法犯等検挙人員は令和3年には戦後最大となった。
  • 「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(文部科学省)によると、いじめの認知(発生)件数は、令和2年度に比べ減少した。
  • 「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要」(厚生労働省)によると、母子家庭の世帯の平均年間収入は、同年の国民生活基礎調査による児童のいる世帯の平均所得の約8割である。
  • 「令和3年度ヤングケアラーの実態に関する調査研究」の小学校調査によると、「ヤングケアラーと思われる子どもの状況」(複数回答)では、「家族の通訳をしている(日本語や手話など)」に比べて、「家族の代わりに、幼いきょうだいの世話をしている」が多い。

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この過去問の解説 (3件)

01

子ども・家庭の生活実態に関して、男女共同参画白書などの白書から主な事項を確認しておきましょう。

選択肢1. 「令和4年版男女共同参画白書」(内閣府)によると、子供がいる世帯の妻の就業状態は、パートタイム労働よりフルタイム労働の割合が高くなっている。

 パートタイム労働の割合が高くなっています。

選択肢2. 「令和4年版犯罪白書」(法務省)によると、少年の刑法犯等検挙人員は令和3年には戦後最大となった。

少年犯罪は減少しています。

選択肢3. 「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(文部科学省)によると、いじめの認知(発生)件数は、令和2年度に比べ減少した。

いじめの認知(発生)件数は、前年度よりも増加しています。

選択肢4. 「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要」(厚生労働省)によると、母子家庭の世帯の平均年間収入は、同年の国民生活基礎調査による児童のいる世帯の平均所得の約8割である。

母子家庭の平均年間収入は平均所得の約5割です。

選択肢5. 「令和3年度ヤングケアラーの実態に関する調査研究」の小学校調査によると、「ヤングケアラーと思われる子どもの状況」(複数回答)では、「家族の通訳をしている(日本語や手話など)」に比べて、「家族の代わりに、幼いきょうだいの世話をしている」が多い。

「家族の代わりに幼いきょうだいの世話をしている」のは、約8割です。

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02

家庭環境は児童に大きな影響を及ぼし、時には児童の権利を侵害してしまう事もあります。現代日本の社会問題として、状況を正確に捉える必要があるでしょう。

選択肢1. 「令和4年版男女共同参画白書」(内閣府)によると、子供がいる世帯の妻の就業状態は、パートタイム労働よりフルタイム労働の割合が高くなっている。

✕ 「令和4年版男女共同参画白書」の調査結果によると、全ての年代でパートタイム労働者が多い事が分かっています。フルタイムは20~30%の割合、パート労働者は40~50%の割合となっています。

選択肢2. 「令和4年版犯罪白書」(法務省)によると、少年の刑法犯等検挙人員は令和3年には戦後最大となった。

✕ 「令和4年版犯罪白書」の調査結果においては、少年の刑法犯等検挙人員は平成16年以降減少しており、令和3年には戦後最小となっている事が分かります。

選択肢3. 「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(文部科学省)によると、いじめの認知(発生)件数は、令和2年度に比べ減少した。

✕ 「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」によれば、いじめの認知(発生)件数は615,351件となっており、令和2年度から98,188件(19.0%)増加しています。

選択肢4. 「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要」(厚生労働省)によると、母子家庭の世帯の平均年間収入は、同年の国民生活基礎調査による児童のいる世帯の平均所得の約8割である。

✕ 「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要」によれば、母子家庭の世帯の平均年間収入は373万円であり、児童のいる世帯の平均所得の45.9%となっています。

選択肢5. 「令和3年度ヤングケアラーの実態に関する調査研究」の小学校調査によると、「ヤングケアラーと思われる子どもの状況」(複数回答)では、「家族の通訳をしている(日本語や手話など)」に比べて、「家族の代わりに、幼いきょうだいの世話をしている」が多い。

〇 「令和3年度ヤングケアラーの実態に関する調査研究」の小学校調査においては、「家族の通訳をしている」と答えた子どもは22.5%なのに対し、「家族の代わりに幼いきょうだいの世話をしている」と答えた子どもは79.8%となっています。

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03

2023年に子ども家庭庁が設立され、

児童に関する新しい施策が始まっています。

時事的に、出題されやすくなりますので

児童福祉に関して、しっかり覚えておきましょう。

選択肢1. 「令和4年版男女共同参画白書」(内閣府)によると、子供がいる世帯の妻の就業状態は、パートタイム労働よりフルタイム労働の割合が高くなっている。

×:誤りです。

 

白書では、

妻がフルタイム労働(35時間以上の就業)の世帯数は、

昭和60年(1985年)以降、400~500万世帯と横ばいで推移している一方、

妻がパートタイム労働(週35時間未満就業)の世帯数は、

同期間で約200万世帯から約700万世帯へ増加しています。

 

専業主婦が減少しているとも言えます。

選択肢2. 「令和4年版犯罪白書」(法務省)によると、少年の刑法犯等検挙人員は令和3年には戦後最大となった。

×:誤りです。

 

少年の刑法犯等検挙人員は、

昭和26年の16万6433人が第1のピークで、

終戦(昭和20年)後の社会不安における

少年刑法犯の多さだったといえます。

 

昭和39年の23万8830人、昭和58年の31万7438人と

ここでもピークがあり、ベビーブームによって少年の数が増え

それに比例して少年刑法犯が増加してと思われます。

 

近年は少子化による少年の減少に伴い

少年刑法犯は減少を続け令和3年は2万9802人と

過去最少を記録しています。

 

少年刑法犯の人員比率も減少傾向にあります。

選択肢3. 「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(文部科学省)によると、いじめの認知(発生)件数は、令和2年度に比べ減少した。

×:誤りです。

 

令和3年度の調査結果によると、

小・中・高等学校及び特別支援学校における

いじめの認知件数は615,351件であり、

前年度の517,163件を上回り、

児童1,000人当たりのいじめ認知件数は

47.7件でこれも前年度の39.7件を上回った。

 

平成27年12月22日の児童生徒課長通知にて

いじめ認知への取り組みが強化され

認知件数は増加してきている。

 

※新型コロナウィルスの令和2年大幅に減少したが

令和3年度から再び増加となった。

選択肢4. 「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要」(厚生労働省)によると、母子家庭の世帯の平均年間収入は、同年の国民生活基礎調査による児童のいる世帯の平均所得の約8割である。

×:誤りです。

 

令和2年の母子世帯の母自身の平均年間収入は272万円で、

母自身の年間就労収入は236万円となっています。

 ※年間収入には児童手当などが加算されていると思われます。

 

さらに、同居親族を含む世帯全員の収入は373万円となっています。

 ※子ども以外の同居者がいる母子世帯が35.2%

  親と同居する母子世帯が24.2%となっているので

  祖父母の年金収入などが加算されていると思われます。

 

世帯平均年収の373万円は、

児童のいる世帯の平均所得を100として比較すると

母子世帯は45.9となっています。

選択肢5. 「令和3年度ヤングケアラーの実態に関する調査研究」の小学校調査によると、「ヤングケアラーと思われる子どもの状況」(複数回答)では、「家族の通訳をしている(日本語や手話など)」に比べて、「家族の代わりに、幼いきょうだいの世話をしている」が多い。

○:正しいです。

 

4種の学校調査

①中学校 ②全日制高校

③定時制高校 ④通信制高校

が行われましたが

①~④すべてで、

「家族の代わりに、幼いきょうだいの世話をしている」が

最も多くなっています。

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